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病魔撃退魔法少女?

このたび、Find me in them!!!という作品の中に出てくるお話、病魔撃退魔法少女☆を独立させました!

こちらだけでもお楽しみいただけるかと思います!

Find もお読みくださっている方、ありがとうございます!

冬です!私、ひかりは中学を無事卒業し、高校へ上がる前の、ちょっと早めの春休みに入ったところ。まだまだ木枯らしが吹き荒れてとっても寒いです。

「ひえぇぇ! 外はまだやっぱり寒いね」

「そうだね、マスクしている人も多いし、風邪も流行る時期だよね」

たしかに……咳もしている人もいるみたい。よしっ、

「フレー! フレー! みーなーさーん!」

「ちちょっと、ひかり!?」

「フレ、フレ、みなさんフレ、フレ、みなさん!」

「ストップ、ストップ! 恥ずかしいからやめなって!」

「えへへ〜、ごめんごめんつい」

「もう。で、今日はいきなりどうしたの?」

「いやぁ、みんな風邪に負けるなー! って思ったら応援しなきゃねって思って」

「はぁぁぁ……さすが、野生動物。思いたったら考える前に行動にでちゃう。いや、考える頭がなかったんだっけ?」

「もぉ〜、みゆう酷いよぉ〜」

「まぁ、あたしはひかりのそういうとこ、嫌いじゃないけどね」

こっちの小さくて毒舌なのは、私の幼馴染であり親友の、みゆう。

「嫌いじゃないってことは……どういうこと? ん?」

「はいはい、無い頭で考えないの」

「うーん、でも私は、みゆうのこと大好きだよ」

「なっ! なにいきなり言ってんのよ! ひかり、話が飛び過ぎ!」

「そうかなぁ? えへへへ、ごめーん」

「ほんと、エスカレーター式じゃなかったらひかりに高校生活が訪れていたかも心配だよ」

「そ、そこまでー!? で、でも大丈夫! エスカレーター式だからこうして今、二人でおそろいのスクールバッグを買いに行けたんだよ」

そう、高校生になったらみゆうとおそろいのスクールバッグを持って、毎日一緒に登校するんだ!

もうみゆうが学校へ行きたくないなんて言わなくていいように。

そして、

「あとこれ、私の手作りマスコット! これもおそろいで付ければ完璧」

「えっ、ひかりが作ったの? この、えっと……海坊主?」

「違うよ! 幸せなオーラをキャラクター化したんだよ!」

「なにそれ分かんないよ」

「うーん……いらない、かなぁ?」

「……ううん、いる」

おそろいのスクバ、おそろいのマスコット、とってもとっても嬉しいです!


「キャーーーー!」

「人がいきなり血を吐いたぞ」

「誰か! 救急車! 救急……ぐわぁ!」

「えっ、なに!? あの人まで……ぐ……」

「救急車! はやく! いま目の前で三人、四人……次々に血を吐いているんです!」


い、いったい何が起こっているんですか!?


「くっくっくっ……救急車など呼んでも無駄ですぞ」


えっ、どこから声が……上から!? 宙に誰か浮いてる!?


「彼らは、わたくしが改良した、吐血傑出型の結核菌に感染したのです。感染した瞬間に大量の血を吐き、死に至るのです。うかうかしていると、あなた達にも移りますよ」


「みんな逃げろ!」

「キャーーー!」


「ひかり、逃げよう」

「う、うん!」

さっきまで平和だった街は、もう地獄です。

我先にと逃げ惑う人々。

血を吐く人が増えてきて、振り返るたびに道路は血の色で赤黒くなっていきます。

人混みに揉まれ、みゆうの手を必死で引っ張って逃げます。


ブチッ

私のスクールバッグに付けたマスコットが、誰かに引っかかり、紐が音を立てて切れました。

球状のマスコットは、人々の間を蹴飛ばされ、血を吐く人々の方へコロコロと転がっていくのが見えました。


「み、みゆう!?」

掴んでいたみゆうの手が、するりとすり抜け、みゆうはマスコットを追っていきました。

「みゆう! だめ、危ないよ!」

みゆうは、こんなことする子じゃないのです。

みゆうは人混みが苦手で、危ないことが嫌いで、私なんかよりずっと物事をよく判断できる子なんです。

それが、今はなぜだか、人の流れに逆らい、移るかもしれないのに血を吐く人々の方へ、ただのマスコットを追って走っていくのです。

「みゆう! 行っちゃだめ!」

そして、みゆうはようやく、転がるマスコットを拾いました。

しかし、その場所はさっきの変な宙に浮かぶ人の目の前でした。

「なんですか、あなた。死にたいのですか? でしたら、そのお望み、叶えてあげますよ」

「いっ……いっ……!!」

「みゆうーーー!!!」

中に浮かぶ男がみゆうに襲いかかり、私はみゆうに飛びつき、覆いかぶさりました。

「がばっ!!」

「ひかり……ひかり!!」

私は、覆いかぶさったみゆうの服の上に血を吐いてしまいました。

みゆうが小さな肩を震わせ、泣き叫ぶ声が段々と遠くなっていくような気がします。


「大丈夫。あとは、私に任せて」

心地良い声が肺に響き、スッと楽になりました。


「病魔撃退魔法少女☆対結核、リーファ。結核菌、今日こそ覚悟!」

「また出ましたね。あなたはいずれ始末するつもりですが、私にはまだ他にやることがありますので。今日はここまでといたしましょう。死体は貰っていきますよ」

「逃げるな! ……くそっ」


そこまで聞こえ、私は気を失ってしまったようです。


目を覚ますと、見知らぬ天井が見えました。

「あれ……ここは?」

「ひかり!」

「みゆう……」

「ひかり、よかった……気がついた!」

「あれ……私……そうだ、私血を吐いて……」

「ばか! なんであたしなんか庇ったの! ひかり、死ぬところだっとんだよ!」

「でも、みゆうが……みゆうこそ。危ないよ……」

「そ、それは……うるさい、あたしなんかいいの!」

「良くないよ!」

「ひかり、そんな急に起きちゃだめだよ」

「みゆう……みゆう、無事でよかっ……えぐ……ひっ……みゆう、みゆう!」

私はみゆうをしっかりと抱きしめました。

「ちょっ、ひかり? く、苦しい!」

「みゆう、私の大事なみゆう! 無事でよかった。みゆう、みゆう、みゆう……」

みゆうの鼓動が私の鼓動と合わさり、生きている。


「気がついた?」

私が寝かされていた部屋の扉が開き、あの時の心地良い声がまた聞こえました。

「あなたは……」

「ひかり、この人が私達を助けてくれた。あんりさん。ひかりが血を吐いたあと、あの変な男、逃げた。あんりさんがここまで運んでくれた」

「そ、そうなんですか! ありがとうございます」

「いえ、私は私にできることをしただけ。でも、あなたを助けられて良かった」

「そうなると、ここは?」

「ここは病魔撃退魔法少女☆東京基地の中」

「病魔撃退魔法少女? えっ、ええっと……ごめんなさい、私頭悪くて、処理しきれなくて……」

「無理もないわ。少し説明しなくてはね。数ヶ月前、病原菌が突然変異を起こし、人形化して暴れだしたの。私達はそれらを病魔と呼ぶ。従来の病原菌は増えるために人に感染し、結果的に人を死に追いやってきたけれど、病魔の目的は分からない。ただ人々を殺し、その死体を回収していっている。それに対抗する手段を研究者たちが研究し、ある特殊な人の体質が、やつらの病原菌に効果があることが分かった。それが病魔撃退魔法少女。例えば私は、病魔結核菌の抗体という体質で、私が唯一、結核菌に対抗できる。魔法少女名は、リーファ」

「ええっと……んん?」

「簡単に言うと、あの結核菌に対抗できるのは私だけってこと」

「そ、そうなんですか」

「日本には今、様々な病原菌が病魔と化し、それに対抗する病魔撃退魔法少女が見つかり、組織化された。その組織のひとつ、東京基地がここという事」

「よく分からないけど、分かりましたかもです」

「ひかり、絶対分かってない」

「でへへ、バレた?」

「そしてひかりさん、みゆうさん。すごい偶然だけれど、今日あることが分かったの。あなた達は病魔撃退魔法少女の体質を持っている。申し訳ないけれどこの基地に入る時に検査させてもらったわ」

「へ?」

私とみゆうが声を揃えて、頭にハテナマークを浮かべた。

今、なんて言いました?

「えっと……」

「ひかりさんは、対インフルエンザ。魔法少女名、タミフル。みゆうさんは、対マイコプラズマ。魔法少女名、クラリス。二人は病魔に対抗する体質を持っている。だから、私達と一緒に戦ってほしいの」

んな! やっぱりやっぱり、なんて言いましたーーー!?

「急にごめんなさい。でも、あなたたちが必要なの。今、日本に出現した病魔は、結核菌、うつ病、生活習慣病、そしてインフルエンザ、マイコプラズマ。でも日本には今、インフルエンザとマイコプラズマに対抗する病魔撃退魔法少女がいない。このままではインフルエンザとマイコプラズマに日本は殺られてしまう……」

「つまり、その、私はインフルエンザさんと戦うと? そういう事、ですか?」

「そうよ。そして、日本を救うの」

「そうですか」

「本当にいきなりごめんなさい。戦うとなると危ないめにも遭う。辛いこともある。それでも、私達にはあなたたちが必要なの」

「わかりました!」

「え!?」

「つまり、私達が日本を助けるっヒーローになるってことですよね」

「そ、そうね」

「私達にできる事ならやります! やらせてください!」

「ほ、本当に? いいの? でも、その、本当に、そんな簡単に……ありがたいけれど、えっと……」

「大丈夫です! 頑張ります! よろしくお願いします!」

「そ、そう。ひかりさん。ありがとう」

「ま、待って。あたし、そんな急に……」

「そうよね、普通はそうだわ。みゆうさんの反応は普通よ」

「えっと、それは私が普通じゃないみたいな……」

「みゆうさん、本当に急でごめんなさい。心の整理をつけて、返事をもらえたらと思っているわ。もし、あなたが病魔撃退魔法少女になりたくないと言っても、私達は他の手段をきっと探す。でも、いい返事を貰えたらなとは思っているわ」

「はい……」

私は普通じゃないのでしょうか……

そ、そんなことより! 確かにみゆうか戸惑うのも無理はないと思います。

「もうこんな時間ね。ご両親も心配するわ。ひかりさんも、一度お家でよく考えてみて。そして落ち着いたらまたここへ来て欲しい。勝手でごめんなさい。送るわ」


あんりさんは私達を家の前の道まで車で送ってくれました。

といっても、運転は男の運転手さんで、あんりさんは助手席に座り、私達は後部座席に座りました。


「ここまでで大丈夫です。ありがとうございます」

そう言って、私達は車を降り、あんりさんたちの車を見送りました。


「ひかり、」

先にみゆうが口を開きました。

「本当になるの? 病魔撃退魔法少女ってやつに……」

「私ね、人のために何かしたいの。ほら、私バカだから、そんな私でも、何かできるなら幸せだなって思ったの」

「そっか、でも、あたしはちょっと心配だよ」

「うん、でも、みゆうと一緒なら大丈夫な気がするよ」

「ま、まって! あたしはやるなんて……」

「みゆう、本当は私と同じ気持ちだと思うの。みゆうは優しい。私は昔からみゆうのこと知ってるから、そう思うの。違った、かな?」

少し間が空きました。

「ご、ごめんね! 私の勝手な決めつけだったよね、ごめん! 今の無し!」

「そうだよ……」

「え……」

「あたし、中一の時、ひかりに助けられた。学校に行けなくなったあたしを、死にたくなったあたしを、ひかりが助けてくれた。あたしもひかりみたいになりたいって思った」

「そ、そうなの!?」

「うん」

「そうなんだ! 嬉しい……だったら、一緒に頑張ろう!」

「でも、頑張れない。やりたいと思う気持ちがある。けど、動けないの」

「みゆう……そんなの、当たり前だよ……」

「あたしはそんな自分が嫌だ!」

みゆう……

「あたしには人を助けられる自信がない」

「私も自信が無いの。だけど、みゆうと一緒だったら勇気が湧くの」

「あたしが失敗したら、みんなに迷惑かけちゃうでしょ」

「その時は、私が全部帳消しになるくらい頑張るの」

「ひかりに迷惑かけたくないよ」

「迷惑だなんて思わない。それなら、私も迷惑かけちゃうから」

「あたしはきっと上手く人を助けられない」

「じゃあ、私が助けるよ」

「だったらあたなしは、いらないじゃん」

「みゆうは、本当は誰かを助けたいと思っているよね」

「思っているだけで、いざ行動しようとしても、いつも足がすくんじゃう。だからあたしは助けられない」

「じゃあ、私がみゆうを助けるよ!」

「え?」

「みゆうが誰かを助けられるように、私がみゆうを助けるよ!」

みゆうは笑ってました。涙をポロポロと、流しながら笑っていました。

みゆうは私の手をとって、

「ひかりは、病魔撃退魔法少女☆対インフルエンザ、タミフルちゃん。あたしは、病魔撃退魔法少女☆対マイコプラズマ、クラリス」

漫画という設定なので、セリフばっかですね笑

読み難かったら申し訳ございませんです!

少しずつ、編集して足していきたいと思います!

今後とも宜しくお願いしたいです!!

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