6.隊長はつらいよ
「はぁ…毎度毎度世話がやける…」
愚痴をこぼしながらも今日も街の酒場で報酬を山分けする俺こと七宮宗嗣。 きちんと二人が満足する配分にしないとグダグダ文句ばかり口にして家に帰る時間が遅れてしまうため、一発で決めたいところなのだが…
「おい、一番の功績を挙げた俺に対してたったこれだけの金額で我慢しろっつーのか⁉︎いくら隊長さんだからってこれは横暴だとは思わないかぁ⁉︎」
「公共の場で叫ぶなアホが。テメェの今回の働きから見れば当然の配分だと思ったからそう割り振ったに過ぎない。文句があるなら物乞いでもしているんだな。」
「なぁにふざけたこと言ってんのよ。むしろそれでも上々なんじゃないかしら? 私なんてお札が5枚程度よ?資源回収でいっちばん汗水流して頑張ったのは私なのにさ〜」
「頑張ったのは採掘機だろうが。ったく…支給されていたものはあれが最後だったのに派手にぶっ壊しやがって…弁償代は俺が払うんだぞ…」
「あぁごめんねぇ。いつまでたっても動かないからえぇーいっで感じでぶっ叩いたら急に暴走しちゃったのよ。最後はドッカーンって爆発したけど、採掘物のカプセルが頑丈だったから良かったじゃん」
「その採掘物の換金額よりも弁償代が釣り合ってない時点で良かったなんて口にするなボケがぁぁ‼︎」
最後は俺が叫んでしまう始末。これも仕事終わりには確実に起こってしまうお決まりの感じになってしまい、時たま家で鬱になりかけることがあるのだが、そんなこと言ったところでこの二人が表だった心配などするわけないと分かりきっているので口にしていない。
「あ、もうこんな時間。ねぇねぇ宗嗣。帰らなくても良いの? 妹ちゃん待ちくたびれてるんじゃない?」
「誰のせいでこんな時間になったと思ったんだよ…はぁ、今日はこれでお開きだ。次の仕事が来るまでしっかり羽を伸ばすように。以上だ」
「あっ、おい‼︎俺はまだ納得してないぞ‼︎」
「知るかボケが。 テメェもさっさと飯食ってさっさと帰れ。お前がいるだけで周囲の温度が数度上がるんだよ。つーか鼓膜破れそうだからバカスカでかい声で喋んなクソが」
そう吐き捨てて酒場を出て行く俺。
はぁ…今日の晩飯はなんだろうな。そう言えば牛乳とおだしの素が少なくなってきたって言ってたし、ついでに買って行くか。
そう思いながら近くのスーパーに立ち寄るのだった。
数十分後。
「ふぅ…こんなもんかねぇ。」
牛乳とおだしの素、ついでに白菜を買ってスーパーから出てきた宗嗣。
買い物も済ませ、急いで帰ろうとしたその時…
「強盗だーーーーー‼︎」
絶叫とともに強盗と言う言葉が聞こえて来る。
…はぁ、まったくなんでこうも帰らせてくれないのか…こりゃ怒られるなぁ…
一応の治安活動も仕事内容に入っているゼルフィー。よって今回の強盗も鎮圧しなければならないわけで……
「…あぁクソッ‼︎ どこだ強盗働きやがったアホンダラはぁぁぁぁ‼︎」
もはやキャラなど知ったことかと言わんばかりの叫び声で強盗をひっ捕らえようと大ぶりの大剣を構え走り出す宗嗣であった。
遅くなりましたが、明けましておめでとうございます
今回は会話パート多めに出来て自分としても納得できたのですが…早速宗嗣のキャラが崩れそうで心配です…←