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2.ディボウター

前ふり長すぎ…やっぱり加減が分からない…


早速の2話目 よろしくお願いします

さて、お話の続きを始めましょうか。と言っても、私に記憶されている歴史はたった一つの世界についてだけ。そこだけはご了承ください。


では…先ほどお話しした人間が持つ『負の感情』

これが原因で戦争やテロ、その他の崩壊要因が生まれ出ることはお分かりいただけたかと思います。


ではこれを踏まえてこう考えてみてください。




もし、人の『正の感情』つまりは相手に尽くしたいとか、よりよい世界を創り上げたいといった健全なる欲望によって世界が滅ぶとしたらどうなるのかを




ぱっと思い浮かばないというあなた

それこそが一般論で、普通ですからどうぞお気になさらず

おぼろげだとしても浮かんだあなた なかなかにセンスがおありかと思います


ちなみに私は塾考するまで考えもしなかったことですよ

確かに誰も考えることはないであろう仮説だと自負しておりますし、なにせ自らが抱く正の感情はいずれ別のものに成り替わり、新たなステージへと進むきっかけになるのですから。要するに、一度決めた正の感情だけに拘泥した結果、世界が滅ぶとしたらどうなるのか? と言った具合です。

これからお話しするのはそんな仮説が現実となった世界のお話です。


おっと…ずいぶんと話し込んでしまいましたね そろそろ私はお暇させていただきます。

次にお会いするのはこのお話が終わる頃でしょうか。では、しばしのお別れです……



あぁ 最後に一つ

これから目の前でめくられるお話は、




近い将来あなたの世界でも起こりうる…





そんな可能性を孕んだ物語ということをお忘れなく……









-西暦2XXX年-


とある一人の科学者がこう口ずさんだ


-世の中は利己的な考えを持つ輩であふれかえっている

それゆえ略奪や紛争、世界レベルでの問題が山積みになった現在が形成されたのだ

ならば利己的の真逆、利他的な人間を増やせばいいのだ

相手を思いやり、相手のために一生懸命に尽くそうとする人間で世界を埋め尽くせばきっと世界は救われるはずだ-


この言葉に賛同を示したほかの科学者も多く、国家体制で”思いやりでいっぱいの人間”(ディボウター)計画を推進。人間をディボウターに作り替える方法や薬がたちまち開発され、比例してその数を増やすディボウター。


ディボウターが生み出され、世界は気休め程度の平和を享受し、全人類はこれで世界は救われる。ずっと安泰だと信じてやまなかった。


しかし、気休めと口にしたように数年後、その平和は静かに崩れ始める……


生み出された当初は、特に目立った問題や事件を起こすこともなかった彼ら。

しかし数年後、ディボウターによる殺傷事件が発生。犯行の動機については「殺してくれれば俺もっと笑顔になれるよって言われたからやった」との一点張り。ディボウターが抱え込んだ危険性が世間に明るみになり、ディボウター廃止を訴えるデモ。家族を返せ、市民を返せといった要件での裁判が相次いだが、科学者たちには治す術がなかった。いや、本来なら持ち合わせていたのだが、それを開発しなかったのだ。なにせ科学者たちもこんな事態になるとは考えてもみなかったために、ディボウター治療方法のファイル、情報等を廃棄してしまったのだ。これも、科学者たちの思い込み。一つの理想に拘泥したが故の失態だった。

これによりディボウターに関する規制が多く設けられ、殺傷事件はほとんどなくなった。

社会からの信用を再度得られ、これで大丈夫だろうと全人類が思った矢先……


世界はついにその報いを受けることになる



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