好敵手 下
「んでだ、中々盛大なことを仕掛けたなぁ。」
目の前の和男だったか?が傘で俺の薬を全て防いでしまった。
「相変わらず、むちゃくちゃだな。」
「えぇ、それお前が言っちゃう?」
実際、どんなものをつかってんのか皆目見当もつないのだ。
「だが、こんなもんで終わりと思ったら大間違いだぞ?」
今度は懐からスイッチを取りだし
「今度はあれか、そこらの水鉄砲のやつか?」
俺はそっとスイッチを懐に戻す。
「図星かよ。」
「うるせ。お前が言っちゃうのが悪い。大体、ばらすし避けるし、たまには当たれ。」
「いや、理不尽だなおい。」
「まだまだ手はあるぞ。」
俺が次の手を打とうとしたときに
「いや、そろそろ終わりにしよう。時間がおしてるんだよ。お前と違って暇じゃない。」
あいつがそう言うので仕方なく終わりにすることにした。
「さて、んじゃお迎えも来たようだしな。俺は帰ることにしよう。」
派手な爆発音と共に天井は崩れ落ちる。
落ちてきた梯子に捕まり、上に上がっていく。
「あ、やべ。逃げられる。 ちょ、まってくんね?」
あいつは狼狽えているがお構い無く逃げる。
そして、スイッチを押すとヘリから水が大量に出て、流れ落ちる。もちろん、それも例の薬である。
「やばいやばい。それはやばいだろって。しかも、この音から考えると、この建物の全ての薬がこの部屋に流れるようになっていると。」
「流石だな。その通りだ。さぁ、どうする?」
「こうするさ。」
奴は最初に床を砕く。もちろん、下にもこれでもかというぐらい引き詰められている。
「うん、困ったね。どうすっか?」
「へいへい、面白いだろう?」
挑発してみると、あいつは懐からなにかを取り出す。正直なところ、何を取り出したかはよく見えない。拳銃のようではあるが。
それを器用に組み立てていく。
「まさか、お前...。」
「そのまさかだ。」
そして、その次の瞬間。発射される漆黒の巨大た弾丸。
「うわぁぁぁぁ。」
あいつがとんでくる。
「上にもあるんだぜ?」
そう、上にとんでくるが上から薬はばらまかれている。
「だからどうした?」
指がなり、水が無くなる。
「はぁ?どうなってやがる。」
「まぁ、気にすんな。」
仕方なく、あいつが飛んでくるのを防ぐために距離をとろうとする。
「別に乗せろっていってる訳じゃねぇ。」
そう言って、そのまま減速し、地上へとまっ逆さまに落ちていく。
気づくと風船が目の前に浮かんでいた。
「あー、もしもし?聞こえてるな?」
気づくのが遅かった。ニヤリと聞こえたかも知れないその瞬間、風船は破裂。
中から、液体が勢いよく飛び出してくる。
「うっ、こりゃあ水か?」
「な訳だろ。」
「ま、まさか。」
気づいたときには、体に変化が訪れ始めていた。
「性転換薬か。」
またもや、どこからか、声が聞こえる。
「ざまぁみやがれー。」




