一騎討ち ガレン
遅くなってごめんなさいです。
健治と博士との決闘が始まるのと同じ時刻。
ガレンと沖は森の中にいた。それも森の中であれば
広いであろう、拓けた所ではあるが。
「さてさて、お前とまた戦えるなんてな~。
楽しみだよ。今度は負けないけどな。」
「はぁー。この前、俺に負けたろう。
ガレン、お前馬鹿なのか?今回は
前回ほどは時間はかけないからな。」
つい最近、戦ったというよりついさっき。
前回の場所とおなじなうえで。
「無駄話はこの辺にして、やりあおうか?」
「さっさと終わらせるけどな。」
その瞬間、ガレンと沖はほぼ同時に
飛び出す。
そして、手始めというべきかどちらも拳を
つきだす。その拳は若干ではあるが、ガレンの方が
僅かに早く届く。
「くっ」
その拳は、沖の顔面の頬をとらえた。が、
沖も並大抵の反応速度ではない。瞬座に判断し、
全ての力、全身神経を回避に回す。
そのまま、やや強引に回避した拳ではあったが
沖もガレンに一発かましてやろうときつく
握りしめた拳を前に突きだす。
そのカウンターとも言える拳はガレンの体
に吸い込まれていくように見えた。
ガキンッ。
そんな音と共に沖のパンチは弾かれ、
二人してその場を離れる。
「あ?どうなってやがる。」
「惜しかったな。まぁ、この前のは全然本気じゃ
なかったってことだ。覚悟はいいか?」
その言葉を聞いた時に沖は若干身震いを
したが
「へっ。楽しくなってきたじゃねぇかよ。
やっぱ人生はこうでなくちゃな。」
そのまま口に笑みを浮かべると、
岩の固まりを作りだし、
ガレンに放り投げる。
ガレンは、というと全く同じ岩の固まりを
投げつけ相殺をし、そのまま歩みを進み始める。
「全くつまらん技を使いやがって。
俺は本気でやるったよな?
んで?もういいか?」
「やるんだったら早くやれよ。え?
それともできないのか?油断していると
相手にやられるっつうのは定番だぜ。」
その言葉と共に沖の周りには岩の固まりが
たくさん集まってくる。その岩を躊躇なく
ガレンに次々と投げつける。
しかし、ガレンは歩みを止めることなく
手で弾き一歩一歩近づいてくる。
「おいおい、まるで正義と悪が逆転している
ようじゃねぇか?まぁ、いいけどよ。」
「そんなことあるかよ。って!?」
そんなときガレンの足元が急に泥沼に
変わった。
「だから、言ったろ。さらに...。
《重力五倍》でどうよ。」
さらに、ガレンの身体に五倍の重力がかかり、
ガレンの身体はどんどん沼の中に沈んでいく。
「また、この前のか?相変わらず意味の
分からない技を使いや...。」
最後まで言うことはなく、ガレンは
泥沼の中に沈んで見えなくなった。