一人ぼっちの最終戦争 前編
意外と直ぐ書けました。ストーリーよりも
サブストーリーのほうが早く筆が進むってどういう現象なんでしょね?
悪の野望が攻めてくると
明言した日。ナキ島の大戦が行われている
時と同時刻。
魔物が魔族の国へと侵攻していた。
操っているのは、魔族軍でありながら
国をよく思っていなかった男、
「どんな奴らかは知らんが便乗させてもらうぜ。
このキリュウが一つ歴史を残してやるよ。」
自らをキリュウと名乗る男は、以前から今の王が
とことん嫌いだった。親父を殺された過去もあるが
それは感謝すらしている。
つまり、キリュウが気に入らないのは
「なんで平和なんて作ろうとすんだよ。」
現王が実現が不可能に近い平和という下らない
道を通ろうとするからだ。
少し過去に遡るが前国王は、戦闘好きで
しょっちゅう戦争をしていた。
魔族こそ最強、魔族こそ最高。まさにこんな
考えをしている愚王だったが戦いの腕だけは
誰にも引けをとらず、歴戦の傷は
数えきれないほどだった。
キリュウはこの王を心の底から尊敬していた。
実力主義だったその時代で平民から
のしあがった彼を。
しかし、キリュウの親父はそんな王が許せ
なかった。キリュウの親父はキリュウとちがい
平和的な世界を夢見ていた。が、実力では
とてもではないが敵わなかった。だから
ある行動にでた。
新たな戦争が勃発したときに前王は前線にでて
戦う。そこを彼は狙った。
勿論、前王も気付いたがその攻撃をあえて
避けなかった。もっともこれは誰も知らない。
そして、キリュウの親父は王になるはずだった。
しかし、現国王は彼を殺した。平和を望む一派の
No.2であったからだ。殺せば自動的に自分の
ものになる王の座。
その欲望に負けたのだ。それは、一時の悔やみ。
だが、その感情を無視し現国王は平和への
道を築き始めた。
さて、時を戻そう。そんな現国王を恨むキリュウは
この計画を実行に移した。いつかはやる計画、
機会がなかった。そんなときに宣言された
戦争。今やらないでいつやるか。
「さて、王の顔が見物だな。」
彼には少なからずも仲間がいた。その仲間が門を
あける手筈になっている。
彼は発煙筒をあげる。門をあける合図。
開戦の合図。一筋縄では行かないだろう。
そんなことは分かりきっていた。幹部のなかには
敵わない奴が大勢いる。邪魔はされるだろう、
門が開かない。何故だ?彼は考える。
あいつは裏切ったのか。今ごろ、俺の裏切りは
国中に広がっているだろう。彼はそう考えた。
まぁ、それも運命か。続いてそう考える。ここで
彼は死ぬだろう。
一人ぼっちでの最終戦争、今始まる。




