ば、バレた?
あー、喉いてぇ。もう一段落着いたら新しい
話書くかもです。
「報告いたします。われわれ、冒険者と衛兵が
二百人ほどに対し、魔物の軍勢が確認出来るだけ
でも二千を超えています。」
「ば、バカな。この時期でもそんな前例は
無いんだぞ。くそ、直ちに見回りをして
いる冒険者に呼び出しをかけろ。」
「承知いたしました。」
この出来事は、和男が目覚めてから
三十分後の事。
時間は遡り、朝十時。
「仕事の時は起きるんじゃなかった?
お兄ちゃん?」
「良いだろ、昨日だって三時間見回りをして
魔物に一回も遭遇しなかったし、他のやつだって
言ってただろ。今年の収穫祭は楽でいいってよ。」
「それがこわいんじゃない。確かに楽なことに
悪いことはないけど...。」
俺もそれなりに怖がりだが、舞ほどというわけでは
ない。というより、少し怖がりすぎなんだ。
しかし、それが当たってしまったのだ。
勿論誰もそんなことは知らないが。知っていた
からといって出来ることもない。
「とにかく早く準備して下に降りて来てね。」
と言われてしまい、仕方がないので三分で
準備して、下に降りていくと
「ぐっすり寝たか?」
「あぁ、もちろん。」
健治といつも通りのことをし、出された
卵に浸されたパン、フレンチトーストのような
ものを口にいれて食っていたとき、
「魔物が多く発生しているらしいぜ。」
「まじかよ。でも、冒険者が巡回してるし
大丈夫だろ。」
「それもそうだな。」
聞いてはいけないことが聞こえた気がした。
「お兄ちゃんがずっと寝てるからー。」
「ま、まぁ。気にすんな、俺らより優秀な
奴はいるんだから。少し、ゆっくりゆったり
朝飯くらい食わせろよ。」
ゴクンッ。
「はぁ、食っちまった。朝はあんま食わない
タイプなんだけどなんだけどな。ま、いっか。」
バンッ。俺らのいる宿屋の扉が大きく
開かれた。
「ぼ、冒険者はいますか?」
「どうしたんだ?ほれ、水。」
「あ、ありがとうございます。(ゴクゴク)
はあー。生き返りました。そうそう、冒険者を
探しているんです。」
「俺たちだけど?」
「それは良かった。えっと、今は急いで
いるんです。とにかくこちらにきて下さい。」
そのまま連れて来られたのは、ギルドだった。
「おい、まさか説教か?おいおい、俺は
勘弁だぜ。あとは任せるわ。」
堪らず、逃げ出そうとした俺だったが
「説教ではないぞ。」
やけに貫禄のあって堂々とした声が聞こえた。
声のした方を振り向いて見るとそこには、
誰も居なかった。
「あ、あれ?」
「下じゃ、下。」
下を見てみるとやけに小さいおじさん?がいた。
俺の二分の一、あるかないかぐらいの身長で
背中に大きめの斧を背負っており、
顔のひげはモジャモジャしたかんじだ。
「お前たちが町の中でサボっていた冒険者か?
まぁ、だから、といっても何かするわけでも
ないがな。ただ、本来の仕事を全うして貰う
だけじゃ。」
「まさか、魔物が予想より多いなんてことは
無いよな。」
「そのまさかじゃ。ただ、少し多いなんて規模
じゃない。今のわれわれの人数が
二百人ほどに対して、相手は分かっているだけ
でも二千を超えておる。魔物もゴブリンや
オークだけじゃなく、アトラやサイクロン。
変異種も多いらしい。」
「嘘だろ。勝ち目なんかあるのか?」
「さぁな。だが儂らがやらなければ子どもたちや
老人はどうなる。真っ先にやられるのが
目に見えてるじゃろ。べつに全てを倒せなんて
言っていない。ただ、時間を稼げれば
それでいい。もうすでに、全線で戦っている奴
はおる。」
ここまで言われたら男は廃る。だが、俺は
男子だ。男の子だ。つまり、俺が無理に
この依頼を受ける必要はない。
なんとことを考えていると、健治が俺のアソコを
思いけり蹴ってきやがった。
アソコというのは人によって下ネタと勘違い
するかもしれないが、断固して違うからな。
じゃあ、どこか?教える訳ではない。
プライバシーの侵害だ。
「健治、やるに決まってるだろ。なんで、
蹴るんだよ。」
「まぁ、そんな期待をしているわけでは
ないしな。死なない程度に踏ん張ってくれ。」




