いざ、実食
前回の武器精製を武器生成に変更いたしました。
グランブベア
気性は荒く、ランクはAほど。つまり、Aランクの
冒険者が数人集まって、倒せるほどの相手。
多彩なわざを使うが最初は大体突進を
してくる。全長三mほどの大きな熊。
生息する地域が限られているため、中々珍しい。
そして、その肉はたいへん美味しいため、
一部の人から人気の魔物である。
リチャード・エルフィン「魔物大図鑑」より
いま、俺たちの前には、グランブベアがいる。
さっき捕まえてきたばかりのピッチピッチの
新鮮なやつだ。
「よーし、食べるわよ。」
しかし、誰もその熊を解体しようとしない。
「何してんのよ?はやく解体しなさいよ。」
一斉に俺に視線が集まる。嫌なんだけどなー。
だが、仕方がないのでしぶしぶやることにした。
やり方が分かる訳ではない。が、やらないと
いけないのだ。
レナから大きめのナイフを渡して貰うと、
うなじにナイフを入れ、首を一息に
切り落とし、次々に部位ごとに分けて
切っていく。
皮がとても厚く切りにくかったが、皮さえ
切れてしまえばあとは簡単だった。
肉にはかたさなどなく、本当にすらすら切れた。
レナに聞くと、丸焼きにして塩、胡椒で味付けを
して食べるのが一番シンプルでいいらしく、
屋台のも大体そうらしい。
さて、焼こうとなったがこれの焼き加減が
なかなか難しい。断面をきっちり五分焼くの
だが、全部の面を同時に一度の狂いもない
温度で焼くらしく、これにはとても苦労した。
このような調理方法から指定調理食材という
分別になっているらしいが便利な道具
があるらしい。
それは形状変化する合金、《ちゃんとヤケール》
とんでもなくネーミングセンスが問われる名だが
きっと命名した人も苦労したのだろう。
そんなことより、この道具は肉を包み、
焼くもの。だが相当高いらしく手がでない。
しかし、なにを隠そう和男には、材料さえ
あれば何でも作れる武器精製がある。
これは、武器生成から派生したもので作るだけ
でなく、強化も出来る。例えば、元々ある
鎌の切るところを伸ばすだとか剣の柄の部分
を伸ばして槍みたいにするとか、諸々。
まぁ、時間がたつともとにしたものごとなくなる
のだけど。
いまはあまり関係ないのでこれ以上は
やめるがまぁ、強くなったということだ。
話を戻そう。つまり、合金さえあれば
なんとかなるということだ。だから、健治には
ひとっ走りしてもらってる。
「和男これでいいのか?」
今、丁度帰ってきた。これでやっと丸焼きが
作れる。
え、丸焼きってモン〇ンみたい焼くんじゃ
ないのって?気にしたら負けだ。
そんなこんなで焼き上がったので実食といこう。
「いただきます。」
「何よそれ。」
あ、レナが居たんだった。
「俺たちの故郷の言葉だよ。」
そして、一口食べた。と思う。
なぜ、こう思ったか。
口に入れた瞬間、肉がとけたからだ。
周りも皆びっくりしている。
二口目。やはりとけた。
だが、今度は意識して食べたため、旨味も
ちゃんと感じられた。こう、なんというか
生きててよかったといった感じだ。
もう、そこからは手が止まらない。ん、口か?
まぁ、いいや。あまり食べなさそうな舞も
一心不乱に食べている。
収穫祭二日目は、満足の出来る
一日となった。




