真実を追うもの
頑張ります。お詫びでもあります。
「ところで、別室って何処なんだ?」
大会が終わり、俺たちとガレンは表彰を
受けるため、別室へと歩みを進めるが、
正直、どこだか見当も付かなかった。
「分かるか?健治?」
「いいや、全く。舞ちゃんは?」
「分かんない。」
俺らがそんな会話をしていると、
「着いたわよ。」
立派な扉だった。扉には、金の装飾がされて
おり、成人の二十人ほどが入りそうな
扉となっている。例えるのであれば
衆議院だったかの開かずの扉と言われている
物を豪華にしたかんじだ。
「王に謁見するのだから、無礼の
ないようにね。」
ラミルは、当たり前のことのように
重要なことをさらりと言った。
「は?今何つった?」
「だから、王に謁見するか無礼なことを
しないでね。」
「聞いてねぇぞ。なんだそりゃ。」
「言っていないもの。そこのガレンは、
王に謁見するのが大きな目的よ。」
「なぜ、お前が知っている。」
「そんなことより、何しに来たんだよ。」
「ほら、扉が開くわよ。」
と、開きそうにもない扉が
開き始めた。
ギギギギギギギギ。
ラミルは堂々と歩いていき、ガレンは、
少し躊躇いながらも歩いて行った。
そして、健治と舞は肩をすくめて
歩いて行った。
(置いていくなよな。)
そう思いながらおれも歩いて行った。
すると、中はとんでもなく広かった。
学校の体育館とかより全然大きく、
はるかに豪華だった。
少し歩くと、王の座る玉座が見え
ラミルたちはすでにその目の前にいる。
「それで、今大会の優勝者は誰だ。」
とても威厳のあるこえだった。
「俺です。」
「ほう、そんなに弱そうなのによく勝てたな。
隣のそなたのほうが筋肉の質も体つきも
強そうなのにな。まわりのレベルが
低かったのかな?」
と、俺を見たあとすぐにガレンを見始めた。
「まぁ、よい。それで、わしに言いたいことは
あるか?ないならあとは、終わりにするが。」
早くね。何しに来たんだよ。
「恐れながら、王よ。聞きたいことがあります。」
と、ガレンは切り出した。
「そなたは?」
「ガレンと申します。」
「それでガレンよ。聞きたい事とは?」
「私はこの世界の真実を求めております。
そこで、真実を知りませんか?」
「真実とな。」
「はい。最近、おかしなことが立て続けに
起きております。誘拐に魔物の活発化などです。」
「ふむ。確かにその通りだ。だが、わしには
分からん。誰が起こしたかも、何が目的かも。」
「そうですか、有り難う御座います。」
「他に聞きたいことは?」
ガレンは、ため息をバレないようにつき、
ここもか。と、呟いている。
「それでは、王よ。このラミルが言いたいことが
あります。」
「何だ?」
「そこにいるガレンが述べたことにも
関連するのですが。」
ガレンが下げていた頭を上げてラミルの
ほうを気にしている。
「単刀直入に言います。そのことについて
詳しくは話せませんが、それに警戒してください。
なにを計画しているかは、分かりませんが
良いことではないことは確かです。それと
このことを他の国にもお話下さい。」
「生意気じゃな。だが、今は少し機嫌が
よくてな。特別に許そう。その点については
検討しておこう。」
ガレンは、ラミルを見て
「あいつはなにを知っている。」
とか、呟いている。
「客人のお帰りだ。」
ファンタジーでよくあるようなことを
言われて謁見の間から追い出された。
「さて、帰りましょうか。」
おれらが帰ろうしたときの事だった。
「ちょっと待て。お前らは知っているのか?
この世界の真実を。そうだ、試合中に言っていた
チートと言うのは何だ?」
チートという言葉が出た時、ラミルから
睨まれた。
「あなたは知らないほうがいい。世の中には、
知らないほうがいい物もあるのよ。」
「それでもだ。」
「分かっているの?これの深刻さが。これを
知ってしまったら、もう戻れない。覚悟は
出来ているの?」
ラミルはこんなに説得をしようとしている
のを初めてみた。あんなに切れやすいのに。
あ、また、睨まれた。口にでてたかなぁ。
「出来ている。俺はこの世界にずっと疑問を
持っていた。それが最近になってさらに
不思議になった。俺はそれを追わなければ
ならないんだ。この大会に出た理由も
その情報を得るためってのもあった。」
「本気なのね。」
「あぁ、本気だ。」
「分かったわ。そこまで言うのなら
話しましょう。」




