出会い
魔の山に籠ってから、一週間がたった。
俺たちは当初の作戦どうりに魔の山から
脱出することにした。
この一週間、無事に過ごすことが出来たかと
いうと答えはノーだ。
実にいろんなことがあった。主にラミルのせいで
命が何個あっても足りないような...。
例えば、ラミルが強すぎて周りに近づけない
鳥の魔物が腹いせに上空からおれに向け、
糞を落としてきた。なぜ、俺だけ?
俺だけだったらいい。ムカつくが
まだ許そう。まだ俺だけだったらよかったのだ。
「カズ、糞が頭に落ちて可哀想ね~。」
と、ラミルは笑っていた。
「私みたいな神には、糞なんて汚らわしいもの
は落ちて...。」
その時、フラグを回収してしまったのだ。
そう、ラミルの頭に落ちてきてしまった。
べちょ...ブチッ。
落ちる音と血管の音が切れる音が聞こえた。
あとは想像がつくだろう。どんなことが、起きたかは
想像に任せよう。
と、こんなところだ。話せばまだまだあるが
思い出すのも辛い。だから、話を戻そう。
「ところでラミル。どうやって出ていくんだ?」
「あぁー。まぁ一週間も経てば監視の目も
なくなるでしょ。ね。」
と、ラミルに言われ、魔の山を下りた俺たち
だったが、下りると数人の男がいた。
「どうやら、甘く考えすぎたようだ。」
ラミルが珍しく焦っている。
「やはりか...。」
向こうの男は、冷静に呟いた。
よく見ると男の中にはこの前の爆弾魔の
姿もあった。
「ども、久しぶりッス。」
すると、ラミルが慌ててこう言った。
「おい、スミル。何でここにいるんだ。」
スミルと言われた男はラミルを見ると、
「おう、ラミル。久しぶりだな、
げんきだったか?神から落ちちまってよ。」
「余計なお世話だ。そいつらをお前がつれて
来たのか?」
「まぁな。それでイレギュラーとラミルよ。
悪いが、死んでくんねぇか。」
俺たちは驚きで言葉が出なかったが、
ラミルは違った。
「ふざけるな。こちらがそっちを殺す。」
最初の冷静な男がスミルという男に向かって、
「ほう、お前そんな名前だったのか?殺すと
いっても確実性に欠ける。しかも
追われるのは楽しいからな。」
「ん、そうか。そうかそうか。勉強に
なるよ。それも面白いな。じゃあ、ここは
一旦引くか。そうだ、あえて組織名を明かすって
のはどうだ?」
「いいアイデアだな。いいか、イレギュラー。
俺らは、悪の野望だ。
お前らとは、何度でもあいまみれる
だろう。因みに俺の名は柊 圭だ。
んで、こっちは...。」
「高橋 明ッス。」
「三代 快。」
と、自己紹介をされた。しかし、ラミルは、
「逃がさねえぞ。束縛する部屋。」
「じゃあな。」
と言い、ラミルの技も虚しく、にげていった。
俺たちの戦うべき相手がわかった
瞬間だった。