表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/92

爆弾魔

遅くなりました。

カズたちが、ミダについてから三日がたち、

とうとう祭の日がやってきた。


だが、カズは...。


「Zzz...zzz...。」


「早く起きて。お兄ちゃん。お兄ちゃんってば。

今日、祭でしょ。ねぇ、起きて、起きて。」


「だぁー。分かった分かった、分かったよ。起きる

起きる起きるから、揺らすのをやめろ。ば、

殴るな。」


俺はねていた。いつも通り、しかしまい

起こされた。こんなことが許されるのか?

休みの日にぐだぐだできないのは、

許されるのか?


「なにぶつぶついっているの?」


やれやれ。起きるしかないようだ。



起きると、いつも通り昼。ではなく、

まだ朝だった。

「たまには、いいか。」


まだ朝だというのに、人だかりが多かった。

屋台も多く、いい匂いがする。


「さて、何から食うかな。なに食べる、舞?」


「じゃあね~。あの、カトフ肉の肉じゃが。」


「そういえば、舞は肉じゃがが好きだもんな。健治は、カレーだっけか?そういえば、健治は?」


「健治君は、用があるっていって

でかけたんだよね。」


ドカーン。バババババババ。

爆発音らしき音が辺りに響いた。

ボッボッボッボッ。


「なんの音だ。」


ボッボッボッ。


「逃げろー」


「助けてー」


どうやら、爆弾テロが起きているらしい。


「カズ、舞ちゃん。無事か?偵察をしてきたが、

恐らく、神の手先とボムリンが数体って

ところだな。どうする?」


「んー。まず、ボムリンって奴は、全身が

爆弾でそういうテロにはもってこいの奴だったよな。

勝算はあるのか?」


「勝てるとは思う。けど、町への被害は避けられ

ないだろうな。」


「そうか...。逃げるか。うん逃げよう。」


「おう。分かった。逃げるんだな...。

よし、逃げよう。って、は、逃げんの?

ここは、颯爽と現れて危機を救うっつう展開

だろ。そんなんでいいのか?」


そうだった。健治は若干夢見がちボーイだった。

しかも、俺より主人公素質がある...。


「相手は神の手先だぞ。相手がなにを企んでいるか

分からない場合、戦うのは得策じゃない。この町に

思い入れが強いわけでもないしな。」


「でも、お兄ちゃん。祭、まだ楽しんでないよ?」


「勝ったあとに祭が続いているとも

限らないし、俺らは命ある人間だ。そんな

やったらめったに危険に晒すな。」


「分かったよ。」


「そうと決まれば...。」


俺が言葉を言い終わる前に爆弾テロを起こしたと

思われる男が目の前にいた。


「カズ、あいつだ。テロを起こしたのは。」


(は、嘘だろ。逃げさせてくれよ。)


「いやー。少し話が聞こえちゃいましてねー。

あなた方、イレギュラーですか?」


「いえ、違います。」


(やっぱ、即答に限るよな。)


「即答ッスか。じゃあ、違うんすかね。まあ、

どっちでも俺っちのやることは、変わらない

すけど。やっちゃって下さい。ボムリン。」


ボッ。ボボ。ボボボボ。


「ちっ。健治、適当にバラけるように

撹乱してくれ。舞は、防御膜で守ってくれ。」


「分かった。」

「うん。」


そう言うと、健治は近くにいたボムリンを

切り捨てた。そのあと、そのまま周りのボムリンを

一薙ぎにした。


「あーあ。やらちまいましたよ。やっぱ、

あなた方はイレギュラーでしたね。さすがに

ボムリンを一薙ぎに出来るのは、そうそう

いないッスよ。剣を使うあなたが谷原 和男

っていうひとですかね?」


「ん、いや違う。俺は健治。和男はそっちで、

もう一人は舞ちゃん。」


「おい、健治。なにばらしてんだよ。

秘密は重要なんだぞ。」


「あは、はははは。いやー、あなた方面白い

ですね。まあ、いい情報ありがとうございました。

こっちも大分暴れましたし、今回はここで

退くッスかね。」


と言うと、この前の男のように懐から

転移石を使って、消えた。


「なんだったんだ。あいつ。」






男の転移した先では、また別の会議が

行われていた。


「いやー。強かったッスね。あのイレギュラー。

ボムリンを一薙ぎッスよ。でも、イレギュラーって

一人じゃなかったス。」


「神の情報ではな。だが、先日の会議で

他にもいると中井が言っていただろ。」


「そういえば、そうッス。でも、和男以外の名前も

分かったッス。剣の方が健治で、守りの方が

舞っつう名前っぽいッス。あと、サンプルは

取り損ねたッスよ。」


「まぁ、もともと期待はしていない。名前の

情報を持ってきただけでも上出来だ。」


と言ったあとで、違う男を手招きした。


「快、イレギュラーについての情報を

出来る限り集めておいてくれ。」


「仰せのままに。」


「では、今日はここまでとしよう。」


それを待っていたかのように座っていた

者は、立ち上がり、出口へと出ていったが、

取り仕切っていた者だけは、出ていかずに

ただ一言誰にも聞こえないにこう言った。


「有害な芽は早めに刈り取るか...。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ