薬草回収
「いつまで寝てんのよ。」バコッ。
(デシャブだ。)
ハイハイ、起きます。起きます。
だから殴るのをやめてください。
「今、何時ですか?」
「十時よ、十時。早く依頼を受けて、
達成して借金を返しなさい。」
ということで、サビ森の手前までやって
参りました。
「さて、早速薬草回収といきましょう。
さぁ、はやく鎌を生成して。」
「ヘイヘイ、分かりましたよ。」
「三十分しか持たないんだから、さっさと回収
するわよ。」
サクッサクッサクッヒールサクッ。
サクッヒールサクッサクッサクッ。
サクッサクッサクッヒールサクッ。
「なにお前ヒール使ってるんだよ。ずるいぞ、
おれにもかけてくれ。」
「いやよ。それとも借金増やす?ていうか、
口より手を動かしなさい。」
「今、どれくらい集まりました?」
「大体、三十束位かしらね。」
「あと時間はどれくらい?」
「もってあと数分ね。」
「じゃあ、いそいで刈らないとな。」
ぼろ、ぼろぼろ。ぼろぼろぼろ。
「あ、壊れた。」
「なんとか、四十束は集まったわね。」
がさがさ、
「なんの音だ。」
「さぁ、でもここらへんはそんな強い魔物は
出てこないはずだから大丈夫だと思うけど...。」
「それでも、早めに逃げて悪いことはないよな。」
「それもそうね。」
「んじゃ、こんなところからは早く逃げよう。」
「グギャギャ。」
「今、なんか言った?」
「いえ、なんとも。」
「まさかと思うけど...。これは、まずいわね。
レッドリザードよ。ランクBぐらいの魔物だけど
私たちには、少しきついわね。足は速いし牙も
鋭いから、殺傷力が高いわね。」
「何、冷静に解説してんだよ。それで
勝算は?」
「三%くらいかしらね。早く逃げるわよ。」
タッタッタッタッタッ。グギャグギャ。
「きゃあ。先に行きなさい。共倒れを
する必要はないわ。」
「行きません。俺まだ借金を返して
いないですしね。ほら捕まって下さい。」
「なにする気なの。走ってきたけど、あと百m
くらいはあるわよ。」
「瞬間移動で門のところまで行きますから、
そこからはお願いします。しっかり捕まってて
ください。じゃあいきますよ」
ヒュン ヒュン
「はぁはぁ、疲れた。すみません、あとよろしく
お願いしまっ。」
「魔力の使いすぎね。ったく、おんなの人に
男の人を運ばせるって出来るわけないでしょ。
魔力ポーションを飲ませて起こしましょう。」
と言い懐からビンにはいった赤い液体を取り出すと
カズに飲ませた。
「ふご。なになに、何があったの?」
「あんたが瞬間移動をして魔力切れを
おこして、私に運ばせようとするから、
魔力ポーションを飲ませて無理矢理おこしたのよ。」
「はぁ、苦労して、また苦労かー。」
「なんか言った?まぁ、感謝はしているわ。
あんたのその半端な能力でも役にたったのだし、
それに免じて、借金を...。」
「全額免除?」
「というと思った?魔力ポーションの値段分
借金上乗せよ。でもあなたも疲れたでしょ。
ギルドの報告位はやっといてあげるわよ。」
こうした異世界三日目が終わった。
要望も受け入れています。
全部は無理ですが...。




