実家にて
R18シーンが出てくる場面あるので御注意願います。
本当はカットしようと思ってた訳ですが話の都合上盛り込みましたごめんなさい
「ただいま」
ここは自分の実家。今この家は55の父と、50の母が仲良く暮らしてる。
少しでも零亞についての情報を得るために、母と父に話をしにきた訳だ。
「あら、あたしの方から電話掛けるって言ったのに……って、その子は……?」
今さっきまで夕飯を作っていたであろうエプロンを首に掛けた姿で玄関に来た母が見たのは、じっと息を詰めて自分のズボンの後ろに隠れてしがみついてる零亞の姿だった。
少しため息をついて、ポンと零亞の頭の上に手を置き、母に訪ねる。
「この子が零亞みたい。昨日の夜玄関の前に立ってた。今は成り行きで預かってる……で、零亞も挨拶しな」
自分のズボンから顔だけ覗かせて母を見つめる零亞。
それを見かねて母は膝を下ろし、零亞の目線になって話した。
「こんばんは。大一の母さんよ」
「こんばん……は……」
そうすると零亞は小声で答えた。
母は少し笑い、玄関での長話は零亞に悪いと、居間へ案内した。
そして自分は久し振りに帰ってきた実家に、少し懐かしみを感じていた。
一通り荷物を片付けてから、机を囲む様にして自分、零亞、母という形で夕飯を食べていた。
机の上には、母の夕飯と二人分の弁当。
「うーん、ごめんなさいね。いきなり大一が家に来るから、二人分のご飯作ってあげられなかったわ……」
ちょっぴり残念がる母を零亞は横目で見ていた。
「大丈夫だって。自分と零亞の弁当買ってきてあるし、気ぃ使ってくれなくてもいいよ」
零亞はそんな会話を尻目に黙々と弁当を食べる。
時々母に勧められて、母が作った里芋の煮物やきんぴら等のおかずもちょいちょいつまんで食べていた。
「父ちゃんは?」
父にも零亞について話を聞くつもりだったのだが、肝心の父が居ない事を疑問に思い、母に訪ねた。
「もう少ししたら帰ってくるはずなんだけどねぇ」
テレビではクイズバラエティが、部屋の空気を盛り上げてくれていた。
幸い、零亞は直ぐに母と馴染んだ。
夕飯前にも、母が「お箸運んでちょうだい」と頼むと零亞は素直に運ぶし、頼まれた夕飯のおかずもちゃんと居間の机に運んでお手伝いをしたりしていた。とは言っても、まだ言葉を交わせる間柄ではないが。
夕飯を食べ終わり、母がキッチンで食器を洗いに行く。
テレビの付いたままの居間で自分と零亞だけになると、零亞は普段通りに話し始めた。
「おばあちゃんのご飯、美味しかったね」
母の実家に来てから、零亞が初めて普段通りに話した。多分零亞は母に心は許しているんだと思うが、どこか年相応のシャイな部分が出てるんだろうなと思う。勝手な推測だが。
そして自分はテレビを観ながら、零亞に訪ねた。
「零亞は、おばあちゃん好きか?」
「……うん。好き」
「……そーか」
数十分程二人してテレビを観ていた中お風呂が沸いたので、服やら何やら準備を風呂に入ろうとした。
すると、零亞も風呂の準備に取り掛かっていた。
「……え? 一緒に、入るの?」
「……だめ?」
いや、だめじゃ無いけど、仮にも零亞って……いやいや、何もない。
ーー
自分が湯船に浸かっている間、色々な事ばかり考える。
シャワーのお湯に打たれている零亞の体はとてもとても小さい。
なんというか子猫というか小動物というか、まぁ、要するに小さい。
少し長めのシャワータイムの中で、零亞はその長くて白い髪を丁寧に、櫛を結い流す様にして洗っていた。
何度も思うが、零亞の髪は驚く程白い。そしてサラサラだ。ちゃんと毎晩丁寧に手入れかなにかでもしているのだろうな……と、割とどうでもいい事を軽く想いに更けっていた。
そして零亞は髪を洗い、体を洗い流すと、小声で「ふぅ~」と言いながら湯船に入ってきた。そして自分はただひたすら無心で湯船に浸かっていた。羞恥心なんて、あって無いようなものになっていた。
そりゃそうだ、妹なんてなんていない一人っ子だった自分からしたら、こんな状況下で冷静にしてられるはず無いからだ。
数分ほど一緒になってお湯に浸かった後、零亞が風呂から上がると裸のままキョロキョロと辺りを見回していた。
「なんだ? タオルならそこにあるだろ?」
「違うの。お薬が……」
不安そうに風呂場を物色している零亞に、疑問を抱いた自分は零亞に質問を問い掛ける。
「薬って、何の薬なんだ? っていうか、零亞って病気か何かあったのか?」
表情は変わらずのまま、また、どこか不安そうな顔でこちらを見つめて零亞は言った。
「病気は何もないと思うけど、お薬は絶対に飲まなきゃだって……ママが……」
何の薬なんだろうと、自分は少し考えた。
今日一日零亞はずっと元気だったし、特にこれといって熱も風邪も無さそうだし……零亞の体にとって、重要な薬か何かなのだろうか。
「なぁ、一日だけ薬を飲まないでも、大丈夫そうか?」
妙に心配だったが、今日一日の零亞を見ていて大丈夫そうだなと思ったのと、一日飲まなくとも大丈夫そうだろうと、自分は内心そう思った。
「うん。前も何回かお薬飲むの忘れたけど、ママに怒られただけだったから、大丈夫!」
一変して笑顔な零亞の表情を見ると、少し自分は安心した。
仮にも零亞に異変が起きれば、近所にある夜間対応の病院に行けば良さそうだと思ったのも、安心した理由の一つでもあった。
「そうとなったら安心だ……で、服着ようか」
少し乾いた零亞の体。
自分も素早く体を拭いて、今日買ったピンクのパジャマを零亞の頭の上から被せてやる。
「ありがと」
お互いになんだか笑顔になった。
少し気恥ずかしいが、自分はこういった感じ、案外嫌いじゃない。