ダイビングヘッド、響きは良いが現実はひどい。
前回のあらすじ 別れはいつだって突然に
兄貴と別れた俺は東門に向かって歩いていた。
だが縁にはある思いがどんどん膨れ上がっていった。
不安だ…超不安だ、よく考えたら兄貴の言う通り
俺は金もないし、あんまというか魔物倒したことないし
このままじゃギルドに行っても、世紀末に
「ひでぶっ」「あべしっ」とか言ってそうな
奴らにすら負けるんじゃないか………
そう考えるとやばいな………魔法の練習でもしとくか
縁は単純だった、だが縁はこの世界がそんなに甘くないことを
このあと身を持ってあじわうのだった。
東門ももうちょっとだし試しに重操魔法を使ってみるか
最初は
「軽体化」
おぉー!!!体が軽い!
「うっほう!イノシシに追いかけられた時より全然軽い!
今ならぁ〜♪どこへも行ける〜♪」
こんなに身体が軽いと楽しいもんだなぁ〜♪
スキルチェックにはLV1と書いてあったから、
LVが上がったら空でも飛べんじゃね。あ〜すげぇ楽しみだ。
縁はスキップしながら進んで行ったのだがそれを遠くから
見ている人物がいた。
ーーー
そう、それは東門の兵士だ。
「おいジョン!なんか遠くにスキップしながらこっちへ
向かってる奴がいるぞ!」
「はぁ?何言ってんだジェームス。そんな変な奴いるわけ……………いた。」
「な、な、いただろ。あいつそんなに良いことでもあったのか?
どう思うジョン。」
「さぁな…………ジェームズどうせここに来るんだし聞いてみたらどうだ?」
「うへぇ、あんなハイテンションの奴とか?」
「じゃぁ、言うなよ………」
ーーー
縁はそんなことを言われているとは知らずスキップを続けていた。
「あぁ〜こんなに身体が軽いのが良いことなんてなぁ♪
でも、そろそろも東門も近いし別の魔法でもやってみるか」
まぁ順番的に考えて次は………
「重体化」
そう呟いた瞬間身体が急にとてつもなく重くなった。
それはそうだ縁は身長155cm。体重40km
それが体軽化の効果で体重40kg→30kgに変化したのはいいが
体重化をかけて体重30kgだったのが40kgにリセットされ
さらにそこに10kg増加され現在縁の体重は50kg
例えばの話だがA君とB君がドッジボールをしていたとする。
「お〜い、A君外野にパスお願〜い」
「分かった〜いくぞ〜それ〜」
だがしかし、A君が投げたボールが20kgだったとして
それを受け取ったB君は
「A君ありがおwんそsjwjしぃ!!!」
となる。想像しただけでも痛いし重そうだ。
今の縁はまさにその状態なのだ。
「おっも!!!」
そしてスキップしてた縁は重くなった体に耐えきれず
顔面から地面へダイビングヘッド
どっしゃーーーーーーー!!!
「…………………ガクッ」
縁は打ち所悪く頭を打ち気絶してしまった。
さらに運悪く今の体勢はまるでシャクトリムシのようだった………
そしてその縁の姿を当然あの兵士たちも見ていた
ーーー
「おい、おいジョン!今の見たか!」
「あぁ見てたぞだいぶ派手に転んだな………」
「うわ…絶対痛いぞあれ」
「おいジェームズ」
「なんだジョン?」
「あいつ起き上がらないぞ………」
「えぇ!!ど、どうするジョン。助けに行くか」
「あぁそうだな。流石にあれは放っておけないな」
そう言ってジョンとジェームズは縁の元へ走って行った………
記念すべき第10話です!
感想お待ちしてます!