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初めての街!買い物編

更新がだいぶ遅れました……。

見てくださっている方々、本当にすみません!


自分は受験生なので、これからも定期的に更新できない事が多々あると思います。


こんなヘタレな大西洋ですが、暖かい目で見守って下されば幸いです。


これからも頑張って更新するので、よろしくお願いします。

「……う〜ん」

頭が痛い……。

多分寝不足が原因だろう……。

「ふんふふ〜ん」

イーレの鼻歌が聞こえる…。

どうやらすでに起きていたらしい……。



俺もそろそろ起きるとしよう。

イーレは食事を作っているのか、何やらいい匂いがする。

「上手に焼けましたー!」

「……お前はいつの間に冒険者からハンターに転職したのだ?」

寝不足でテンションの低い俺がいつものようにツッコミを入れる。

「あっ!グレア起きたの?」

「ああ、今起きたところだ」

「よかった!昼ご飯できたよ!」

「……昼だと!そんなに寝てたのか!」

「うん!全然起きなかったよ!頑張って起こそうとはしたけど………」

「……何をした?」

「えっと……最初は呼んだりほっぺたを引っ張ったりしたんだけど、全然起きなかったから……」

何だろう……嫌な予感がする……。

「ムシャクシャしたから、ついグレアをマウントポジションでボコボコにしちゃった!ごめんね!」



俺はそーっと自分の顔に手をやった。

………腫れている、すごく痛い。

こんだけボコボコにされてよく起きなかったな、俺。

「……お前はなぜ暴力でしか物事を解決できんのだ!他にも何か方法があるだろ!」

「ふふ、若さゆえの過ちよ!」

なぜ威張る!しかも意味不明だその答え!

「若さって………一体お前何歳だ?」

「心はいつでも15歳!」

「…………………」

……朝からこいつのボケに付き合うのは疲れる……。

俺は会話を止めて朝食を兼ねた昼食を食べ始めた。



さて、昨日のバイトでお金が入った俺達は買い物のため再び街に戻った。

「………じゃあ、買い物が終わったらここに集合だ」

「は〜い」

俺はイーレと別れて、自分の装備を買いに行く事にした……。

「………とは言っても、さすがに高い物は買えないな……」

酒場の店主は確かに少し多めに給料をくれたが、それでも一から装備を整えるとなるとお金が足りない。

「……こんな時、他の勇者はどうやって装備を整えるのだろうか……」

まさか勝手に民家のタンスやツボを調べる勇者もいるとは、夢にも思っていないグレアであった……。



グレアが安い装備を探して街を歩いていると、ある店が目に止まった。見た目は普通の武器屋だが、中に置いてある商品が普通の武器屋や防具屋には置いてない珍しい物であった。

「………少し、覗いてみるか……」

どうせ高くて買えないであろうと思いつつ、グレアは店に入った。

店の中に入ると、中には珍しい武器や防具がずらりと並んでいる。

それらを一つ一つ眺めていると、ふと置かれていたある物が目に入った。

それは剣であった。

ただし、剣にしては少しばかり大きすぎであったが……。

どう見ても一メートル半はある刃は、なぜか真っ赤に染まっていて、気のせいか血の匂いがする………。

どう見ても勇者の持つ剣には見えなかった……。

「………誰が買うのだ?こんな剣……」

何となく気になった俺は、ついその剣を手に取ってしまった。

持ってみると、予想に反して俺でも振り回せるほど軽い。

「……ふむ、なかなかよい剣ではないか!」

値段によっては買おうと決めて、俺はその剣の値段を見てみた。


剣の値段 3000

俺の所持金 3000



「………無理だな」

この剣にしては安過ぎる値段なのだが、さすがに防具も買う予定なので諦めるしかない……。

少し残念だが、元の場所に返す事にした。


…………が、


なんと!血塗られた巨刃+10は呪われていた!

血塗られた巨刃+10は外せない!



「何でこの店は呪われている剣など売っているのだーっ!」

俺は何とか剣を手放そうとするが、まるで俺の体の一部であるかのようにくっついて離れない。

「この!さっさと離れろ!」

「………アンタ、商品に触れてしまったのか……」

俺の後ろには、いつの間にかこの店の店主らしき男が立っていた。

「おい!この剣は呪われているぞ!」

「ああ、ここの商品は大抵呪われているよ」

「……なんだと」

「ここは呪われている武器や防具を安く売る店なんだよ」

そう言うと店主は手を出してきた。

「まっ、そういう事でその剣の代金を……」

「こんな呪われた剣などいらん!返す!」

「では、呪いの解除代を払ってくれ」

「金取るのかよ!」

「当然だ、そこに書いてあるだろ」

店主が指差すと、そこには

「呪いの解除代 4000」と書いてある紙が貼られていた。

………全然気付かなかった。

「もし払えないとか言うなら……」

パチン!

店主が指を鳴らすと、店の奥からマッチョな荒くれ者達がぞろぞろと出てきた。

すごく暑苦しい

「どうなるか……わかるな?」

店主がそう言うと、荒くれ者達は一斉にマッスルなポーズを見せつけてきた。

荒くれ者達の表情はどこか誇らしげだ。

き、気色悪い!

「わ、わかった!買う!」

「まいど」

俺は剣の代金を払って店を出た。

店を出る時に荒くれ者達が残念そうな顔をしたのを覚えている。

…………一体奴等は俺に何をするつもりだったのだろうか………。



「お帰り〜!遅かったね!」

俺が待ち合わせ場所に戻ると、すでに買い物を終えたイーレが待っていた。

「お前は何を買ったのだ?」

「えっとね………」

俺が尋ねると、イーレは買った品物を出し始めた。

「じゃーん!回復アイテム!」

「おおー!」

イーレにしてはまともな買い物をするではないか!

「何買ったんだ?」

「えっと……薬草と〜傷薬と〜……」

ふむふむ、なかなかオーソドックスな回復アイテムだな。

「……後はアップルグミとまんまるドロップ!」

…………ってオイ!

「……なんでお菓子なぞ買っているのだーっ!遠足ではないんだぞ!」

「だって回復アイテム売り場に置いてあったもん!」

「グミやアメでケガが治るか!」

とりあえず没収だ!

「返してよ〜!私の心の回復アイテム〜!」

「……MPでも回復するのか?」

「そうじゃないもん!効果は状態異常の回復だもん!」

「……何だ?解毒剤でも入ってたのか?」

「状態異常『なんかダルい』『いまいちやる気が出ない』『甘い物食べたい』を治す事ができるんだよ!」

「……そうか、じゃあ俺の状態異常『とりあえず一回殴りたい』も治るかな……」


「すでに手遅れのようです」

「うるせぇ!誰のせいだーっ!」

この後しばらく、不毛な言い争いが続くのであった……。



―――30分後

「―――ハァ…ハァ……ところで、グレアの背中の剣は何?」

「……ああ、これか?だまされて無理やり買わされてな」

「ふ〜ん……」

イーレは俺の剣が気になるのか、ぺたぺた触ったりしている。

すると……

「グレア、私にも持たせて!」

突然こんな事を言い出した。

「いや……貸してやっても良いのだが……多分無理だと思う」

「え〜!何で〜!」

どうやら俺が貸し渋っていると思ったらしく、いきなり俺の腕と剣を無理やり引き離そうとした。

もちろん呪われた剣は俺から離れる気などなく、俺の腕はミシミシと悲鳴をあげ始めた。

「ギャアァァァァ!腕がぁぁぁ!」

「独り占めしないで私にも貸してよ〜!」

「そういうつもりはない!この剣は呪われていて俺から離れないのだ!」

「……な〜んだ!イーレ納得!」

やっと理解したイーレは、ようやく手を離した。


「それにしてもグレアはよく呪われるね〜〜」

「……最初に呪ったのは誰だったかな……」

「きっとグレアの前世はわら人形だね!」

「………生物ですらないのか………」



こうして俺達の散々な買い物は終わった。



「次は酒場で聞いたモンスターの退治だね!」

「………ああ、どんなモンスターなんだろうな」

「グレアみたいな怖くないモンスターがいいなぁ」

「…………(こいつ……いつか絶対に泣かす!)」

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