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主人公 は 呪われた!

とある海岸の砂浜に、魔王の息子ことグレア・ルル・ヴァルヌスは倒れていた。




………意識はないが、息はしているので生きているようだ。



……えっ?なぜ魔王城から抜け出したグレアが砂浜で倒れているのかって?




その答えは2日前にある………




魔王城を抜け出したグレアは、今から始まるであろう冒険に、胸を踊らせていた。



「よし!立派な勇者になってオヤジを倒し、オヤジを超える魔王になってやる!」



………魔王を倒した勇者が新しい魔王になっては本末転倒な気がするが………



しばらくあちこちをさまよったグレアは、魔王城の近くの海岸で、打ち上げられた小さな船を見つけた。

ボロボロではあったが。一人で乗る分には問題はない。




「やっぱり旅立ちといったら船だよな!」

冒険の前の興奮でハイテンションになっていたグレアは、何の根拠もない理由で船に乗り、大海原へ出た。




しかし、グレアは知らなかった。

まさか海に出た次の日に嵐に遭い、遠く離れた海岸まで流れ着くことになるとは………。




という訳で、グレアはこうして海岸に流れ着き、意識を失って砂浜に倒れているのである。

体に怪我一つなかったのは、さすが魔王の息子と言うべきか……




……………いつの間にか倒れているグレアに、一人の人間が近付いている。




そろそろグレアが起きるようだ。

では、ここからはこの小説の主人公であるグレアの視点でお楽しみ下さい。




「おーい」

「………………」



「生きてる〜?」

「………………」



「………………」

「………………」



「よいしょ!てやっ!」


ざぱーーーーん!




「うぎゃらぶぉわぁぁぁぁ!」



俺が唐突に目を覚ますと、自分が海の中にいる事に気付いた。

おもいっきり海水を飲んだので、何やら変な言葉が出てしまったようだ。


「あっ!生きてた!」



なぜ自分が目を覚ますと海の中にいたのかは置いといて、とりあえず陸にあがると、そこに立っていた人間が驚いたような顔をしていた。




「おい、貴様」

俺は体から海水をポタポタたらしつつ、立っていた人間に聞いてみた。



「なぜ俺が目を覚ますと海の中だったのか、貴様何か知らないか?」



俺の言葉には明確な殺気がこめられている。



「え〜と、私が倒れていた君を海に放り投げたから!」



犯人らしき人間はあっさり白状した。


………何で得意気なんだ?

「お前が犯人かー!海の藻屑もくずとなるがいい!」

海に放り投げた犯人らしき人間を、仕返しにおもいっきり海にぶん投げる。



ひゅーーん ざぱーーーーん



「きゃーっ!楽しー!」




………海に投げ込まれたというのに、なぜあんなに楽しそうなのだ?


楽しそうに泳いでいる人間はほっといて、俺は周囲を見渡した。




「………ここはいったいどこなのだ?ずいぶんと流されたようだが………」




生まれてから一度も魔王城からこんなに遠い所に来た事がない俺が、考えてみてもわかる訳がなかった。



とりあえず、先程からずっと遊んでいる人間にでも聞いてみるか。



「おい、貴様」

「キサマ?私の名前はイーレだよ?」

「……ではイーレよ、ここはいったいどこなのだ?」



「う〜〜〜〜〜ん」

………何やらすごく不安なんだが………




「知らない!私この辺りの人じゃないから!」

「………そうか、知らんのか………」




…………何となくそんな気はしていた。




「ねえ、君はなんでこんな所で寝ていたの?趣味?」

「そんな趣味はない!漂流したのだ!」

俺はイーレに事情を説明する事にした。

もちろん自分が魔王の息子である事は隠して…。






「……という訳で、俺はこの海岸に流れ着いていたという訳だ」

「ふむふむ、やはり男の旅立ちといえば船だよねぇ〜〜私も男だったら旅立ちは船にしたかったんだけどな〜〜」

「………お前、俺の話最後まで聞いてたか?」

「当然じゃない!要するに君は勇者になりたいんでしょ?」

「そうだ」

「じゃっ、私とパーティーを組みましょ!」

「……パーティー?」

「一緒に旅をして、魔王を倒すのよ」




俺は少しだけ考えたがきっぱりと言い切った。

「断る!」

「え〜っ!何で〜!」

「俺は誰の助けも借りん!一人でオヤ……いや魔王を倒す!」


そう、俺は名高き魔王の息子。

弱い人間と一緒に旅をする気などない!



「私もう一人で旅するの嫌だよ〜!パーティー組も〜〜!」

「お前の事など知らん!」

「う〜っ!それなら!」

ピロピロピロ!


イーレ は 魔法 を 唱えた!


イーレの手のひらから黒い炎が飛び出して、グレアを包み込む!



「ぐはっ!」


グレア は 呪われた!




グレア のレベルが1になった!



HP が400下がった!


MP が400下がった!


ちから が400下がった!


みのまもり が400下がった!


すばやさ が400下がった!


かっこよさ が400下がった!


呪文 が封じられた!



「ふふふ…君にちょっとした呪いをかけてやったのだ!ワガママ言うからだぞ!」

「ふざけるなクソ人間!早く呪いを解け!」

俺はムカついたのでイーレを全力で殴ろうとした…

普段の俺ならば奴を半殺しにするのは余裕であったに違いない。



そう、普段の俺ならば………。



グレア の こうげき!



ぼこっ!



イーレに0ポイントのダメージ!



イーレの身に着けていた鎧がグレアの攻撃を跳ね返した!



「いってぇぇぇぇぇぇ!」



グレア(の右手)に80ポイントのダメージ!



グレア は 突き指した!




「な、なんてことだ!俺の体がヘナチョコになっている!」

恐るべしイーレの呪い!




…………それよりも魔王の息子に呪いをかける冒険者って一体………。


「た、頼む!一緒に旅をしてやるから呪いを解いてくれ!」

急に低姿勢になる俺。

これも一時の恥………。



「パーティーに入ってくれるの?やったー!今呪い解くねっ」



奴が呪いを解いた瞬間が、奴の最後だ!

半殺しと言わず4分の3殺しぐらいにしてやる!




「う〜〜〜〜ん」

…………何やらまた嫌な予感が……



「ごめんね、忘れちゃった!」



「な、なんだとーっ!すると俺は一生ヘナチョコのままか!」

「………私と一緒に旅してたら、思い出した時に解いてあげられるんだけど……」


こ、これはもはや脅迫だ!


しかし、呪いを解いてもらわなければオヤジを倒すどころかザコモンスターにすら勝てないであろう事は事実だ…。



「わかった、お前と一緒に旅をしてやる!ただし俺の呪いが解けるまでだぞ!」

「わ〜い」




「じゃっ、自己紹介ね。私の名前はイーレ・セレネイド!君の名前は?」

「………グレアだ」

「グレア君だね。これからよろしく!」

「…………(はぁ…)」




こうして俺は強制的にイーレと旅をする事となった………。

マイペースで書いているのでなかなか更新出来ませんでした………orz


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