夜明け
夢から二日後の放課後・部室にて
「大丈夫かな…一日考える約束だったけど…話、してくれるかな?」
心配そうに少し弱い声で、 机の近くに立った塚本は落ち着かないのか俯いていた
「大丈夫じゃない?多分…ってか今はそうするしかないでしょ」
いつものように明るいトーンで、相手の肩をぽんと叩き宮内が返す
「…お前にしては珍しく良いこというじゃね~か
俺も同意見だ、こればっかりは蓋を開けなきゃどうにもならねぇし」
椅子の背もたれにもたれかかり、一ノ瀬は椅子を傾けながら笑う
「本当、雨でも降ってくるんじゃない?」
「…何でここまできて私こんなこと言われてるの」
隣に座っていた結城が笑いながら同意すると、宮内は不満げな声でそう返す
「どう思う?ちゃんと、来てくれるかな?」
窓の外の景色を見て腕を組んで考え事をしているらしき海部に
机の近くから歩いて塚本は尋ねる
「……正直猶予が短すぎる、待てないのも理解はしてるが、どうだろうな?」
はぁ、とため息を吐いて、相変わらず不機嫌な様子で否定的に返す
「まぁ、もともとの元凶が未だにこれだしね」
「…安心しろ、今回限りは根拠のない自信も無しじゃないと思う」
結城が苦笑いするのに、海部は相手の方に顔を向けて答える
「あ、デレた」
「やった~コレで勝てる!」
海部は宮内と塚本を睨むが、相手が怯まないことを知っているので諦めて視線を窓の外に戻す
「…まあ、簡単に変わらないのはわかってるし、せめて謝罪だけでもって話かな?」
「だな」
結城が言うと、一ノ瀬が頷いて立ち上がる
と同時に扉の開く音が聞こえる
その音に、全員がその方向を見る
「…あ…その…えっと…そうじゃ…なくて…うん…と」
部室に入った彼は、ほんの少し気まずそうに何度か何かを言いかけてやめてを繰り返し
そして、彼は口を開いた
「ごめん」