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碧草  作者: Keiたま
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ある出会い


それは昨夜の帰り道。千鳥足で、にへにへ何が面白いのか頬の肉を無駄に緩めて帰っていると



「…ん?神社?」



暗闇の中でもなお存在を主張するかの如く浮かび上がる赤。 昼間に見る鮮やかさはないものの、鳥居の形が良くわかる。

と、その近くの茂み、それも地面近くに浮かび上がる白いもの。


「!…?」


一瞬ギクリとしたが、無駄に年を重ねた分だけ肝も据わってきたようだ。


『子犬?…怪我でもしてるのかな?』


警戒はしている、ようにも見える。が、その場から立ち去らないのは恐怖からか、隙を狙っているからか…


「…行くよー行っちゃうよー怖くないからね〜」


大の動物好きであるアタシは我慢ができず近づいて行った。

って、酔っ払いに我慢ができるかってね。本能のままに動きましたとも。


『…ズリッ…ズッ』


警戒から逃げようとするも、身体が思うように動かないのだろうか。近づいてみると狐にも見える子犬、だよね?は焦ったように身体を無理矢理引き摺って後退する。


「うーん…近くづくのやめた方がいいかな…でも怪我してるみたいだし…子犬だからほっとくっと…危ないよね…?」


希望に満ちていた若かりし頃、動物関連の職業も目指していた。たまたま雑誌の広告で通信教育にペットケアなるものを目にし、アルバイトで稼いで自己満足な勉強に励んだもんだ。そんな青春の一コマがここで役立つとは。



その後警戒しながらも、あっさりアタシにかっ拐われた狐子犬は、ルンルン気分のアタシに手当てされ抱き枕の如く布団に押しやられたのだ。





「おーい、ワンちゃーん?」

半ば諦めながらも一応探してみる。

まぁ家からはさほど離れはしないので、本当に気休め程度な探し方、であるが。

そろそろ良いか、と思ったのは裏手の山に通じるハイキング道にいたとき。

ハイキング道なんていっても地元民しか使わないから草ぼうぼう、かろうじて通り道がわかる位なのだが。

ガサガサ音をたてもと来た道を辿る。

あーぁ、残念。懐いてくれたら家族に迎えたのに…


そんなことを考えていたから気付かなかった。アタシ以外に人が居たことに。

といっても子供だけれど。


なんとなしにクルッと振り返ったらいたんだな。バッチリ目もあった。


可愛い顔立ち。柔らかそうな、茶色の髪。多分あれは天然物だろうな、色素が薄いんだー羨ましい。

なんてツラツラ頭で思うも―――


印象的なのは 『瞳』だった。


蔑むかのような子供らしくない冷たい瞳。







そんなアタシはブツブツどころかでっかい独り言いう、大人らしくない痛い人でした、まる




大した展開もなく申し訳ないです…




御拝読ありがとうございました!

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