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碧草  作者: Keiたま
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数時間後

片づけ始めてどの位時間が経過しただろう…。

「お腹すいた…食材どこだ、鍋はどこだ」

――状況:全然片付かず。寧ろ散らかした為悪化。

…こほんっ。えー、皆様にも見に覚えがある事と思います。アルバムやら昔、収集していた物やら…出てくると思い出にふけっていっこうに片付かない事が。今、正に、その状態です。

「…って誰に言い訳している自分。ここに食べるところ在ったかなぁ〜」

何分、一人暮らしが長い。悲しいかな、独り言に加えて最近テレビと話す。

自覚をしたら余計にお腹が好いてしまい、片づけは一時中断。かわいく食べ物を要求する我胃袋へ何かしら突っ込むために、いざ出陣!


いつの間にやら日が暮れていて、ポツポツある民家の明かりと電灯が夜道を照らす。昨日までの食事はあらかじめ、スーパーで買い溜めしておいたパンやカップ麺やら弁当やらで済ませていたが、流石に暖かいごはんが恋しい。何より食料切れだ。よし!ここはひとつ、夜道を散歩しながら星を眺めて素敵な店を探そうじゃないか!!

《ゲコッ…グァーッ》  《グァーッ グァーッ》

… …田んぼ、多いもんね。誰もツッコンでくれないのは虚しいものがある。それよりも。

「素敵じゃなくても、開いてるお店あるかな…」

口にすれば急に不安になる。項垂れて歩く姿は一般人から不審者へと早変わり。


あたしの家は割と外れたところにある。30分程歩いただろうか。

「…ここお店?でも普通のお宅、よね…?」

特徴を挙げるなら、色が黒いお宅。ライトが点いて居なければ闇夜に溶け込んで気付かず通り過ぎたろう。純和風家屋でも今時な夢みる様な洋風でもない、普通のお家。その玄関の処に簡易ライトを両端につけた看板が。 『かたりべ』

「うーん…小料理屋?だったら願った…り?」

首を傾げ考えているとふっと視界の隅にとらえた姿。

特徴がもう一つ追加された――今時珍しい、帳簿を下げた陶器の狸。が持たされている提灯。


「…こ、こんばんは~」

ガラガラと横にとを滑らせ開けて中へとはいる。

狸さんは右手に帳簿を左手『側』



といった方が正しいのだろうか、無理矢理提灯をつけた棒をもたされた格好だった。そこいらで見繕った竹の棒をどうにか胴体へとくっ付けたらしい。先に『御食事処』と炭で書かれた赤い提灯をぶら下げていた。

ここのご主人は凝り性なのか単に変わり者なのか…多少不安になりながらも食事ができるとわかり中へと入ってみることにしたのだった。



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