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第5話 『リア充殺戮兵器 助手くん』
「そう……儂が助手くんを作ろうと思ったのは、あの時じゃった……」
「博士?」
ドク博士は、天を仰ぎながら誰に頼まれた訳でも無いのに、急に【リア充殺戮兵器助手くん開発秘話】を語り始めました。
ドク博士には、昔『トシ・ウエガ・イー』という3歳年下の夫がいた事。その夫は、ドク博士と同じ研究人であった事。そして、その夫がある日、海外の研究所に赴く際、飛行機事故で帰らぬ人となったことまで……。
「あの日から、儂は世界中の『きゃっきゃっ♪ うふふ♪』しているリア充共を見ると、腹の底から言いしれぬ憎悪を抱くようになったのじゃ!!」
ドク博士は、想像で作り上げた茶色い大爆発を背景に、右手を天に突き上げてそう言いました。
「そして、心が折れそうになった時は、儂の夫『イー』が最後に残してくれたこの言葉を聞いて、奮起したものじゃ」
そう言いながら、両手で大事そうに助手くんの前に差し出されたのは、手のひらサイズの、ひとつの音声録音再生機器でした。




