18/33
第18話 『差別発言』
それでも助手くんは、ぎりぎりのところで意識を持ち直すと、今しがた目の当たりにしたノートの一ページ目を、ドク博士に見えるように両手で開いたまま、説明を求めました。
「あ、アノ……博士……こコ……」
「おぉ~。そこのぉ。そこについては、イーと良く議論したもんじゃ」
「議論?」
「そう、あれは【リア充殺戮兵器助手くん】を開発する前……」
「博士?」
ドク博士は、天を仰ぎながら誰に頼まれた訳でも無いのに、急に【自爆は、男の浪漫だよね理論】についての昔話を語り始めました。
話によると、イー博士がまだ存命だった頃、ふたりは夫婦で『きゃっきゃっ♪ うふふ♪』していて、良くこんな会話をしていたそうです。
「ド〜ク〜♪ 発明品に自爆ボタンをつけるのは、男の浪漫だよね〜♪♪」
「も〜♪ イーよ〜♪ それは差別発言じゃぞ〜おぉん♪♪」
「え〜♪ そぉかなぁ〜♪」
「そぉじゃよぉ〜♪ だって、儂も自爆ボタンつけたい派じゃし〜♪♪」
それを聞いた助手くんは、近くにいながら遠い目で、何故、このふたりが結婚出来たか、理解してしまいます。




