第10話 『操作方法』
変えようのない現実を突き付けられた助手くんは、半ば諦めた様子で気持ちを切り替えると、ドク博士に向かって右手をふりふりさせながら、こう切り出しました。
「ソレにしても博士。見たトコロ、このタイムマシンには操作する部分が無いミタイですが、どうやって動かすんデスカ?」
「うむ。それはじゃな」
ドク博士は、少しにこやかな表情で助手くんに背を向けると、両手で爆弾型のタイムマシンに触れ、つるつるの表面をまさぐり始めます。
「この辺に、操作パネルを開くスイッチがあってじゃな」
そう呟きながら、少しづつ右へ、右へとずれていくドク博士。助手くんは、その後ろ姿をただ黙って見つめます。やがて、ドク博士の姿は、「確か、この辺に〜」の声と共に、タイムマシンの向こう側へと消えて行きます。
…………一分後。
助手くんは、先ほどドク博士が姿を消した逆方向、乾いた土色の導火線が取り付けられている左手側の方へと顔を向けます。間もなくして、導火線の取り付け部分の真下から「おかしいの〜」と言いながらこちら側にくぐり抜けてくるドク博士の姿が見えました。ドク博士は、再度タイムマシンの表面を両手でまさぐると、徐々に助手くんに近づいて行きます。




