1-18 side.ニーナ
長いこと待たせてしまってすみません。
何がとは言いませんがダメでした。それでも、応援してくれた方ありがとうございます。敗因は多分ね、規定枚数が1枚足りてないことだと思う。そう思うことにする。
てことで、連載再開します。また別のところにこれを改稿して出そうと思っているので、ここがつまらない!ってところあれば是非教えて欲しいです。もちろん、面白いと思ったらそこも教えてください、励みになります!
炎の柱が真二つに割れた。
「嘘でしょ……!?」
ゲームでそんなことが可能なの!? それとも彼特有のナニカ……。いえ、炎が斬られた。その事実だけで今は充分。
アタシはのらりくらりと攻撃を躱したり仕掛けたりしながら、どうすべきなのかを考える。
勝負を受けたのは、別に死んでもいいと思ったからだ。でも、簡単に負けるのも嫌だった。
アタシは現魔王の魔石の一部から生まれた。彼女の気まぐれで、次期魔王として期待されながら。でも、アタシは歴代最強である当主と比べて何もかもが劣っていた。彼女はアタシを魔王にさせたがっていた。でも、周囲からの支持は得られなかった。アタシが弱いからだ。
例えば【次元直視】。アタシが視えるのは、アタシが今いる世界と今起きている出来事だけ。それに対して彼女は多次元――異世界の事象を過去・現在・未来で観測を可能とする。
一部とはいえ彼女の魔石を動力としながら、どうしてこんなにも力に差があるのだろう。
レオはアタシの魔法を褒めてくれた。ニーナも、イーサンも、ウィズも。アタシはそんなことないと思ったが、本当はとても嬉しかった。
「どうして本気で来ないんだよ!?」
レオが叫んだ。
本気?
アタシが本気を出せばレオに勝ってしまう。元よりそんな元気もなかった。だから手を抜いた。レオの実力はよく知っている。長い間一緒に冒険してきたんだもの。
けれどさっきから剣は当たらない。当たろうとしない。まるで彼がアタシを斬ることを本能の奥で拒んでいるかのようだ。
腹が立った。腹の底からふつふつと怒りが湧いてくる。
あぁ、こんな奴に殺されるのが馬鹿らしく思えてきた。
だから、言い返してやった。
「アンタこそ本気で来なさいよ!!」