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ヒポポタマスに夢入りドレッシングを掛けましょう

作者: 一等ダスト

 私が注文したのはそう、夢入りドレッシングを芳醇に使ったふわふわのクリームシチュウ。それを朝の目覚めにぶっかけたならば、今日の運勢は花丸気分となるでしょう。

 誰しも憧れ抱くもの。幼少の砌の恋ならば、百年物の利息にも近づくことが出来るのです。箸を揃えて空を描く。世相に善はいみじゅうて。私が飛ばす自転車が。坂をうんと超えたのなら。そこにあるのはヒポポタマスの合唱団。

 言葉を越えて合一し、無知蒙昧な世界の一人。ただただそれを演じましょう。ここはひととせ幻ならば。私の揮う鉛筆さえも。紙の中へと溶けいくでしょう。故に言葉をただなべて、いつも通りの一筆書きを。学びは同じ、理解は違い。だから我らは真似るのです。

 ただ平均的であるように均質的であるように食み出すことなく静謐にただただ形を捏ね上げましてもさてはて結果は似た者同士枠超え湧く声希少ならば出っ張りをただ殴り合わせて形を整え皆同じものであるように。


 ヒポポタマスに夢入りドレッシングを掛けましょう。違いは間違い。そんな嘘。私とあなたにさよならを。私と私を抱きしめる。ヒポポタマスの合一は、今日も答えを整える。ただ美しく、浸みなく。四百文字にきっちりと。

(ああ、あの雲はなんて美味しそうなホイップクリームなのかしら。雨はシロップ。雷はソース。晴天に面白味一つもないなら、少しくらいは奢らなければ罪と言うもの。この世の罪と言うもの)


 一本調子に辞書をめくる。誰もが同じ答えを見つける。ふと隣に目を向けると。明らかに版権物を馬鹿にしたような落書きがあった。

 目と目が合う。心と心が触れる。言葉はいらない。甘いジュースの濁流を、アイスクリームが昇って行くのを感じていた。あれこそはクリームソーダ。刺激的な感情の味。

「じゃあ、今日は八月二十日だから。八と二十を足して。出席番号二十八番のやつ」

 立ち上がる彼。恋は、終わったわ。

 私が注文するのはそう、大きなクラッカーを団扇でぶん殴れるような激情。この炎天下にも負けないような、ランデブー。混線した感情たちは空気と共に消えて行くわ。


 光るだけでは意味がなく。光を照らすものもなく。よって漂う敗残者。落ち武者狩りも今はなく。私は私と消えて行く。ひたすら進むは撤退路。今日も私はすぐ帰る。たった一人の漢道。

 甘い甘い砂糖をたっぷり入れましょう。わざわざ微糖にする理由なんてない。体に悪いなんて、当たり前。せめて毒を美味しく食べなくちゃ。生きている意味がないのだもの。

 ヒポポタマスに夢入りドレッシングを掛けましょう。もっちりとした食感ならば、菩薩も御手手で捏ねたくなるでしょう。弾力で空を飛べるのならば、虹のデコレーションを渡るのです。あな尊やハートマーク。それで世界が一つになるもの。

 なるか、馬鹿が。

 ああ今日も、楽しい一日でした。私は私に呟いて。最後の最後に恥じるのです。瞼の裏にはチョコレート。食べきれないほどのチョコレート。せめてそれに押し潰されぬよう。

 今日も今日とて眠るのです

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