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(ふぁ~あ。あれっ 寝すぎたかな?)


時計を見ると……俺は10時間くらい眠っていたようだ。


バスを降りると、きゃきゃっと笑いながら楽しそうに走りまわっている子供達が見えた。


「ご主人様 おはようございます。すぐにカオリちゃんに食事をお願いしますね」


「おはよう アリス。そうだな。頼むよ」


アリスがカオリさんの方へ走っていく。


俺に気づいた小さな女の子が俺の側に来て笑顔で。


「お兄ちゃん。おはよう。私ね。レベル10になったの。凄いでしょ」


「ん? そうなのか。凄いね。頑張ったんだな」


「えへへっ」


笑いながら他の子供達のほうへと走っていった。


(レベル10? 元々レベルいくつだったんだろ?)


「あつし様 おはようございます」


「おはよう ノルン」


「あつし様のおかげで余裕で魔物を撃退することが出来ました。子供達も全員レベル10になることが出来ましたよ」


「えっ 小さな子供達も?」


「はい。魔法銃は誰でも使えるので、1匹で向って来たときは小さな子供達にも近くに来てもらってレベルを上げました」


「う~ん。無理してないならいいんだけど……」


「ふふっ 無理してませんよ」


「そうか ならいいけどね。守ってくれてありがとう。ノルン」


「ふふっ 任せてください。私はあつし様の護衛ですからね」


「ああ 頼りにしてるぞ」


「ふふっ」




俺が食事を終えると倒した魔物の素材を積み込んでいいのかと聞かれたので、荷物入れに入る量だけを許可することにした。座席にまで置かれると危険だからね。












日が暮れて来たので今日の停泊場所を探しているとアリスが笑顔で


「ご主人様。見えて来ましたね」


「ん? もしかして街に着いたのか?」


「はい。あそこに見えるのが街ランダタだと思います」


「あつしさん。あれが街ランダタだよ」


「そうか。着いたのか……。う~ん。バスは見られたくないから……少し歩くけどいいかな?」


「あつし様、私が守るので安心してください」


「ふっ 頼りにしてるぞ」


(じゃあ 補給と修復はしなくていいんだよな。なら……)





「カオリさん。これで子供達を守ってくれ。使い方は分かるかな?」


「えっ 魔法銃。昨日の夜習ったので使えますけど……かなり高価な物だって聞きましたよ」


「ふふふっ ご主人様は凄いですからね。カオリちゃん、一緒にみんなを守りましょう」


「うん。一緒に皆を」


街に着いたらバスはしばらく出さないつもりなので、荷物や素材は子供達にも持ってもらうことにした。荷物運びは毎日のようにしていたそうで、誰も文句をいう子供はいなかった。








街ランダタに辿り着くと、門兵にすぐに全員のレベルが鑑定され、全員がレベル10以上だと分かるといきなり言葉が丁寧に変わった。


「これはF級プレートです。それをつけていれば中級国民と同じ地位になります。詳しく知りたい時はギルドで聞いてくださいね」


(中級国民? まあそれなりにいいのかな?)


子供達はみすぼらしい服を着ているのだが……兵士達は俺達全員に丁寧に対応してくれた。鑑定する前はちょっと冷たい目を。言葉使いも……。






宿の場所を聞くついでにギルドに立ち寄ると冒険者ランクのことを教えてくれた。


レベル9以下の冒険者は下級国民と同じ地位で自由に移動出来る場所も少ないのだそうだ。


レベル10以上の冒険者はF級プレートが与えられ、中級国民と同じ地位になれるのだと。中級国民がこの国の一般人の地位だそうだ。


ギルドの依頼を達成するとギルドポイントが与えられ、更に等級を上げることが出来るそうだ。


B級プレートになれば貴族と同じ地位に。更にA級プレートになれば英雄と呼ばれるようになると笑いながら話してくれた。


(なれるはずないってことかな?)


「ねぇ お兄ちゃん ここ見てよ」


「んっ? どうした?」


「E級冒険者は無料で泊まれるんだって。食事もついてるって書いてるよ」


「へぇ~ そうなんだ。じゃあ皆でE級冒険者を目指そうか」


「うん。頑張る」


「ふふふっ 目標が出来ましたね」


「あつし様の目標はA級冒険者ですね」


「えっ 俺もE級冒険者でいいや」


「ふふふっ」




この街が初めてのF級冒険者は3日間だけ無料で宿に泊まれるそうなので利用させてもらうことにした。




10人で1部屋の狭い部屋だったのだが……。


「ご主人様 おやすみなさい」


「あつし様 おやすみなさい」


アリスとノルンに挟まれて俺は幸せな夜を過ごした。




まあドキドキしてあまり眠れなかったけどね。







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