2話 召喚と出会い
グリモワールがなくなるとともにダンジョンが大きく揺れ出した。
パラパラと天井の砂が落ちてくる。
私は少し驚いたが、助かる方法が分かっているため少し冷静だった。
さっきグリモワールを開いた時に覚えた魔法の中に脱出に使えそうな魔法があったのだ。
「クリエイト・ゲート!」
何これ怖い。
扉みたいな黒い渦が出てきた。
「大丈夫なの?これ…入りたくない!」
召喚魔法の一つ、召喚門生成。
記憶した場所に召喚門を生成する魔法だ。
召喚門生成のスキルレベルは1。
入りたいが、失敗していたらどうしようという恐怖が襲ってくる。
すごく焦ってきた。
たしか他の魔法でレベルが高いのがあったような気がした。
「我が身の盾となり矛となる者よ。異世界より来たれ!異世界召喚!」
召喚魔法の一つ、異世界召喚。スキルレベルは5
今自分がいる世界とは異なる世界から理想の生物を召喚する魔法だ。
呼ばれた者は特殊なステータスになる。
スキルレベルは最大で10なので半分だが、さっきのゲートより期待はできる。
目の前に現れた魔方陣に跪いた青年が現れた。
見たこともないピシッとした黒い服装で、爽やかな雰囲気だ。
正直かっこいいと思った。
たしかに見た目は思っていた通りの人が召喚された。
「ここはどこでしょうか…」
「別の世界です!私があなたを召喚しました!助けてください!」
いきなりで戸惑うかなとか思いながらも、
焦りのあまり言ってしまった。