表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/127

頂上の存在と究極魔法

シウスは己の贋物を引き付けて、雨音とクロノスの戦場から遠ざかる。



それを横目で確認した雨音は、シウスに不敵な笑みを返した。

シウスが"マラソン"をすると洞察したからだ。



そしてこう言ったようにも感じた。

「クロノスが処理される様をそこで見物しているといい」、と。



これ程不敵で頼りになる存在が居ただろうか。

シウスは確信する。

天位が自分とは"違う部類の最強"である事を。




クロノスの歩む足が突然止まる。



【クロノスの多重詠唱(マルチキャスト)が発動】


【クロノスがチャージ 闇火球(ダークネスボーライト)×3 を詠唱】



クロノスが闇火球からの極大魔法 闇火葬(ダークネスクリメイション)を仕込み始めたのだ。



いくら天位雨音でも、闇火葬(ダークネスクリメイション)を3つも受ければひとたまりない。



しかし天位雨音は揺るがない。

雨音は左手の人差し指をクロノスに向けた。

「ブースト Lv99 コールライトニング 」



クロノスの頭上に雨音が呼び出した落雷が直撃した。


コールライトニングにより感電したクロノスは、身体を硬直させ動きを止める。

それと同時に詠唱していた3つの闇火球(ダークネスボーライト)が霧散した。



モニターを訝しげに見つめるメイリン。

『ブースト、、、』

『初めて見るスキルだが、、魔法の効果を強化するのか?』



メイリンは口元に手を置き思案する。

『恐らくコールライトニングが強化されればダメージと言うより、』

『強力なスタン効果が付加される訳か、、、』


そしてニヤリと笑みを浮かべる。

「だがそれがどうした」



雨音がクロノスへマジックミサイルを放つ。


それを不気味な笑みでメイリンは見つめる。

『クロノスの魔法ダメージ軽減率は90%』

『しかも消失すれば直ぐに展開されるフォースシールドにより、魔法はおろか物理ダメージも殆どが無効化されてしまう』


雨音のマジックミサイルは、クロノスのフォースシールドにより完全に防がれてしまう。



メイリンはその様子を眺めながら鼻で笑った。

『クロノスのマルチキャストを封じたところで、決定的なダメージを与える手段があるまい』


『MP切れを起こして膝を着く姿が見れそうだ』




再びマルチキャストを発動させるクロノス。

そして、

【クロノスが闇火球(ダークネスボーライト)×3を詠唱】



雨音の目が鋭さを増した。

多重詠唱(マルチキャスト)発動」


「チャージ Lv99 マジックミサイル×3 」



すると雨音の背後に大量の光弾が現れる。

「私にクロノスの防御(ディフェンス)を突破してダメージを与える方法が無いと考えているのだろうが」

「残念だが、それは違う」



雨音の背後にある光弾が巨大化してゆく。

「通常一人でどれだけ強化しようが、クロノスに魔法でダメージは与えられないのは確かだ」


そしてそれは雨音の背後を光で埋め尽くしてしまう。

「だが最大までチャージされたマジックミサイルは、魔法属性では無く」

「物理属性に変貌し究極魔法へと昇華する」



モニタリングしていたメイリンの表情が、映し出された光弾で蒼白になる。

「!!」



雨音は静かに左手を振りかざす。

「Lv99 流星嵐(メテオストーム)


神座を埋め尽くす程の巨大な光弾が、嵐となって雨音から吹き荒れた。



それは未だ極大魔法を詠唱中のクロノスに直撃する。



降り注ぐ巨大光弾はクロノスを覆い尽くし、辺りを爆煙と光のエフェクトが支配した。


それでも止まない流星嵐の破壊が、着弾点を中心に神座の地形を変えてしまう。



メイリンは呆然としていた。

自身の予測と想定を遥かに超えた現実を目にして。



破壊と光のエフェクトが収まった時、そこにはクロノスの存在は消失していた。



未だ現実を受け止められないメイリンは呆然と呟く。

「AO最大最強のボスを、たかだか1人のプレイヤーが倒してしまうなんて、、、」

「そんな馬鹿な、、」



雨音はクロノスが消失したのを確認し、剣を鞘に仕舞う。

『私の仕事はここまでだ、、』


そして雨音はシウスを見やると、

『剣聖、、、後は貴女次第だ』



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ