5 そのデザート、見返りは必要ですか?
俺とマイハは、特段準備することもなくオークの目撃地域に出発することにした。
そもそも、1泊や2泊くらいなら、急に言われても大丈夫なのだ。
「あ~、フクロウ亭のデザート用意してこなかったでしゅ。今日中に帰れましゅかね」
マイハがのんきにデザートの心配をする。
そんなことだから、俺が体重管理に目を光らせることになるのだ。
「俺がマイハを抱っこして往復すれば可能かもな」
提案してみる。
「そんなことを言って、マイハのいやらしいとこ、触るつもりなんでしゅね」
マイハが警戒する。
「そんなことする訳ないじゃないか」
「ダーリは信用できないでしゅ。そっち方面は特にでしゅ。昔から、何もしないって言いながら、エッチなことしてたでしゅ」
「はぁ~」
俺はため息をついた。
周りに誰もいなくて良かった。
こんなことを言われたら、俺がロリコン認定されてしまう。
「そんな大昔のこと言われてもなぁ」
「三つ子の魂百まででしゅ」
マイハがきっぱりと言い放つ。
「じゃあ、『デザートは諦める』で良いんだな?」
「卑怯でしゅ。ロリコンはずるいでしゅ」
答えは分かった。
俺はひょいとマイハを抱え上げると、走り出した。
「あゅ、心の準備ができていませんでしゅ」
マイハが叫ぶも、俺は気にしない。
当然見返りをもらうつもりはないから。
でも、今の俺にすれば、今のマイハはまだまだ軽いな。