表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/23

23 そのロリコン、ご褒美はなんですか

私の駄作を読んでいただきありがとうございます。

もう少し、喜んで読んでもらえるように頑張ります。

 ヴィクターが俺に向かって歩いてくる。

 体術メインのフィッターとはオーラが違う。

 フィッターが倒されても、全く動じることなく向かってくるヴィクターは、明らかに強い。

 動じることがないということは、フィッターよりも遥かに強いという自負を持っていることだろう。

 レストランでは、フィッターにダメ出しをされていたが、それは体術だけに限定という捉え方で間違いない。

 鑑定スキルで分かるが、体術は2だ。

 それでもスキルがあるだけで一般人とは比較にならない。

 弱い魔物なら、素手で倒せるレベルなのだから。


 体術に頼らずとも、ヴィクターには、剣術7、双剣術5、短刀術7のスキルが付いている。

 いわゆる剣士という奴だ。

 間違ったふりして首でも飛ばされたら、やり直すことはできない。


 ルール上は、命のやり取りはない。

 しかし、この異世界、どこまで元の世界の常識が通用するのか、どこまで本音と建前が違うのか分からない。

 本当に命のやり取りをしないのか。

 手加減を間違えて、相手が死んでしまったら、罪に問われるのか。

 それを聞くことすらできなかった。

 もし聞いた上で相手が死んだら、故意と思われる可能性があったから。


 勇者ランブルパーティーが、当たり前に判断できることが、俺にはまだ出来ない。

 できないから本気を出せない。

 リミッターを付けられた状態で、勝つためにはどうすればいいのか。

 俺の何を出せば、ルール内で、勝つ確率を上げられるのか。

 俺の勇者スキルを封じられた状況で、勝つ確率を上げられるものは何があるのか。



 近寄ってくるヴィクターを、余裕の表情とは裏腹に、びくびくしながら待っていた俺に、突然マイハが背中に飛び蹴りを入れてきた。

「辛気臭いオーラ見えてましゅ。あんなロリコンにびびるなでしゅ」


「そりゃあ仕方ないってもんだぜお嬢ちゃん。俺の強さが分かるだけで、優秀だってことさ。二人がかりでもいいぜ」

 仲間が倒されたというのに余裕のヴィクター。


 そのヴィクターに、人差し指を指してマイハがビシッと言う。

「ロリコンを隠そうともしない変態は死ねでしゅ、ロリコンを正当化しようとする変態は死ねでしゅ、マイハに手を出そうとする変態は死ねでしゅ」

「気の強いお子様は大好きだぜ。益々楽しみになってきた」

「目には目を、ロリコンにはロリコンでしゅ。パパが行くでしゅ」

 マイハはそう言うと、セーフティースペースに走って逃げて行った。


 俺もロリコン枠なのか?

 納得できない。

 しかし腹は決まった。

 少々やり過ぎても仕方ないのだ。

 なぜなら、俺の大切なマイハに、真っ向から獣欲を向けているのだから。

 これだけで、俺の中では死刑に値する。

 異世界の小さな町のシステムやルールなんてものに捕らわれる必要はない。

 俺とマイハは、望まない異世界に転生させられ、理不尽な扱いを受けている。

 神に歯向かうつもりの俺たちが、そんな小さなことで悩む必要はない。


「俺が命以上に大切にしているマイハを狙うからには、当然命を賭ける覚悟はあるんだろうな」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ