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魔王なんですが実は、隣にいます。  作者: 夕凪
第一章 消えた魔王とはじめての仲間
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オートロック魔王城(無人)

魔王なんだけど、部下が家出したまま帰ってきません。

なんで?何で?私逃げ出すような事とかした?

おまけに勇者様もあれから一切訪ねて来ないし…一体どうなってるの?

信じられます?今ここ、私以外誰もいない魔王城。


「うぅ、さびし…寂しくなんてないよーだ!!」


城内に『よーだ』が虚しく木霊する。

うん、知ってた。

はいっ!魔王、今嘘つきました!寂しい嘘つき大魔王です!だって一人だと魔王死んじゃいますよ!

うん、だからね、魔王も家出する事にします。

ただこの姿だと大騒ぎになると思うから、人間の姿になろうと思います。

人の姿になるのは別に抵抗はありません。むしろ、人間の方が自由に動けて羨ましいくらいです。

正直、先代(パパ)から魔王の座を引き継いだだけだし、

私あんまり人間の事嫌いとかそういうのが分からないんだよね。

ただ年配の部下達がああしろ、こうしろうるさいから、仕方なく従ってただけだし。

私が色々顔を立ててあげないと、あの人たちお家で立場なくなりそうだしね。


***


「よしっ、完璧!」


今日はボーケンシャスタイルで決めてみました!これが人間の間では流行っているらしいんだよ。

マジカルハット、月明かりのケープ、そしてルーンロッドのコーデ。

やっぱり魔王としては魔法使いの格好がしっくり来るね。

でね、今お城に誰もいないわけだし、私が出て行ってもこれは家出じゃないはず。

そう、これはただのお出かけ。その間に皆帰ってくるでしょどうせ。

それではしゅっぱーつ!

……勇者様にも運良く会えるといいんだけどな。



魔王は開け放してあった城内の窓をすべて閉め、何処かへ消えていく。

オートロックの掛かったままの魔王城は、ついに完璧な密室と化した。

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