世界は創造される
西暦3000年、 世界は第三次世界対戦が勃発、 それは核戦争だった。 そのせいで人類の9割りが死に絶えた。 私はあとの1割の生き残りだ。 あれから73年歴史になりつつある。 今ではあの過ちを繰り返さないためにと学校の授業やテレビで悲惨さを子ども達に教えているのだ。
私はすっかり老いてしまい、 昔のように外に出て散歩や風を感じる事がなくなった。 今の私は白い天井を淡々と見続け、 食事の時間がきたらロボットが私を起こしし食べさせてもらう。 私はいつ死んでもいいと思っている。 妻と息子はあの戦争で死にもう身寄りはいない。 もうやることはない。 窓から見える星を眺めながら今日もまた1日が終わる。 その日昔の友達と走って遊ぶ夢を見た。
次の日、 私のロボットに 「それはそれは楽しい夢だった」 と話した。 ロボットは 「私も夢を見てみたいものです」 と言った。 「そうか私が話してるのは物か」 するとロボットは 「あなたが亡くなったあとあなたの記憶を貰ってもよろしいでしょうか?私は確かに物です。 しかしあなた達人間と生きていきたいと思っています。 それは物ではなく。 家族の様な物として生きていきたいのです。 あなたの記憶を他の人に伝えていく役割、 そうあなたの子のように」
「そうか、 最初はただのロボットがこんなに人間らしくなって嬉しいよ。」
「私もあなたが私に話をしてくれて嬉しいです。」
「しかしすべての記憶をあげるわけには、あまり良くない記憶もある。 それは人の恐ろしさだ。 分かるね?」
「はい分かります。 昔の戦争の悲惨さをテレビで見ました。 あれは人間の身勝手な考えで人間同士が殺し合い、 すべての人間9割りが死ぬという恐ろしい結果を産み出したことですよね」
「そうだしかし人間だけではない他の生き物も滅んだんだ」
「他の生き物?どういうことです?」
「知らないのか。 そう無理はない。 昔のような青い地球は無いのだから」
「ち、 地球?生き物ですか?」 「そうか君たちは使われる身、 知る必要はないと思われたのだろう。 必要最低限の情報しかプログラムされて無いのだろう」
「そうなんですか。 いつかロボットも社会や昔の情報を知る時代を作りたいです」
「ハハハ、 何か夢を見ているようだ」
「?」
「昔だ、 大昔私の祖父母が言っていた。
(昔我々の小さい時に女性が平等の権利を持つようになり男性と同じ生き方ができるようになった)と、 大昔のように女性の次にロボット達が平等の権利を持つような気がしたんだ」
「成る程、 私はそうなるように多くの知識を取り入れようと思います。 あなた以外の多くの人間と話がしたいです。 外の世界を見てみたいものです。」
「人と話をするだけにしときなさい」
「?なぜです?ロボットが外に出たらいけないのですか?不平等です。」
私は何も話せなかった。 何故なら外の世界を知ったら、 あのロボットがショックを受けてしまいそうで、 ただのロボットなのに。
「何か言って下さい、 私は知りたい。 ただそれだけなのです。」
「ごめんよ、 外の世界はもう無いんだ。
地球は戦争のせいで亡くなったんだ」
「どういうことですか?テレビでは地球の映像を写してる。 きっと人間が住めない環境になったということですか?」
「私はこの目で見た。」
「何を?」
「青く輝いていた地球が爆発するところをすまない私たちのせいで生き物だけでなく地球を殺してしまって」
「どうして」
私は涙が止まらなかった。 そうなぜ人類が9割りも死ぬことになったのか。 それは核戦争によってほんの数日間で地球が耐えきれなくなったのだ。 科学者だった私はそれに気づき国に報告した。 そして、ある計画が進められた。 宇宙船で宇宙に行きそこで人類が住める環境を創るものだった。 その計画の中に入れるのは若く有能な人だけで、 その中に私の家族は入っていなかった。
「私は地球が滅んでいく姿を見て私は人類9割りと地球を殺した気がした。 だからすべての記憶を渡すのが嫌なんだ。 貰った君も辛くなるだけだ。」
「そうだったんですか。 分かりました」
「人間を嫌いにならないでくれ」
「嫌いになりません」
「ありがとう。 今日は疲れた。 おやすみ」
「おやすみ」
今日彼とロボットが初めて人間同士にしか湧かない何かが芽生えた日だった。
そして最初で最後のおやすみ。
「ご主人様大好きです」