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短編置き場(異世界関連)

異世界ネット交流

作者:蒼稲風顕
 パソコンにメールが届いた。
 見たことのないアドレスだった。

「何だ?」

 とりあえず開いてみる事にした。
 基本、俺のメールは長いアドレスなので迷惑メールなど一度も来たことがない。
 それに何となくだが開いた方がいいという直感が働いたからだ。
 メールを開くとポーンとミカン箱ほどの大きさの箱が出てきた。
 ここで出てきたというが、パソコンの中から出てきたのではなく、俺のイスの横に引き出しを出すような感じで出てきた。

「うぉっ!」

 とりあえず中をのぞくと


『カラアゲ弁当をお願いします。日本のお金じゃなくて申し訳ないけど、本物の金貨なのでこれでお願いします。お弁当は、この中に入れて貰えれば大丈夫です』


 との手紙と金貨が一枚が入っていた。
 で、届いたメールは何故か空メールという不思議仕様である。
 とりあえず金貨を見てみる。
 本物かどうかイマイチわからない。
 もうすでに深夜だし、俺の住んでいる所は田舎なので既に閉まっている。

 とはいえ、何か必死そうだし無視するのも可哀相である。
 ただ問題なのが近くに弁当屋すらもないことだ。
 仕方ないので俺が作ることにした。
 まず冷凍庫にある唐揚げをレンジでチンする。

 で、余ったご飯をタッパーに入れる。
 このタッパーは三個セットで500円くらいの新品である。
 ちなみにサイズはMサイズである。
 とりあえず軽く水ですすいでご飯、からあげ、そして夕飯で食べきれなかった肉じゃがを詰めることにした。
 一応、割りばしと飲もうかと思ったが結局飲まずに先月に期限のきれた冷蔵庫にも入れていない生ぬるいビールをプレゼントすることにした。
 もし異世界に行った日本人だったらこれでも大喜びだろう。
 何か捨てるのもイヤだしw
 とりあえず、中に入れてみる。
 すると暫らくするとミカン箱がスーッと消えた。
 よくわからない出来事だった。


──────


 それから一カ月後、またあのメールが届いた。
 異世界にでも行って苦労している日本人だと思うと可哀相なので開く。
 またもミカン箱が出てきた。
 そこには前回弁当に使ったタッパー(キレイに洗われている状態)と手紙、そして金貨十枚が入っていた。
 ちなみに前回入っていた金貨は、机の中に入っている。
 とりあえず手紙を読んでみる。


『先日はカラアゲ弁当を送って頂きありがとうございました。久しぶりに日本の物が食べられて嬉しかったです。そしてビール。ちょこっと期限が切れていたのには笑ってしまいましたが、美味しく頂けました。で、もし宜しければ今回も食べ物を送って頂けないでしょうか。先日は初めてでしたので金貨一枚でしたが、今後は金貨十枚にさせて頂きますのでどうか宜しくお願いします』


 やはり日本の人だったんだな。
 とはいえ、毎回送るのも面倒だし、ここに弁当とは書いていない。

 ……そうだな。
 備蓄してある期限の近くなった防災用の缶詰(期限三か月前)。
 あと多分向こうじゃ醤油などもないんだろうな。
 98円で買った900mlの醤油と78円で買った12袋入りのわかめの味噌汁。
 で、サラダ油に米(古米)5kg。

 あと読み終わった週刊誌を古いのから出来るだけ入れて送るか。
 きっと日本文化に飢えているだろ。
 ミカン箱の上から多少はみ出すが気にしないで入れる。

 入れて気付いたが、食料って
 米5kg×1つ
 醤油900ml×1つ
 味噌汁のパック12袋入り×1つ
 サラダ油1500ml×1つ
 期限の近付いた缶詰×10個


 これだけか。
 でも、まあいっか。
 足りなかったらまたメール来るだろ。
 それに週刊誌も大分片付いたし。

 そうだ!
 俺も手紙書いておこう。


『読み終わった週刊誌は処分して下さい。あとタッパーもあげます』


 これで完璧だ。
 早速、送信! と。


──────


 で、前回送ってから一か月後。
 また例の空メールが来た。
 暫らく来なかったから怒ったのかと思ったのだが、


『久しぶりに日本の本を読めて楽しかったです。そしてお米と醤油などの食料も送って頂きとても感謝しております。今回も何か送って下さい。お米とお醤油はお願いします。他は何か適当に送って下さい。何が届くかとても楽しみにしています。今回も金貨十枚と少なくて恐縮ですが、宜しくお願いします。
追伸 すぐに送って頂かなくても結構ですので、お願いします』


 と、俺の予想に反して好評だった。
 ちなみに追伸というのは、あれだな。
 時間掛かってもいいから良いのを送ってくれという物だな。
 そうだな、部屋を片付けしてから考えよう。

 でまず、食料として
 米(古米)5kg×1つ
 醤油 900ml×1つ
 カレーのルー×3つ
 チョコレート(板)×5枚
 飴×5つ

 で、その他に。
 麻雀(ほとんど使っていないもの)
 麻雀のシート
 麻雀の本(勿論俺のお古)
 トランプ(プラスチック製)
 オセロ
 将棋

 まあ、これらは学校を卒業してほとんど使っていないものだ。
 よく異世界小説だと喜んで使うものだと本に書いてあった。
 送れば俺の部屋の片づけにもなるし、向こうも遊べるしwinwinだろう。

 で、あと週刊誌を入るだけ詰めてと。
 今回も満員御礼だ。
 本当は、使わなくなった食器類も送りたかったが次回にしよう。
 よし、送信! と。


──────


 一カ月後。
 いつものメールがきた。
 ミカン箱には手紙と金貨が三十枚ほど。

「うぉっ!」

 どうして金貨三十枚?


『お久しぶりです。前回送って頂いて、パーティのみんなにこの件(メールのやり取り)の話をしました。そしたら、こんなに送って貰って金貨十枚なんて安すぎると指摘を受けたのと、送って頂いた食べ物を食べて感激しておりました。で、それに加えての玩具。今まで少し距離のあった人間関係でしたが、あの玩具で一気に縮まりました。で、今回はお礼も込めて金貨三十枚を送付させて頂きました。で、今回も食料の送付をお願い出来ますか? 今回はお米とチョコレート。あとはお任せでお願いします』


 ふむ。何かとても感謝されているな。
 部屋の片づけを手伝って貰っている感じなのに。
 まあ部屋の片づけをする気になるからいいけどね。

 まず食料として
 米(古米)10kg×1つ
 チョコレート大サイズ×5枚
 ホットケーキミックス×3つ
 マヨネーズ1kg×1本

 で、他に。
 皿(色々ミックスされた物)×30枚
 ↑サイズも種類もバラバラ
 爪切り(新品)
 で、まだまだ残っている週刊誌
 これを割らないようにして(まあ割れても返品不可だが)
 これで送信! と。

 いやー働いたな。
 で、ちなみに金貨は貰ったけどそのまま待機で。
 ちなみに送っている古米は俺の家で作っている物だ。
 毎回買った商品は千円前後だし何の問題もないのだ。
 それにしても会ったことのない異世界の日本人って太っ腹だな。
 毎回金貨(多分、本物)を送ってくるんだからな。
 それにしてもどのような仕組みなんだろうね。


──────


 で、一カ月後。
 もう恒例となりつつある空メールが届いた。
 いつも入っている手紙もいつもと同じだ。
 ただ今回は菓子パンと米が欲しいとあった。

 ただ今回は試してみたい事があった。
 とはいえ、とりあえず準備をする。
 いつものと菓子パン(10個)。
 ちなみに古米とあるが、二年前の古米である。
 古き良き時代の物であるか。 さて……。

 よし! 準備も出来たから実験である。
 米と菓子パンを手提げに持って俺がミカン箱に入ったというかミカン箱に立った。
 もうあれである。
 ガ○ダム、大地に立つ気分である。
 で、送信! と。
 ちなみに「送信」といつも言っているが言ってもすぐに消えない。
 つまり俺が気分で言っているだけである。


 で、待つこと一時間。
 そのまんまである。
 俺も消えないし、米も菓子パンも持ったまま。
 残念ながら、異世界には行けないようである。
 ただ米を持った手がだるいだけである。

 仕方ないので、いつものように米と菓子パンにいつもの週刊誌。
 そして多分下着でも苦労しているんだろうと考えてトランクス(新品)を三枚入れてみた。
 ちなみに文通というかメールのやり取りをしている相手が男か女かどうか俺は知らない。
 会えるなら性別を聞くが、下心の届かない異世界なので興味などない。
 第一、女性用の下着を買う勇気など俺にない。
 当然、相手のサイズなど無論知る由もなかったのでLサイズを送った。
 適当である。

 あと他に電卓(太陽電池のもの)も送った。
 あれももう必要ないからな。
 で、送信! と。



──────


 それから十年後。
 今も彼とメール? のやり取りは続いている。
 かれこれ十年も続けば多少、相手のこともわかるというか手紙のやり取りでわかってくる。

 ちなみに彼はただの冒険者だった。
 で、『だった』と過去形なのは俺とのやり取りで向こうで一財産を築いたとのことだ。
 無論、俺も金貨(本物だった)で一財産を築いた。
 で、現在もメールというかミカン箱のやり取りをしている。

 で、だ。
 あのミカン箱だが一カ月というか三十日に一度しか使えないとの事だった。
 だから初めに届いた時は嬉しかったが、反面なぜカラアゲ弁当にしたんだろうかと俺の送った米と醤油を見て自分のアホさ加減に幻滅し、俺にすごく感謝したらしい。
 で、俺が自分でミカン箱に入ったと聞いて大笑いしたと手紙に書いてあった。


 そうそう、あれから彼と手紙のやり取りで向こうの世界に死ななければ何でも治るという霊薬エリクサー(1本、金貨三百枚)があって俺、一本確保しているんだよね。
 ちなみに一度飼っていた犬(当時三歳)が病気で危ない時に使ったら元気になってとても感謝している。
 彼に手紙がその事を書いたら呆れていたけど。

 とはいえ、彼との交流はとても楽しい。
 もし異世界の住民とこういったやり取りが出来るんなら騙されたと思って千円くらい突っ込んでもいいと思う。
 ただし一万円を超えそうなら三日ほど悩んだ方がいいと思うけどね。
 さて話はそろそろ尽きてきた。
 今度はあなたの異世界の話を聞いてみたいものだな。

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