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十文座夏実とその弟妹

 *十文座夏実side



 「姉貴は、遊び過ぎだ」

 「姉さん、白夜に話を聞いたけれど、なんでそんな遊び心を優先させちゃうかな」

 龍宮翔さんと、理人君と、渕上隗君と遊んで実家に帰ったら妹と弟にそんなことを言われてしまった。台詞だけ聞いても私の双子の弟妹は、性別が逆に見える。

 性別を偽るのは十文座家の決まりみたいなものだけどさー、二人ってそれが似合いすぎているんだよね。

 白夜って美男子にしか見えないし、桔梗は美少女にしか見えないし。この二人って性別逆なんじゃないかって思うけど、白夜が女で桔梗が男なんだよね。世の中は不思議だよねー。

 「あはは、いいじゃない。だって理人君も隗君も話聞いている限り凄い面白いし、実際文化祭であった理人君は良い感じだったしねー」

 四宮学園って腐女子としてみてみても最高の場所なんだけど、そういうの抜きにした私――十文座家次期当主としての目で見てみても十分面白い所なんだよね。大体さー、顔面至上主義っていうか、顔がよければ全てよしって風潮とか面白いじゃない。

 私も和志に出会って、和志と恋人になってなかったら結婚相手探しに四宮学園に入学していたかもねーって思ったり。

 「それはそうだけど、和志さんも巻き込んで……」

 「大丈夫大丈夫。和志なら納得してくれるし。それに正直理人君たちが和志がそういう存在だっていうのは気づかないと思うしね」

 私が文化祭で変装しているのも全然気づいてなかったしね。流石、私! 変装は大得意なんだよねー。

 和志は理人君たちと仲が良いけれど、仮にも私の結婚相手なんだもん。私の事をぽろっと漏らしたりもしないし、私が遊んでいるの知れば受け入れてくれるだろうし。ああ、もう和志って色々平凡の域を越えられないんだけど、そういう懐の大きさっていうか、私が十文座家ってしっても受け入れてくれた所とか、本当大好きだよ! 恥ずかしいし、あんまり言わないけどね。

 「姉さん、和志さんと何時結婚するの?」

 「むふふ、和志が高校卒業したらそのまま結婚するよー。普通に、結婚式あげるの!」

 「和志さん、大学行くんだっけ? 姉貴、和志さんが高校卒業したら同棲するっていってなかった?」

 「そうなの! 大学に行く和志と結婚して同棲するのよ」

 むふふ、楽しみだなーと顔がにやけそうになる。

 十文座家ってね、結婚するのって色々大変なんだよ。まず好きな相手と付き合って、結婚したいねーってなったとしてもさ。十文座家って事を受け入れてもらわなきゃならない。―――受け入れてもらえないなら、口封じをしなきゃいけない。その場合は私が記憶を喪失させる。

 悲しいよねー。思い合っているのに家の関係で、相手から自分の記憶を喪失させなければならないだなんて。でも十文座家は影の一族で、そういうものなのだ。

 特に、本家筋の私たちの場合は自分の能力が利用されることを考えなければならない。

 それにしても、今十文座家の実家の方にいるから私も白夜も桔梗も変装とかはしていないんだけど、自分の実家ながら中々の魔境にしか見えない。

 だって私は青い髪に黄色い瞳でしょ、で、白夜は赤い髪に赤い目、桔梗はまだ髪は許容範囲で金色だけど目は緑色だしさー。てか、十文座家って一応日本人の血筋なんだよ? なんだろうね、私たち姉弟って異能力が強くてさ、それに伴って外見までそんな感じっていうね。

 これだけ異能力が強い存在が生まれたのは、それも三人も生まれたのは百年ぶりぐらいなんじゃないかって凄い生まれた時騒がれたらしいよ? まぁ、異能力の強さは当主の証みたいなもんだから、本家も分家も私が十文座家を継ぐことを認めてくれたわけで、そういうのは楽だから良いんだけどね。

 「いいなぁ、姉貴」

 「白夜もがんばれー、お姉ちゃんは白夜の幸せを祈っているよ!」

 「……でもあいつ、好きな奴いるし」

 そういって目を伏せる白夜は、可愛い。

 十文座家って基本的に本能で生きているっていうか、本能で好きな人を見つけるとかそんな感じなんだよねー。大体初恋の相手と結婚するっていうね。私も和志が初恋だよー。

 初恋の相手と結ばれない場合は、独身貫いたり、奇跡的に次の好きな人見つかったりなんだけど。十文座家ってそういう一族なんだよねー。まぁ、そのためもあって古い家だし、影の一族とか言われているけれど恋愛結婚溢れてて、浮気とかありえないっていう一族なんだけど。

 外では色々噂されているけど、十文座家ってなかなかアットホームな家なんだよ! というか、どんな家よりも家族仲良いんじゃないかって思う。血の影響なのか、十文座家って家族とか血族とかとのつながりを大事にするしね!

 「可愛いなぁ、白夜は。大丈夫だよ。白夜は可愛いんだから頑張れば相手も落ちるよ。…………可愛い白夜を好きにならないとか意味わからないしね」

 「…俺を可愛いなんていうのは姉貴と桔梗ぐらだろう。てか、桔梗最後なんていった? 聞き取れなかった」

 弟の桔梗もなかなかシスコンで、白夜大好きだしねー。はぁ、可愛い。二人とも幸せになってほしい。私の全力を持って恋を実らせてあげたい。

 「白夜、白夜の好きな人の思い人って理人君の弟だよね?」

 「……ああ、そうだよ」

 「まったく、男に惚れて白夜を見ないとか意味がわからない」

 上から私、白夜、桔梗の台詞である。

 うーん、桔梗は私の趣味を全力で否定しているね! でも白夜も男装しているからそんな白夜に惚れたらホモとみられるよ!

 そうそう、白夜の好きな人って理人君の弟の都君に惚れているらしいんだよねー。私それもあって理人君に興味津々なのもあったんだよ!



 理人君と隗君とのゲームの行方も楽しみだし、

 白夜の恋が上手くいくかも気になるし、

 あー、楽しみがいっぱい!




 


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