99日目 手紙と風呂場チェリー
一部伏字としました。
99日目
立派なさくらんぼの苗が鼻から生えている。ひゃっほう。あと、日付がなんかいいかんじ。
苗を引き抜きつつギルを起こし、そのまま食堂へ。もうそろそろ期末試験だからか、それともただ単に寝ていたいだけなのか、今日も人は少ない。おかげで数量限定のスペシャルチェリークラフティーを二つも食べることができた。ポポルとジオルドはそれぞれ三つずつも食っていた。
ギルはもちろんジャガイモ。いつもの大皿を『うめえうめえ!』って貪っていた。俺、たまにあいつの味覚がとてもうらやましくなることがある。
いつものメンツでちまちまとチェリークラフティーを分け合って食べるロザリィちゃんがマジキュート。とってもおいしかったらしく、ほっぺがすっごくゆるゆるでめっちゃ可愛かった。あの笑顔を俺だけのものにしたい。
いい感じにゆったりした空気が流れていたので、ちょっと休憩がてらマデラさんに手紙を書いた。こないだの印象に残った味付けの肉についてと近況、それと長期休暇について適当にしたためる。この日記をつけていたからか、割と詳細にいろんなことが書けた。案外役に立つもんだ。
宿に戻って向こうを手伝うべきか、それともこっちに残って自習(と言う名の金稼ぎ。授業のない学校ほど楽しいものはない)をするべきか超悩む。久しぶりに家に帰りたいけど、ロザリィちゃんと会えなくなるのはさみしい。ステラ先生にも会えないとか地獄に等しい。でも、安眠(?)が保障されるのも捨てがたい。
いずれにせよ、何らかの形でコンタクトがあるだろう。あと、せっかくだからクラスメイトと先生方に特別招待券を送りたいって旨も記載しておいた。みんなに会えないなら、来てもらえばいいと言う逆転の発想。俺、自分の頭脳がすごすぎて怖い。
そのあとは栽培スペースにいって今朝方採れたさくらんぼの苗を植える。ちょうどミーシャちゃんがギルと共に魚釣りの餌用のファットウォームを探しに来ていたので、ギル・ポテトとリボンを共鳴させて水を撒いた。
ギル・ポテトの精気を吸ってあっという間にさくらんぼが大きくなったんだけど、そこまで動じなくなってきている自分が怖い。つーか、もしかしてギル・ポテトって肥料にするのが正しい使い方なのだろうか?
なお、ミーシャちゃんはギルの肩にのってさくらんぼ食べ放題を満喫していた。『おいしーっ!』ってバクバク食いまくってた。ギルも『うめえうめえ!』ってさくらんぼを貪っていた。途中から埋まってるギル・ポテトにシフトしてたけど。
なぜか魔法法則をガン無視して巨大化したリボンにさくらんぼをこれでもかと包み、ギルに担がせてクラスルームに放置する。樽二つ分くらいはあったから、みんな腹いっぱい食えるだろう。なぜかリボンに冷却機能もついてたから腐ることもない。
午後は俺専用のロッキングチェアで本を読みながらスヤスヤした。目覚めたら、ピカタとポワレが俺の腹の上でスヤスヤしていた。ごろごろエッグ婦人の育児放棄レベルが凄まじい。あ、今日は卵は産まなかったんだって。
風呂場にて、他クラスの連中にグレイベル先生の体験談を生々しく語る。その最中に持ち込んださくらんぼをうっかり落としたんだけど、みんながフル○ンのまま逃げ出して大騒ぎになった。
俺、さくらんぼを風呂場で食べたかっただけなのに。ただのさくらんぼにタマヒュンするとか、あいつら器が小さすぎると思う。
その後、みんなから『てめえマジふざけんな!』ってケツビンタされた。超理不尽。ギルとクーラスとポポルは逃げずに俺と一緒にさくらんぼを食ってたっていうのに。見間違える方が悪くない?
あ、落ちたさくらんぼはソテーがおいしく頂いていた。『もっとくれ』とうるさかったので腹を壊さない程度に上げておいた。他のヒナにもちゃんとあげるあたり、俺って優しくない?
未だにケツビンタされたケツがヒリヒリする。椅子に座って日記を書くのもつらくなってきた。そして最近妙に日記が長くなってきている。もっとコンパクトにまとめたい。
とりあえず、ギルの鼻には書き損じた手紙を詰めた。なるようになーれ。




