表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/368

81日目 触媒反応学:触媒としての杖の強度計算

81日目


 ギルの頭にお花の冠。引っ張ったけど取れなかった。燃やそうとしたら悲鳴が聞こえた。……花の冠のはずだよな?


 ギルを叩き起こして食堂へ。筋肉だけが取り柄のギルが可愛らしいお花の冠をしていることにみんな驚きを隠せない。もはや予定調和と言うべきか、フィルラドはギルを見てミルクを吹きだしていた。ばっちぃ。


 頭に花を飾りながらも、元気にギルは『うめえうめえ!』ってジャガイモを貪る。食べる度に花が元気になっていくのが超不気味。ポポルがブチッて一つを引きちぎったんだけど、ジャガイモ食べたら再生していた。ここに常識はない。


 ミーシャちゃんは『あたしのリボンのほうがかわいいもん!』ってギルと張り合ってた。ギルは半裸でポージングしながら対抗する。リボンも花冠もジャガイモの精気を吸い取るという点では同じものなのだろう。


 天使なロザリィちゃんは『私はこの髪飾りも可愛くて好きだよ!』ってミーシャちゃんと一緒に張り合ってくれた。もちろんデートの時のやつ。ずっとつけてくれているのがマジ嬉しい。あと、途中で意味深な感じで目が合って、ぱちんってウィンクしてくれた。マーベラスプリティすぎて朝から鼻血が出そうになった。


 授業はヨキの触媒反応学。ヨキの野郎、目ざとくロザリィちゃんが新しい髪飾りをしていることに気づきやがった。で、『プレゼントでもしてもらったんか~♪』とかしつこく聞くもんだから、俺がデートしたことがバレちまった。


 『にくいねこのこの~♪』とかやってくるのが割とマジでうざったい。本気でハゲの呪いをかけようかと思った。それともシューン先生と風呂場で二人きりになるように仕向けるべきだろうか?


 なお、ギルのお花の冠については完全にスルー。ヨキもギルの扱いに慣れてきたのかもしれない。


 内容は触媒としての杖の設計や強度計算について。ようやく新しいところに入ったらしい。触媒反応学ってよりかは魔導工学って感じもするけど。魔系なんて深く突っ込んだら負けだ。


 まずは杖についてのおさらい。杖ってのは基本的に心材とその他の魔法要素からなる魔法使いの主な発動体(汎用的な触媒)の事を指す。一般的な意味での杖状のものが多いけれど、ちょっとこだわった(クレイジーって方が正しいかもしれない)魔法使いだと杖以外の形状のものを扱うこともあるそうだ。


 で、当然ながらただ素材を適当にくっつけただけじゃ杖にはならない。無理やり魔力を流せばぶっ壊れる。明確なコンセプトの下で設計し、強度計算をしないとダメなんだって。


 話がややこしくなるんだけど、杖っていう実体そのものであっても、今までやってきた魔法陣のパラメータ計算と同じように演算していくことが可能らしい。つまるところ、形と各基本パラメータが異なった魔法陣としてみなすことができるわけだ。


 今回やったのはその概念の説明。やっぱり魔力の集中負荷だとか魔力分布だとかロテル点だとかサークリアが出てきて面倒な感じ。


 ヨキは『魔法使いたるもの、このくらいできなきゃインチキだよなぁ~♪』って言ってた。てめえが音符マークを付けるほうがよっぽどインチキだ。そういうのはロザリィちゃんやステラ先生だけに許されることなんだよ。


 おまけに課題をたんまりと出された。基本練習問題を全部やって来いって。あまりに腹が立ったので水虫の呪いをかけたら、起動反応型の魔法陣に防がれた。『まだまだ甘いね~♪』だってよ。いつか吠え面かかせてやる。


 夕飯食って風呂入ったあとの雑談中、ロザリィちゃんと一緒に宿題をやる約束を取り付ける。明日の午後がフリーだから、ハゲプリンづくりとかと並行してやるってことになった。


 杖なんてなくても魔法使いとして(?)やっていけるギルは悩みなんてないんだろう。今日もスヤスヤ大きないイビキをかいている。バグ・スネークの舌を鼻の穴に詰めた。おやすみなさい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ