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76日目 基礎魔法学:土魔法による簡易橋頭堡構築実習

76日目


 (ぐしゃぐしゃに書きなぐられていた為、判別できませんでした)


 耳が未だにクソ痛い。生きてるのが不思議なくらいだけど、とりあえず朝の出来事から確認していこう。


 目覚めたのは保健室だった。


 なんでも、いつまでも食堂にこないことを不審に思ったポポルとフィルラドが、自室で倒れている俺と、泣きながら俺を揺さぶるギルを発見したそうだ。俺の鼻と耳からは出血があったため、異常事態ってことでそのまま保健室に運んだらしい。


 保健室の先生(ドクター・チートフルって呼ばれてる穏やかなオッサン。夢を打ち砕かれた)はどうして倒れたのか原因不明だってうんうん唸ってたけど、間違いなくギルの鼻に何もつめずに寝たせいだろう。幸せに浮かれすぎていたらしい。


 『今日一日くらいは授業を休んでここで安静に寝てなさい』って優しく言われたけど、『魔系に病欠は許されませんから』って言って授業に向かう。ステラ先生との触れ合いのチャンスを捨てる俺じゃない。


 で、途中から授業に参加。俺の登場にクラスがわきあがある。再起不能になったと思われていたらしい。


 ギルに至っては泣きながら熱い抱擁を交わしてきた。背骨が折れるかと思った。あと、『だいじょうぶ……?』って心配そうに聞いてくるロザリィちゃんがマジプリティ。この子はどれだけ俺の心をドキドキさせれば気が済むのだろうか。


 授業内容は土魔法を用いた簡易的な橋頭堡の構築実習……だったんだけど、ステラ先生が念のためにって言うので見学になった。ちゃんと出席はくれるんだって。ステラ先生マジ女神。


 でもまぁ、見てるだけとはいえかなり勉強にはなる。土魔法で大きな土壁を出し、それをうまい具合に組み立てて作っていくんだけど、魔法が甘いと壁が途中で崩れるし、結合部のところがうまくいかずに思いっきり崩してしまっている奴らもいた。外野で見てたからか、何がダメだったのか全部わかってけっこうためになる。


 構造と壁の精密性、あと単純に込めた魔力の大小が重要なんだと思う。物理的な集中負荷、魔法的な集中負荷がどのようにかかるのかを見極め、その辺を重点的に強化することで無駄な魔力を使わずに済むってステラ先生は言ってた。


 ずっと見てるのも暇だったので途中で寝そべってたら、具合が悪いと勘違いしたステラ先生が文字通り飛んできてくれた。『だいじょうぶ!?』って聞かれたので『膝枕してくれればすぐに治ると思います』って言ったら、マジで膝枕してくれた。ひゃっほう。


 『今回だけの特別だからねっ!』って真っ赤になったステラ先生がマジキュート。めっちゃぬくやわこくて幸せだった。あとステラ先生の場合、大きすぎて先生の可愛いお顔が見えなかった。いろんな意味で幸せだった。


 あまりにも哀れな男子連中がぎゃあぎゃあと騒いでいたけど、ステラ先生がヤケクソ気味に『一番速く作れたグループにも膝枕してあげるから!』って言ったら連中はものすごい勢いで作業に戻った。最近、ようやくステラ先生が自身の可愛さを理解してくれたようでうれしい。


 で、膝枕されながら作業を見ていたら、ステラ先生が頭を撫でてくれた。俺が拗ねてたってのをヨキ経由で聞いてたらしい。『いつもおつかれさま。先生はキミががんばってること、ぜんぶ知ってるよ』って天使のほほえみもしてくれた。俺、ステラ先生に一生ついていこうと思った。


 ちなみに、橋頭堡を一番速く作り終えたのはロザリィちゃんたちのグループだった。耐久もばっちりでハートマークもあしらったなかなかおしゃれなデザイン。約束通り、ステラ先生はロザリィちゃんたち四人組に膝枕をしていた。ちょっとホッとした表情だったのが印象的。ミーシャちゃんは猫みたいにゴロゴロと先生の太ももに頬ずりしていた。超うらやましい。


 あと、ロザリィちゃんが笑いながら『うわきものーっ!』ってぷーって頬を膨らませていたのが超プリティ。もちろんキミも大好きだよと囁いておいた。


 なお、ポポルとフィルラドは血涙を流していた。耐久性も建築スピードも一番速かったんだけど、クーラスが龍の意匠を彫りこむと聞かず、おまけにギルがうっかり土壁をぶち抜いてしまったせいで一位を逃したらしい。


 さすがにちょっと可哀想になったので、すこしでもその素晴らしさをわかってもらおうとステラ先生の太ももの柔らかさを語ってあげたら、フィルラドに纏魔のケツビンタをされた。ポポルには腕を噛みつかれた。短気な人って怖いよね。


 で、夕飯食って風呂入って雑談して今に至る。今更だけど、日記の最初のスペースにあったグシャグシャってなんだろう? やっぱ俺が無意識のうちにギルの生態を記録しようとしてやったのかな? ギルの生態だけは朝一番に書いているし、反射的にそうしたのかもしれない。


 今日もやっぱりギルのイビキはうるさい。念には念を入れて、友想の守護布を鼻に詰めた。グッナイ。

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