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60日目 触媒反応学:魔法陣のねじりについて

60日目


 ギルから邪気が漏れ出ている。俺もう頭が狂いそう。


 ギルをリスペクトし、朝食は悪っぽくプリンとジャガイモとウィンナーをチョイス。悪役らしくワイングラスでオレンジジュースを飲み、最初にデザートを食べるという鬼畜っぷりを披露する。


 さらにジャガイモには塩コショウを三摘みもかけてやった。無駄にかけた二摘み分誰かがストレートでジャガイモを食う羽目になるだろう。俺ってば超悪い人。


 でも、邪気を振りまくギルはさらにその上を行く。『うめえうめえ!』って言いながらジャガイモを禁断の両手持ちで食ってやがった。しかも、食べきる前に別のジャガイモかじってた。あいつマジ悪いやつ。マデラさんに見つかったら地獄の百連ケツビンタを喰らわされることだろう。


 悪の魅力でロザリィちゃんに笑いかけたら、隣にいたミーシャちゃんに『親友を悪い男に近づける理由があるはずないの』と言われて皿に追加の塩コショウをぶちまけられた。マジで涙出た。


 でも、『背伸びしたい年頃なんだねっ!』って頭をポンポンしてくれたロザリィちゃんがマジプリティ。すさんだ心が癒された。


 授業はヨキの触媒反応学。ヨキのヤツ、邪気を振りまくギルを見て『今度は何しやがった!?』って何故か俺の方に詰めよってきた。いったい俺が何をしたってんだ。全く心外である。


 内容は魔法陣のねじりについて。なんでも、今まで想定していた魔法陣ってのは外部からの影響を一切考慮していなかったんだけど、現実的には様々な原因により魔法陣そのものが魔力的に捩じれたり曲がったりしているんだって。


 触媒の反応同士で歪んたり、別の魔法の影響でねじれたり、連結魔法陣がそれぞれ触媒として反応しあうこともあるそうだ。現実でそれらの影響を全く無視することはできないからここでしっかり学習するように、とのこと。


 んで、単語の意味や定義の確認、公式なんかを板書した後に軽い練習問題を解いた。全部書くとひどいことになるから個人的に軽くまとめ直す。



・ねじりってのは魔法陣の魔力的な歪み。なんかこう高負荷で歪んで見えるアレ。


・ねじりサークリアは真直軸の二つの魔法陣断面を相対的にグルグルさせるアレ。


・ねじり魔応力はねじりサークリアにより軸の縦横断面に生じる裂界魔応力。



 この辺の定義があやふやになりやすいから頭に叩き込んどけってヨキが言ってた。邪気をまき散らすギルは堂々と『親友にかかればこの程度ジャガイモを飲み込むがごとく簡単な事』って言ってた。意味が分からん。


 風呂場にて、邪気をまき散らすギルは床をせっけんで泡だらけにするという極悪非道な事をやらかした。んで、うっかりすべったクーラスがギルの股間に顔面ダイブしていた。しっかり洗った後でよかったとマジで思った。


 湯上りのホカホカ気分でクラスルームでゆったりしてたら、邪気にあてられたミーシャちゃんが暴走してギルに肩車を強要した。鬼畜なるミーシャちゃんにより筋肉の制御を奪われたギルは、自らの手で愛虫のチャールズ(六匹目)をパレッタちゃんのヴィヴィディナに差し出すことになった。チャールズはあっという間においしく頂かれました。


 鬼畜なるミーシャちゃん、さらにはギルを使ってポポルが隠してたハゲプリンも食べてしまった。悪意ある頭脳と剛勇の肉体のコンビがあまりに恐ろしすぎたため、クラス全員で囲み、なんとかミーシャちゃんをギルの肩から降ろすことに成功する。『ぎにゃーっ!?』って断末魔が印象的。


 被害は女子のハゲプリンが数個とチャールズが二匹。頑張ったほうだと思う。クーラスの罠魔法とパレッタちゃんの呪いのコンボはえげつなさすぎると実感した。


 パレッタちゃんのジャガイモの呪い人形によりギルは今身動きが取れない。筋肉が拘束を解こうとビクンビクン跳ねながらイビキをかいている。超不気味。


 一日中邪気にまみれていたせいかひどく疲れた。ケット・シーの耳毛を鼻に詰める。グッナイ。そしてさりげなく日記二か月記念だった。

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