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6日目 基礎魔法学:ステラ先生マジリスペクト

6日目


 ギルの肌艶がよくなってる。快眠できたらしい。こっちは寝不足なのに。くそっ! 

 

 朝飯はミルクとサンドウィッチ。ここに来てから毎日違うものが食べられるから楽しい。詳しく書いてないけど夕飯も豪華で毎回肉か魚が出る。まぁ、単純な量ならマデラさんところのほうが遥かに上なんだけど。酔っぱらいの常連たちっていると騒がしいし、いないとつまらないもんなんだな。


 肌艶の無駄に良くなったギルは『私、今日はエレガントですの』っていいながらホビットレモンを皮ごと貪っていやがった。しかも半裸で筋肉を見せつけながら。俺じゃなかったら吐いていたに違いない。


 あいつはエレガントの意味をはき違えている。ホビットレモンってのはロザリィちゃんみたいな子がちまちま食べて初めて絵になるんだよ!


 実際、偶然にもその場を直に見てしまったポポルとフィルラドがミルクを吹きだして可哀想なことになってた。フィルラド、割とイケメン枠だったのにイメージぶっ壊れたな。マジで霧状に吹き出すんだもん。ポポルはお子様枠だから別に違和感なかったけど。


 ロザリィちゃんはホビットレモンをのどに詰まらせかけたけど大丈夫だった。でも隣にいたアルテアちゃんは可愛い顔が歪んでいた。ミーシャちゃんもミルクが変なところに入ったらしかった。二人とも乙女の尊厳だけは守ってた。女ってすげぇ。


 今日やったのは基礎魔法学。担当はなんと……ステラ先生! ひゃっほう!


 今までオッサンばかりだったからすごくうれしい。ローブの上からも柔らかさがわかるって相当レベル高いと思う。杖をコンコンってする仕草がめっちゃ可愛い。


 内容としては魔法の実践って感じ。たまには講義も入れるけど基本は修練場で魔操着を着てやるとか。で、初回の今日は普通の教室だけど、杖はあるから簡単な魔法をやりましょうってことになった。


 やったのは火の魔法と水の魔法。魔法陣だとか術式構築だとか呪文だとか本当に何もない基礎の中の基礎。使ったのと言えば触媒である杖くらいだし、曲がりなりにも……っていうかギルでさえ杖なしでもこれくらいはできる。卵の殻のついたヒヨッコどころか卵の中からでも使えるようなレベルの魔法だ。


 ステラ先生曰く、なんだかんだで学んでいくうちに心が荒んでいってしまい、楽しく魔法を使える人間が少なくなってしまうそうだ。あなたたちが初めて魔法を使えたときの楽しさと喜びを忘れないようにって意味で毎回初めての授業ではこれをやっているらしい。


 目を輝かせて笑っているステラ先生がめっちゃ可愛かった。あと、それに共感してぶんぶん頭を縦に振るロザリィちゃんが美しすぎた。あの子実は天使だろ?


 でも、エリートクラス……AerunoThuthu(読みづらいけどアエルノチュッチュっていう。マジで考えた奴の頭の中身を疑う)のヤツらはステラ先生のことを鼻で笑ったそうだ。先生がちょっと悲しそうにしていた。あとで時間があったらアエルノチュッチュの連中にヤキを入れておこう。先生を泣かすとか万死に値する。


 あいつら食事時も態度悪くてつっかかってくるんだよな。食事作法よりも人間としてのマナーを身につけろっての。


 話はそれたけど、二年次とかになると魔法を楽しんで使う生徒は少なくなってしまうらしい。この授業、今は緩いけど進むにつれて殺伐としてくるそうだ。保健室行きがそれなりに多いから気を付けてねってステラ先生が言ってた。


 とりあえず、ステラ先生の言う通り俺は魔法を楽しんで使ってみることにする。水魔法の応用でギルの鼻付近に水のドームを作っておいた。イビキがだいぶマシになったけど、いつまでもつだろ? おやすみなさい。

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― 新着の感想 ―
[良い点] おもれー。 新しい物語の進み方だ。
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