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53日目 触媒反応学:テスト返却と解説

53日目


 ギルがもじゃひげ。とりあえずブラッシングしておいた。


 朝食でホットサンドを食べる。ボリュームとサクサクした食感がなかなか美味。手間が若干かかるのを除けば結構優秀だと思う。


 ギルはもじゃひげを撫でながらもそもそと『うめえうめえ!』ってジャガイモを食ってた。髭の中に吸い込まれていくジャガイモに恐怖を感じる。


 フィルラドがその様子を見て牛乳を吹き出し、ギルの顔に思いっきりかかってしまった。あいつの口の締りの悪さは相当だと思う。『白ひげ大賢者!』とかいって髭を撫でだしたギルのほうがもっとクレイジーだったけど。


 今日はヨキの触媒反応学。やっぱりテスト返却&解説で緊張の空気とゆるい空気が混じっていた。『出席番号順と得点高い順、どっちから返してほしい?』と聞かれたので、救いようのない順がいいですって答えたら、神妙な顔で俺の答案が渡された。なぜだ。


 結果そのものは満点だった。パーフェクト。ただ、問題文の誤字やシチュエーションの矛盾点を空きスペースに書き殴ったのがいけないらしい。


 『実際の現場でこの構造が使われることはあり得ない。この条件ではコスト的にも問題があり、一瞬で崩壊する』って書いたところのすぐ横に赤字で『イヤミかこの野郎!』って書かれてた。教育者がばっちぃ言葉を使うのはよくないと思う。


 クーラスも満点だった。勝負は引き分け。自慢げな顔をしていたので、俺のほうが内容があるっていったら、『素直になれよ』って言ってきた。なんかイラッとしたのでギルのもじゃひげで顔をペシペシしておいた。


 なんか慌ててトイレに駆け込んだけど、腹でも痛かったんだろうか? なんか牛乳臭かったし、きっとそうに違いない。


 ギルの解答用紙の返却の際、ヨキが呆れたような顔で俺を見てきた。軽くウィンクしておいたら『野郎のウィンクは間に合ってますわ』とのこと。『あたしを妻だと思っていいのよ?』ってふざけてあげたら、マジ顔で『マジでやめてください』って言われた。照れているのだろうか?


 そうそう、ギルだけどなぜか満点じゃなかった。ギルの答案用紙、俺と全く同じ筆跡で全く同じように答えが書かれていた……のはよかったんだけど、紙の位置が俺とギルでわずかにずれていたらしく、解答が枠をはみ出してそのまま書き込まれていた。


 すっげぇ正確でめっちゃビビった。試しに俺の解答用紙を重ねてずらして透かせてみたら、ぴったりと合わさった。なんか超怖い。


 『ほえー……』って感心して見比べるロザリィちゃんがベリーキュート。一生眺め続けていたい。


 本来ならゼロ点だけど、やむを得ない事情があったんだろうってことで七割で手を打ったらしい。次のテストの時には紙の位置を矯正する手段を考えておこう。


 んで、夕飯食って風呂入って雑談して今に至る。テストの点もまずまずだから、マデラさんの雷が落ちることもないだろう。出来れば『よくやった』の一言くらいは欲しいけど、高望みしすぎだろうか?


 どうせ明日もテスト返却だろう。ちょっとおちゃめに、眠りこけるギルの鼻の穴にスプリングフラワーを詰めておく。

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