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48日目 基礎魔法学:前期中間テスト(ステラ先生マジ女神)

48日目


 ギルの頭が俺の頭になっていた。何を言っているのかわからないと思うが、俺もわからない。


 より正確に言うならばギルの髪型と髪質が俺と全く一緒になっていた。髪の色もそうだし、つむじの場所や向きも全部一緒。枝毛まで全く一緒だったときは冗談抜きにゾッとした。あいつマジでなんなの?


 食堂にて、『俺たちおそろいだぜ!』と宣伝しまくるギルの脛を蹴る。ポポルの野郎、盛大にミルクを吹きやがった。フィルラドに至っては鼻からもミルクが垂れていた。せめて女子みたいに限界ギリギリまで堪えるべきだと思う。


 アルテアちゃんもミーシャちゃんも男子に見せちゃいけないヤバい顔で堪えてた。『ンぐっ!?』って変な音も聞こえた。パレッタちゃんは無言でポポルのローブで口を拭ってたんだけど、何かあったんだろうか?


 確認するまでもないけど、ロザリィちゃんはいつも通り天使でマジプリティでした。


 アエルノチュッチュの連中は一周回ってなんか可哀想な目で俺を見てきやがった。『見世物じゃねえ、ギルぶつけんぞ』って言ったのにアエルノチュッチュの嫌味たらっしい代表、たしかラフォイドルが肩をポンポンしてきた。敵に情けをかけられるとは不覚。


 中間テストラストはステラ先生の基礎魔法学。『みんな、がんばってねっ!』って声をかけてくれるステラ先生がマジ女神。俺ステラ先生の為なら激昂するドラゴンから卵を盗むことだってできる。


 前半は筆記。マジで簡単なレベル。この日記に書いたことをそのまま写したらそのまま合格を貰えるくらい易しいやつ。ただ、もちろん基本は押さえてあって理解力や認識の確認と言った意味では最高のものだった。さすがステラ先生。


 後半は実技。とはいえ、本当に授業でやったことをそのまま先生の目の前で繰り返すだけで難しいことは何もない。試験科目は火魔法威力上昇、擬似爆破魔法、水魔法の形態変化、風魔法による狙撃のなかのどれかで、ステラ先生がランダムで言い渡していた。


 試験はやりたい人からやっていいとのことだったので、一番にやった。なんでみんな一番を譲るのか理解できない。ステラ先生を出来るだけ近くで、ちょっとでも長く視界に収める絶好の機会なのに。


 『満点取ったらぎゅってしてくれますか?』って聞いたら、『別にいいけど、こんな年上にぎゅってされても面白くないでしょ?』って言われた。非常に悲しく、そして腹が立ったので、ステラ先生の若さと美しさ、そしてなによりそのかわいさを真剣に説く。


 先生が『お願いだからもうやめて……!』って真っ赤になって恥ずかしがったので、もう二度とそんな悲しいことを言わないでくださいとはっきりと言っておいた。こくんと無言でうなずいちゃう、そんなところが本当に可愛いです。


 だいたい、先生のロリボディと大きな胸が美しくないのだとしたら、この世界にいる大半の人間がグズグズに腐りきったグールみたいなものだ。


 んで、言い渡されたのは風魔法狙撃。練習の時の倍の距離で、しかも的がリンゴサイズ。『これが出来たらぎゅってしてあげるよ?』って言われた。ダメでもテストそのものは練習の時の条件でやり直していいらしい。なんか想像と違った。挑戦的に笑うステラ先生マジ可愛い。


 実際のところ楽勝。一発で決める。真実の愛は無敵だ。ステラ先生とロザリィちゃんの心もスナイプしたい。


 恥ずかしがる先生にぎゅってしてもらったのは、多分俺一生忘れない。超柔らかくてふっかふかであったかくていい匂いがした!


 男子の嫉妬の眼差しが心地よかった。あと、ちゃんとロザリィちゃんに君のことも大好きだから誤解しないでくれと伝えておいた。ちょっと拗ねた感じのロザリィちゃんがマジプリティ。


 あとステラ先生、言い渡す試験科目に明らかに法則性があった。だからみんな得意なやつで名乗りをあげることができた。たぶんわざとだろう。


 こういうさりげないところでも優しさを見せてくれる人柄に本当に憧れる。もし俺が将来教師になるのだとしたら、ステラ先生みたいな先生になりたい。


 ギルには擬似爆破魔法にしとけと言っておいた。で、杖だけ構えさせて、神速の拳で岩をぶっ壊させた。擬似爆破魔法としては十分すぎる成果だろう。試験科目にすくわれたともいう。


 ともあれこれで中間テストも終わり。ようやくゆっくりした日常が戻ってくる。あと、雑談中にクラスで軽い打ち上げを次の休みにするとかしないとか話が上がったので、明日のうちに意見を聞いてまとめておくこと。人気者はつらいぜ。


 もうひとつ大事なことがあった。テスト中、ポポルのローブが雑巾臭かった。夏場に長時間放置したミルクのようなヤバめのスメル。明日あたり例の試作品洗剤でも持っていこう。マンドラゴラよりヤバいスメルだったけどないよりはマシなはず。


 ギルは安心しきって大きなイビキを上げている。今日も文章量が多い。やっぱりステラ先生の魅力はいつものスペースに到底入りきるものではなかったのだ。


 マジで眠いので、今日は俺の耳にクラウドストーンで作った耳栓を入れた。防音効果も耐久性もばっちり。今日はかなり期待できそう。おやすみなさい。

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― 新着の感想 ―
そう、普通はまず自衛しない??? ギルくんが筋肉魔法の開祖になっても驚かない。
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