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46日目 触媒反応学:前期中間テスト

46日目


 窓の外に大量の魚が放置されていた。すっげぇホラー。チビりそう。


 朝食はフレッシュなサラダを選択。あの光景を見て魚を選べるほど俺の神経は図太くない。ギルはいつも通りジャガイモを『うめえうめえ!』って喰っていた。きっとあいつはどんなことがあってもジャガイモを食べ続けるのだろう。味覚バカってちょっとうらやましい。


 ミーシャちゃんとサラダを食べさせあっていたロザリィちゃんがマジキュート。そんな子供っぽいところもステキです。あと、気高きアルテアちゃんが顔を赤くしながら付き合ってあげていたのがちょっと印象的だった。恥かしがるくらいならやらなきゃいいのに。


 今日はヨキの触媒反応学の中間テスト。配られた瞬間、テスト用紙の驚きの白さに戦慄する。


 いや、マジで真っ白な解答用紙だった。卸したてのシャツもびっくりするような白さだ。計算用紙と間違えたんじゃねーかって思ったくらい。


 『これくらい楽勝だろ~♪』とか言いつつ、図とほんの一行程度の問題文しかない大問を四つもチョイスしたヨキに殺意がわく。指定されていない条件が多い分、計算量も増えてしまってめちゃくちゃ面倒くさかった。


 しかもヨキの野郎、人が問題やってる隣で『おっ……』とか、『ああ……そう考えちゃうのか……』とか、『キミ時々面白いことするよなぁ』とか、『おいおい、先生もう全部解き終っちゃったぜ~♪』とかいちいち呟いてめっちゃうざったかった。真面目に監督しろって思ったのは決して俺だけじゃないはずだ。


 でも、ロザリィちゃんほか悩める女子に『そこ計算違ってるで』とか、『あー今から独り言だけど、大問2の答えの形を利用することで大問3はすぐに解けるんだよなぁ』とか呟いてくれたのはよかった。なんだかんだで優しいらしい。


 最後まで書き終えたのは結構ギリギリ。メモ書き程度の計算ならあっという間だけど、途中式なんかを丁寧に書くとやっぱり時間がかかる。


 ギル? 俺の後ろに座らせて、俺の筋肉の動きをそのままトレースしろって言っておいたからたぶん大丈夫だ。あいつの脳ミソはピクシー並みだけど、身体能力だけは化け物染みているし。それに俺はあいつの筋肉を信じている。どんな微小な動きでも正確に再現しているはずだ。


 カンニングじゃないから俺は悪いとは思わない。テストってのは自分の実力を試す場だし。


 テスト後、クーラスと答え合わせ。やっぱりやつも最後まで解ききっていたし、聞く限りでは答えも全部一致した。となると、記述の説明不足なんかでヨキが減点方式で点を付けるってことになる。たぶん引き分けだ。


 で、夕飯食って風呂入ってクラスルームで魔法演算学のテスト勉強して今に至る。明日のテストはフィルラドも参戦するから楽しみだ。


 ギルは今日もスヤスヤとけたたましいイビキを立てながら眠っている。書き損じのメモを丸めて詰めておいた。

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