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37日目 せくしー☆ギル

37日目


 ギルのくちびるがせくしー。見なかったことにした。


 いつも通りの時間に起きて朝食へ。デザートの気分にはなれなかったので朝からガッツリホットドッグを食べる。ぷりぷりのウィンナーとパンのコラボが最高。ギルは『今日もステキよ♪』なんて言いながらジャガイモの一個一個にキスをしていた。そしてやっぱり『うめえうめえ!』って食ってた。俺じゃなきゃ吹いていたに違いない。


 朝食後はギルと共に畑へ。ナエカ、コケウス、ヤカツ、リシオはばっちり。虹夢花(赤)も根が定着し、鮮やかな花を咲かせていた。来週のうちには量産体制に入るはず。カミシノは葉っぱの数が増えていたけど実ができるのはもうちょっと先っぽい。


 堕鳥草はまだイマイチな感じだったけど、病気の気配はない。このまますくすく育つことを願ってジョンソンとリチャードをすりつぶしたものを撒いた。自分が名付けた虫が無残な姿になったことにギルは気づきもしなかった。夢中になってリンゴにキスしてた。


 そのリンゴだけど、もうずいぶんと立派なものがいくつも付いていた。試しに一個食べてみたら超フレッシュ。すっごくジューシー。食堂で食べたものよりかはいくらか酸味が強かったけど、これはこれでよかった。ギルは『うめえうめえ!』って言いながら芯まで食べた。あいつもうゴミ処理係でいいんじゃないだろうか。


 その後は薬剤調合へ。クラス資金がごっそり減ったから稼いでおかないとまずい。幸いにもギルがいるから材料をすりつぶすのはすごく楽。あいつは脳ミソピクシーだけど肉体だけは本物だ。俺はギルを信じられるかと聞かれたらノーと答えるが、ギルの筋肉を信じられるかと聞かれたら大いなる自信の下にイエスと答えることができる。


 材料が豊富かつ質もよかったので、学生部に売ったらかなりの稼ぎになった。儲けの四割をクラス資金に、六割を折半。ギルの収入のうち四割を『親友銀行』に預けさせる。


 ギルの金は俺が管理しないとあいつが困る。あいつ根本的に金の価値わかってねえんだもん。貯金はしないし、持ってる金全部使おうとするし、物の価値を聞く時だっていつも『それってジャガイモ何個分?』って聞いてくるし。


 夕飯食って風呂入った後の雑談中、クラスルームが戦場と化した。ギルがジオルド、クーラス、ポポル、フィルラドの首筋にキスの雨を降らしたのだ。ジオルドが武器を取り、クーラスが杖を構え、ポポルがジャガイモを人質に取り、フィルラドが失神するなどとかなり危険な状態になっていたため、どさくさに紛れてステラ先生にプリンを渡しに行った。


 私服のステラ先生を初めて見たけど超可愛かった! 最近甘いものを食べてなくてちょうど恋しかったらしい。ぴょんぴょん跳んで喜ぶステラ先生がマジキュート。俺この人になら何されてもいい。


 そんなつもりはなかったのに、お礼ってことで蔵書の一つを譲ってくれた。もう何回も読んだから内容は頭の中に入っているらしい。タイトルは『びっくりドッキリ調合大百科~コケウスの逆襲・発火してでも奪い取る~』。にじみ出るサスペンス感にわくわくが止まらない。


 早速読もうと思ったけど、明日から授業。早めに寝ておくことにする。明かりに反射するギルの妙に艶めかしいくちびるにイラッとする。ジョンソンの息子の蛹を鼻に突っ込んだ。おやすみ。


※明日は授業。燃えるゴミを出しておく。魔法廃棄物はまた今度。

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