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362日目 タオルの向こう側(ロザリィちゃんとおふろ!)

362日目


 鏡に映ったギルがスケルトン。やっぱ太くて丈夫な良い骨している。さすがはギルだ。


 ギルを起こして厨房へ。昨日けっこう騒いだからか、常連以外の宿泊客もみんなぐっすりしているらしい。それがなくてもまだ目覚めるには早い時間だったけど。


 で、マデラさんに指示を仰いだところ、『……あんた、汗臭いから風呂に入りな。あと、ギルはちょっと朝餉の支度を手伝ってくれ。つまみ食いもバケツ一個分までなら許そう』ってお達しが。


 ギルのやつ、『やります!』ってちょう嬉しそうにポージング。逆に俺は汗臭いと言われてちょうショック。ロザリィちゃんやステラ先生に嫌われたら生きていけないし。


 そんなわけで、さっそく朝風呂に。この時間は誰もいないから実にゆったりした気分。本当は掃除した後の一番風呂が良かったけど、本能でそれができなかったのは悲しい宿屋のサガか。


 さて、せっかくのゆったりした朝風呂だというのに、風呂に入ってくる人が。俺のリラックスタイムを邪魔するだなんてどんなやつかと入り口を見たら、そこには衝撃の人物がいた。


 タオル一枚を身にまとった、ロザリィちゃんだった。


 生足がむちむちですらっとしていて、谷間が実にエクセレントな、正真正銘のロザリィちゃんだった。


 焦った。マジで焦った。俺もしかして間違えて女湯に入っちゃったんじゃねって思った。


 もちろん、紳士な俺は一瞬でその姿を脳内に焼き付けて後ろを向く。で、『ご、ごめん!』って全力で謝った。


 しかし、ロザリィちゃんは『べ、別に謝ることないよー?』なんて言いながらひたひたとこっちにやってくる。『も、もう上がるから!』って俺が立とうとした瞬間、『させないぞっ♪』って腕をつかんできた。


 『こ、こないだの約束、果たしに来たんだからねっ!』って真っ赤になりながらプリティスマイルを浮かべていた。よくよくみれば、全裸のちゃっぴぃ(いつもどおりだけど)も足元にいた。


 どうやらロザリィちゃん、こないだの約束を覚えていたらしい。『か、家族でお風呂なら別に変なアレじゃないし?』ってはにかむ。あと、『この休みは一回もデートできなかったから……ね?』って耳元で囁かれた。


 もうね、いろんな意味で危なかったね。ロザリィちゃんの可愛さは犯罪的だよ。しかも、風呂場でタオル一枚だぜ? 湯気もまだ少なかったし、俺の自制心ってマジですげえよ。


 もちろん、『ここ男湯だし、誰か入ってくるかもしれないってば!』って俺は紳士を貫く。しかし、『みんなぐっすり寝ているし、それに【掃除中】にしておいたから大丈夫だよ!』とロザリィちゃん。そういうことならオールオッケーだ。


 さっそく、『背中流してあげる!』とロザリィちゃん。柔らかくて細い指がすごくいいかんじ。『かゆいところはないですかー?』って脇腹もつんつんしてくる。『意外とおっきな背中だねぇ……っ!』ってぺたぺたしてくるところとか、もうマジで最高だったね。


 ……書くまでもないだろうけど、俺も下のタオルの一枚は死守したよ? さすがに恥ずかしいし。


 しかしまぁ、ロザリィちゃんに背中を流して貰える日が訪れるとは。人生何があるかわからないもんだ。どうやら俺の想像以上に、この世は幸福なことで満ちているらしい。


 んで、背中を流してもらった後は今度は俺がロザリィちゃんの背中を流す……のはタオルの関係で無理だったため、ロザリィちゃんと一緒にちゃっぴぃを洗うことに。ちゃっぴぃの髪を洗うロザリィちゃんをガン見していたら、『さ、さすがに恥ずかしいってば……!』って泡をふーっ! って吹き付けられた。マジ幸せ。


 やっぱりロザリィちゃんのスタイルは最高だ。手も、足も、首も、胸も、何もかもが素晴らしすぎる。タオルを纏っているとはいえ、逆にそれがすごくイイ。うなじに張り付く濡れた髪も、もう言葉で形容できないくらいの代物。


 そんな感じで二人でイチャイチャしていたら、髪を洗い終わろうかというときにちゃっぴぃが『ふーッ!』って暴れ出す。どうやら頭から魔法でお湯をぶっかけられるのがお気に召さないらしい。いつもは俺が力づくで組み伏せているけど、今回は優しいロザリィちゃんが後ろから抱っこするような感じになっていたため、それがあだとなったようだった。


 『あっ、ちょっ、やめ……!』って抑え込もうとするロザリィちゃん。『きゅーっ!』って猛るちゃっぴぃ。暴れるちゃっぴぃは、なんと、ロザリィちゃんが必死に抑える胸元のタオルをわしっとひっつかみ、そして──


 ──『きゅーっ!』って思いっきり引っぺがした。『ひゃあんっ!?』って可愛い悲鳴。もちろん、ロザリィちゃんは俺の目の前にいる。


 言いたいことはわかるな? つまりはそういうことだ。


 うん、ロザリィちゃんってば、普通に下に水着を着ていた。そりゃそうか。


 書くまでもないけど水着ロザリィちゃんもマジプリティ。夏のデートで買った水着じゃなくて、いつぞやのパレッタちゃんが着ていたような、オフショルダーなアレ。『やっぱり肩のひもが見えてたら雰囲気壊れるし、マデラさんも「水着着用なら許可を出さなくもない」って言ってたから……』とのこと。


 マデラさん、ロザリィちゃんがこういう行動をすることを知っていたらしい……っていうか、ロザリィちゃんのほうがマデラさんに許可を取ったようだ。まぁ、本来なら水着着用とはいえ女子が男風呂に入っていい理由にはならないからね。


 いわば、このお風呂デートは宿屋だからこそできる特別なものなのだ。もちろん、その後は二人とおまけの一匹で仲良く湯船につかり、イチャイチャを楽しむ。玉の様なお肌のロザリィちゃんとお風呂に入られてとっても幸せでした。


 さて、風呂掃除を終えた後は名残惜しいけれどそのまま朝の仕事をしよう……としたところでマデラさんから『どうせ連中は起きてこないから今日は休みでよろしい』とお達しが。


 言われてみれば、起きているのはナターシャとステラ先生くらいしかいない。いつもは起きているはずの老害二人もいない。妙なこともあったもんだと思ったら、ナターシャが衝撃的な発言をした。


 『昨日の夜の飲み物、遅効性の睡眠薬仕込んであったじゃん。なに? アレあんたがやったんじゃないの?』とのこと。


 びっくり仰天。そんなことした覚えはない。そもそもあの時俺が薬を仕込むチャンスなんてなかった。できたとすれば、飲み物を用意したマデラさんか、あのときみんなに給仕をしていた──


 ロザリィちゃんの目が泳ぎまくっていた。『てへっ☆』って可愛くウィンクしてた。『マデラさんの許可もとってあるからだいじょうぶ!』とのこと。それなら問題なし。


 どうやらロザリィちゃん、お風呂デートを敢行するがためにかなり周到な準備をしていたらしい。『みんなぐっすり寝ているから大丈夫』ってこういうことだったんだろう。アホみたいな薬剤耐性を持つナターシャ、女神なステラ先生、そして筋肉なギルだけが薬の効果を打破したようだった。


 なお、ステラ先生は『だ、だいたん……! あ、朝デートは楽しかったっ!?』って真っ赤になっていた。ロザリィちゃんが薬を仕込んだこと自体はわかり、それを無効化することもできたんだけど、目的を察した故にどう行動するべきか悶々としていたらしい。


 さて、せっかくなので、こないだ約束したマッサージタイムに入る。ロザリィちゃんってば、俺の太ももとか腰とかをぎゅっぎゅっ! って揉みこんでくれた。『凝ってるところはありませんかー?』って笑顔で全身をマッサージしてくれて、今までの疲れが全部吹っ飛ぶ。


 ただ、うつぶせになった俺にちゃっぴぃが飛び乗って足でふみふみマッサージしてきたのは解せぬ。ルフ老じゃあるまいし、ガキに踏まれて喜ぶ趣味はない。


 一通りマッサージした後は交代。本気は出さない程度の全力でロザリィちゃんを揉む。『す、すっごくうまくない……?』って聞かれたので、『昔から老害がマッサージしろってうるさかったし、アバズレも人をリラックス器具か何かだとしか思っていないみたいなんだ』って答えておいた。直後にヘッドロックされた。解せぬ。


 ちなみに、本気を出さなかったのはロザリィちゃんの要望によるもの。『マンドラゴラの時の手つきを思い出すと、ちょっと、その……ね?』と、真っ赤になってぎこちなく微笑まれる。そういや、ミニリカなんかはマッサージしてやると昔は立てなくなることがあったっけ。まったく、俺の黄金のミスリルハンドは恐ろしいぜ。


 長くなったがこんなもんにしておこう。正直お風呂関係のイベントが衝撃的すぎてほかに何があったかイマイチ覚えていない。あ、『先生もマッサージどうですか? 僕けっこう自信あるんですよ』って先生を誘ったんだけど、『こ、恋人の前でこんなおばさんにそういうこと言うのはよくないよっ!』って怒られてしまった。マジ悲しい。


 でも、しょんぼりしていたら『あっ! 肩だけ! 肩だけお願いするね!』って言ってくれた。『はぅあ……!』って心地よさそうにするステラ先生がマジプリティでした。


 ギルは今日もぐっすりすやすやとしている。詰めるものが特に思いつかないので、奴の髪の毛を引っこ抜いて詰めてみた。けっこうブチっていったけど気にしない。


 たぶん、今日は宿屋で過ごす最後の日。明日は出発だろう。快眠できることを強く願う。グッナイ。

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