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???日目 どこかのだれかのにっき?

※後書きでも詳しく述べますが、本来は0327に投稿するはずの日記を、うっかり0326の日記に続けて投稿してしまいました。そんなわけで0327に投稿する分が無くなってしまったため、その補填としてどこかの誰かさんの日記を魔系学生のみなさんの名前を借りて投稿します。パラレル的なアレだと思ってください。


 本編には一切関わりは無いので読み飛ばしても大丈夫です。パラレル的なアレのはずなのになぜか魔系の人たちとそっくりな人がでてきたりしますが、気にしないでください。記述に心当たりがある場合も、そっとスルーしてください。

○月○日


 今日から念のため、あいつを見習って日記をつけておこうと思う。記入日は○月○日となっているが、実際の記入は○月○日であることを記しておく。帰る前に日記をつけることを習慣づけておけばあとでいろいろ便利であると信じたい。


 研究初日はガイダンスだった。研究室での決まりなんかを確認し、係決めをする。都合によりフィルラドが出席できずに選択権を一任されたので、ヨキの提案(と少しの悪ふざけ)でコンパ係に任命してやった。面白そうではあるけれどなかなか面倒くさそうな絶妙なポジション。いい仕事をしたと思う。


 あと、ステラ先生直々の指名があったので幹事になってしまった。仕事が楽だとうれしい。道連れにラフォイドルを副幹事にしておいた。きっと頼りになってくれるだろう。


 研究室でのルールに『研究室でのゲーム禁止』というものがあった。ほぼ形骸化している。むしろ、先輩たちが研究室でゲームをしていなかったのを見たことがない。


 実際、先生たちもある程度は認めているようで、少なくとも隠すそぶりを見せれば突発的に『忘れっぽくなる』ようだ。その辺は口酸っぱく言われた。五時以降なら先生たちも帰っていることが多いので、親睦を深めるという意味でやっていても多少は大目に見てくれるらしい。


 そもそも、ゲームをしてはいけないのはいずれギャンブルにつながるからだそうだ。過去にステラ先生はブチギレしてマージャンを粗大ゴミに出したことがあるとか。


 また、魔法材料研究室では生徒たちがダーツをしていたところをある先生が発見。『俺も混ぜてくれよ!』から『お前ら遊びに命かけてんだろ!? 研究室に来てまでも遊びたいんだろ!? 単位よりも遊びが重要なんだろ!? ちゃんと遊びに命かけろよコラァ!』(意訳)となり、遊んでいた生徒をダーツの的にしようとしたとか。超怖い。名前が言われなくても誰の話かわかるところが特に怖い。


 その後、研究室に戻ってタイムカード等のもろもろを済ませた。あと大学院進学ガイダンスにも出た。意外なメンツと知り合いが多くてびっくりする。専攻履修の手続きが面倒くさそう。この大学は一度システムを刷新するべきだといつも思う。


 研究の先行きはまだ全然見えないけどなんとかなるだろう。今までみんななんとかしているみたいだし。


○月○日


 朝八時に研究室に来たものの扉が開いていなかった。カギを使ったけど開かない。おかしいと思ったらただ単に扉が固いだけだった。時間をわずかばかり無駄にする。


 研究室に到着後、部屋の掃除をする。週明けのくせにめちゃくちゃ汚い。美意識を疑う。アルテアさんと共にきれいに隅々まで掃除してやった。その後、フィルラドにガイダンスの内容と先行履修について話す。キイラム先輩やノエルノ先輩からの話を総合すると、魔法強度工学特論がオイシイらしい。半分休講で雑談も豊富だそうだ。触媒反応特論と複合魔法材料特論もとっておけって言ってた。


 ギルさんがついたのでこれからの研究指針について相談する。複数は難しいので二人で単数について進めていくことになった。とりあえず、高次モードの固有振動数と締付力の関係を探っていこうと思う。明確な行動目標が出来てちょっとホッとする。時間に余裕があるようにスケジュールはたてたけど、何が起こるか分からないので気を引き締めていきたい。


 で、さっそくキート先生に指針についてお伺いを立てた。先生も単数のつもりでいたらしい。その調子でがんばってください的なことを言っていた。


 全体的に暇な時間が多く、様子見感が否めない。自由時間で本棚にあったジ●ジョを読み終えた。ブチャ●ティがボスを裏切ると決意したいいところで続きがない。めっちゃ気になる。誰か続きを買ってください。


 頼まれていたノートをロベリアさんに渡す。落書きだらけということは伝えておいた。一年生に見られたらどうしようって言ってたけどこっちの知ったこっちゃない。あと、ヨキから学割の証明書を託された。ゼクトほか受け取っていないだろう数名の人間に渡しておくこと。


 夕方、ゴミ捨てに駆り出される。外の近くにそれはあった。閂を抜いたせいで手が鉄くさい。


 明日は健康診断。尿検査もあるのが面倒くさい。視力検査に鬱になる。身長が縮んでいないとうれしい。できれば三メートルくらい伸びていてほしい。  


 あと、先生たちは新人研修旅行の引率でいないらしい。『こなくてもいいんじゃね?』って空気が蔓延。そのせいか、今日は途中でみんなが行方不明になっていた。


 五時のチャイムが鳴った。超うれしい。でもセンスがないと思う。ばいばい。


○月○日


 今日も0900頃の到着。いいペース。この調子を保ちたい。


 最近ポポルが早く来ている。今日は0730頃には来て試験片だかを焼いていたらしい。なかなか頑張り屋さんだと思う。あと、朝起きたら洗濯機が水漏れしてた。なんか排水溝が詰まっていたらしい。


 到着後、しばし休憩してから解析モデル作りに入る。昨日キート先生に言われたことを踏まえて一から作り直した。そろそろ操作にも慣れたのか、あの程度のモデルなら二時間かかるかどうかくらいで作ることが出来る。実際、かなりの余裕をもってモデルそのものは作成できた。


 が、肝心のメッシュが切れず。全体で一気に切ることはできても接合面とそれ以外とで分けることが出来ない。選択したゾーンにターゲットがないだとかわけわからん理屈をこねくり回されて一向に進まない。


 形そのものは問題ないらしく、全体を切った後に部分的にクリアして新たにメッシュを切ることはできたが、これだと後々の解析用に変換するプログラムが作用しない。どうやら新しいメッシュは切ったメッシュに反応して切られるらしく、どのパターンで切ってもそれらが悪い方向に作用するためにこんな事態に陥っているようだ。本当にア●シスはクソだと思う。


 キート先生の力を何度か借りてようやくそこまで判明したものの、根本的な解決には至らない。つまるところ0.02mmの挿入要素が曲者らしいというのはわかるのだが、シエナ先輩もノエルノ先輩も挿入要素はそうやっているわけで、できない理由にはならない。


 やり方を根本的に見直すために順解析手法を見てもらうことに。が、メモ通りにやっているのになんかいろいろまずかったらしい。いろんな意味で肝が冷える。


 午後のかなりの長い時間、互いの現状のクソさに対する笑いが漏れ続ける。一周まわってなんかめっちゃ楽しかった。苦笑いってレベルじゃない。


 ア●シスがきちんとメッシュを切ってくれればこんな問題はなかったのに、本当にクソすぎる。プログラムもクソだ。ほんのちょっとは使えるやつだと思ったけど、やっぱりクソはクソだ。


 午後にサークルの発表を見に行った。人のことは言えないが、段取りも悪いし練習不足も目立つ。年々技術力の低下がひどい。継承がイマイチできていないのだろう。再来年くらいにはなくなってんじゃないかと不安になる。


 私の所属した組織はだいたいそうだ。児童クラブも、高校の部活も、ゲームのチームも、私が所属したしばらく後に廃れていく。最後の一人になるのに慣れてしまった。


 結局ア●シスに関しては整理されていない電子の海からゴミとトレジャーをうまく整理してサルベージすることに。あと、ナターシャさんに連絡とって使用したモデルのファイルを教えてもらえるといいなってかんじになった。でも、正直口頭で伝わるはずないし、あの荒れようを見ると作った本人もわからないかもしれない。最悪、王都グラージャから無慈悲なる呼び出しも辞さないってキート先生が笑ってた。


 ノエルノ先輩もキート先生も現状があまりにクソで頭のねじが吹っ飛んだかのように笑っていたのが印象的。自虐もここまで来ると笑えない。笑ってるけど。笑わないてやってられないともいう。


 とりあえず挿入要素の厚さを増やしてまた明日一から作ることに。ぶっちゃけそこ厚くしてもあんま効果はないように思えるけど、やらないよりかはマシだ。


 あとさ、ノエルノ先輩のやりかたもシエナ先輩のやり方もキート先生のやり方もみんな違うんだけどどうすればいいんだろうか? 言ってることもやってることもみんな違うくせに、結果だけは一緒だからなおさらタチが悪い。私は一体何を信じればいいんだ。


 あまりにもあれなので、今度三人で一緒に順解析をしようってことにした。早いところ一回でも結果を出さないと後々面倒なことになる。苦労もいつものことだと思えばなんとかなるはずだ。


 今日はさっさと帰りたい。通り雨が降っているとかいないとか。マジ勘弁してほしい。明日になったらボルトもア●シスも爆発して消え去ってたらいいのになぁ。


○月○日


 今日もぼちぼちの時間につく。相変わらず人が少なくて少々味気ない。


 到着後、昨日ノエルノ先輩に言われたメッシュのところを直しておいた。いちいちボリュームを作成するよりかはコピーからの移動を活用した方がはるかに簡単にカタがつく。ボリューム作成に関してはほぼ習熟したといってもいいだろう。


 また、卒業研究の履修登録をしておいた。ぽちっとそのまま登録ボタンを押すだけで非常に楽。忘れる人間もたまにいるらしい。押した後はそのまま流れで先行履修届を出しに行くことに。こちらも特に滞りなく受理された。


 午前中はそんな感じですごし、午後にギルさんが到着してから振動実験を開始する。粗さを中くらいのものにしたせいかなかなかボルトを締めることが出来ず、大きく苦戦した。この研究室で一番筋肉質なマッスルボディのギルさんが苦戦するレベルといったらその意味が分かるだろう。


 5kNまでできたもののそれ以降がどうしてもできない。力そのものはおそらくあるのだろうけど、万力がポンコツすぎて話にならない。こちらの荷重に耐えられず、ボルトを締める前に万力の方が滑っちゃう。本当にクソみたいな万力だ。ついでに机もガタガタだし。


 しかも、最後のほうはこの研究室で一番の力持ちであるギルさんと、インドアとはいえ一応は成人を迎えている私の二人掛かりで挑んでなお力が足りずに締まらないっていうね。もうどうしようもねーよコレ。


 ギルさんに続きをやってもらったものの、緩めるときにクソ万力のせいでひずみゲージがいかれる。正確にいえば、固くてうんともすんとも言わなくなったボルトを二人で力を合わせて『うぉぉぉ!』、『おらぁぁぁ!』って気合の雄たけびをあげながら緩めようとしたら、ボルトが緩む前に万力のほうがそれに耐え切れずに試験片ごと吹っ飛んでいったのね。


 万力のくせにその意味をなさないとかありえない。私はあれ以上にクソな万力を見たことがない。いや、あれは万力じゃなくてただのガラクタだ。


 おかげでひずみゲージがおもっくそ千切れる。ギルさんの仕事が一つ増えてしまった。早いうちに直さないと実験の続きが出来なくなってしまう。非常に申し訳ない。その分こっちはア●シスの方をがんばらねば。


 その後、シキラ先生の下へみんなと一緒に就活面談に。『顔が良い順に並べよな!』とのことだった。最初に並んだギルさんは『真っ先に並ぶとかお前ナルシストじゃね?』ってからかわれていた。面談の主な目的は学校推薦についてらしく、その進捗状況を特に念入りに話し合ったっぽい。M0は二秒で終わった。


 早く終わったので献血しに。受付のおっさんたちが明らかに手際が悪く、一抹の不安を感じる。採血までに三十分近くかかるとは思わなかった。


 おまけに最近献血前のお菓子やジュースのサービスが悪い。パックのアク●リ一つと紙パックの桃ジュースしかくれなかった。初めてやったときはチョコレートやクッキーをいっぱいくれたし、ジュースももう一本くれたのに。


 検査採血の人もちょっとヘマこきやがった。献血後にガーゼを見たらまっかっか。びっくりするくらいにまっかっか。明らかにカタギじゃない感じで血塗れている。


 でも本番の採決はスムーズだった。痛みも少なめ。ペースも早い。


 献血後もクッキーを三つ、エン●ルパイを一つ、ジュースを二本にドーナツをもらう。あと回数達成記念でそこそこ使えそうな赤いタオルをもらった。何かあったときのために研究室に備えておこうと思う。ドーナツとクッキーは女子二人に渡す。これで借りは返した。


 キイラムさんも献血のサービス低下を嘆いていた。やっぱりみんな考えることは同じらしい。お菓子をくれなきゃ献血になんていかないのに、目的を潰すとか献血協会は何を考えているのだろうか。


 フィルラドが縦弾性係数と横弾性係数の算出の仕方の問題を解決したと喜んでいた。ネットの力ってすげー!


 あと例の新歓会の食事の予算が25900円だとかになったらしい。28000円から結構な減額。お金はだいぶあまりそう。


 定時を過ぎた。いやな意味で空が黒くなりつつある。雨のにおいも強くなってきた。予報によるとこの後大荒れでゴロゴロさまもおでましになるらしい。ちゃんとおへそを隠しておかないと。


○月○日


 昨日は酒で軽い酩酊状態だったため、翌朝にこれを書いている。日付だけはちゃんとしているけど。


 研究室の到着はいつも通り。ぼちぼちペースも作れてきた。相変わらずシャンテちゃんはタイムカードだけ切ってどこかへ行ってしまう。そろそろ心を開いてほしい。私のデリケートなハートがブレイク寸前。


 午前は昨日の書き換えファイル問題について検討する。とりあえず要素数が少なかったので手作業で書き換えたところ無事に動くことを確認。根本的な発想自体は間違っていなので、要素数が増えたときの対応を考えることに。


 で、我らがキート先生に空白の件を伝える。いろいろ試してもらった結果、元データをエクセルで開き、データ処理をしたうえでA列を調整して空白の補正、その後prnファイル形式で保存することで解決することが分かった。


 ただし、このA列調整が非常に厄介。キート先生の時は偶然いっぱつで片付いたものの、こちらがやったときはなぜか調整後にア●シスが読み込まなかった。どうやらピクセル単位の微妙な加減で空白具合が変わるらしく、そのせいでア●シスへの読み込みにエラーが出るようだった。試行錯誤の結果、11ピクセルにするとちょうどいいということが判明する。


 これらの努力により板材なしパターンの順解析はほぼマスターしたといっても過言ではない。少なくとも、あの試験片を使う限り(粗さなどの表面形状パラメータが変わらない限り)はそのまま進めていくことが出来る。ここまで来るのは本当に長かった。


 午前中をそんな感じですごし、午後はいよいよ買い出しに。1400ごろにノエルノさんを含めて八人くらいで──に繰り出す。


 お酒やお菓子を適当に籠にぶちこみまくった。個人的なリクエスト(許されるべきだろう)で柿ピーやポテチをチョイス。ギルさんはカルパスやチーズを選択。やっぱりわかっている。あれがなければ飲み会は始まらない。ロベリアさんの意見で甘い系のチョコレートクッキーも選ぶ。


 ロベリアさんはカルパスのこと知らなかったらしい。『なんでドッグフードを買うの?』とか言ってた。カルパスを知らない人って人生の半分くらい損していると思う。あれめっちゃおいしいのに。今度機会があったら本物のカルパスを持ってこようと思う。あれが嫌いな奴なんていないし、あれが好きな奴に悪い奴はいない。カルパスマジうめえ。


 お酒なんかはフィルラドたちの方に任せた。ジュースやお酒がいっぱいでちょうハッピー。人の金で買い物するのってマジ楽しい。しあわせ。


 ただ、買い出しの人数は聊か多すぎるきらいがあった。──が狭いのもあるけど、結構邪魔になっていたと思う。今度から荷物持ちの人は外で待機でもいいかもしれない。あと、レジでの会計がすさまじいことになっていた。小銭ちゃりちゃりでトーシロの私でもクラッとするレベル。おばさんおつかれさまです。


 1530頃に会場設営に。机をくっつけ、買ってきたものを適当に並べる。先生の席を操作しようとフィルラド、ポポルが謀略を巡らせた。料理の受け取りも比較的スムーズ。かなり大きなプラ皿(赤ん坊を抱きかかえるのと大差なかった)で焼きそば、チャーハン、サラダ、揚げ物(フライドポテト、から揚げ、イカ)をそれぞれ二皿ずつもらう。


 設置は向こうに任せ、私とポポルは裏で支払いを済ませた。なんか、後日に銀行振り込みでもよかったらしい。今すぐ現ナマで支払うって言ったら担当のおねーちゃんがちょっと驚いてた。ついでに氷と食器類なんかももらっておいた。


 設置の間に後から来た航空班がフィルラドとポポルが目を付けていた席をとってしまったらしい。だからさりげなく飲み物の位置を反転しておいたってフィルラドが言ってた。あいつもなかなかワルだと思う。


 会場設置は滞りなく終わったものの、子供がうろちょろしていたのが気にかかる。通路に至るドアのカギを締め、カフェの入り口を銀行のところによくあるアレ(ピーってひっぱるやつ)で封鎖。封鎖したら私が入ることが出来なくなった。不覚。


 キート先生に『リンボーダンスで入ればよくね?』って言われたので挑戦するも失敗。普通にくぐった。子供も普通に侵入してた。封鎖した意味を自問する。


 ステラ先生が到着したところで宴会を始める。準備をがんばった分感慨も深い。から揚げはおいしかったけど味が結構濃かった。しょうがないのかもしれないがポテトはちょっとしなびている。チャーハンはあったかいうちに食べておいた。お酒もぼちぼち。あとチーズがうめえ。


 みんなで適当な話題で盛り上がる。ゼクトが到着していないのでそれとなく写真を撮った。


 しばらく飲み食いしているとステラ先生がこっちのテーブルにやってきた。で、研究室旅行の面白い話をしてくれた。なんでも、数年前の旅行で乗ってたバスの運ちゃんがトラックに当て逃げしたらしい。トラックの運ちゃん激おこで大変だったそうだ。『巻き添えで殺されるかと思った!』って先生は言ってた。しかもその翌年も追突だかで途中下車の旅をするはめになったそうだ。今年は大丈夫なのだろうか?


 調子よく飲んでたらクーラスが気分悪そうな感じに。いくらか受け持ったら今度はこっちが飲みすぎた。最後の二十分くらい寝てたような気がする。


 序盤は全く酔わず、終盤一気に酔いが回り、急激な眠気ののちにいくらかの頭痛、そしてあっという間に酔いがさめるといういつものコンボを食らう。


 ちょっとフラフラでいろんな人に心配された。片づけにあまり参加できなかったけど、準備めっちゃがんばったから別にいいよね。あと、チャーハンがまるまる大皿一枚分余ってた。チャーハンだけは量をどうにかしたほうがいいだろう。細かい感想は私の新歓会帳簿の感想欄を見ること。


 なお、余ったチャーハンなどはシキラ先生率いる魔法材料研究室に行くことに。あそこは毎回この手のものを引き受けてくれるし、基本ノリが体育会系だから割と餓えている。歴戦の強者たちだ。


 宴会終了後、忘れないうちに研究室で帳簿をつける。お金が8500円ほど余った。なかなかいい感じにできたと思う。できればこれでテレビを買いたい。


 書きたいことはいろいろあるけど長くなってきたからこの辺でやめておこう。どうせただの記録だし、私が覚えていれば、あるいは思い出すきっかけになればそれで十分だ。余ったお菓子を後で食べておこう。ジュースもぐびぐび飲んでやる。


○月○日


 クソな一日の開幕。


 研究室への到着は0900頃。再ゼミの資料つくりのために朝から気合を入れる。


 しかし、ここで大きな問題が発生。いつものパソコンが起動しない。正確に言うと、ウィ●ドウズが始まらない。さすがに泣きそうになる。


 何度か電源を入れ直し、さらにはセーフモードでの起動を試みるも結果はわからず。うんともすんとも言わずにずっと起動中のまんま。


 さらに悲しいことに、ここ三か月のデータのすべてがあのパソコンの中にある。そう簡単にバックアップをとれるほど小さなデータ容量ってわけでもない。学会の奴も全部あの中。


 私が一体なにをしたってんだ。クソすぎるにもほどがある。クソみたいじゃなくでマジでクソだ。ガラクタポンコツってレベルじゃねーぞ。


 試験片がないから実験はできない。パソコンがお陀仏したから解析もできない。そして再ゼミがあって先行きは不透明。うちの班、マジで呪われているんじゃあないだろうか。


 キート先生は午後からだったので、なんか一周まわって楽しくなりジ●ジョ第三部を読んだ。DI○との最終決戦はやっぱり燃える。花●院の最後のメッセージが心にグッときた。あと、よく考えたら承●郎とDI○って個人の間にはそんなに因縁なくね? 普通に初対面だし、波紋戦士と吸血鬼の間柄でもないし。むしろ花●院やポル●レフの方がよっぽと因縁はあると思う。


 キート先生が到着してからパソコン問題に取り掛かる。とりあえずキイラムさんからエアダスターを借りておそうじ。本体のふたを外すのに数人がかり。本体を作業場に運び出すときには研究室にいた男の子の大半がついてくる。やっぱりみんなこういう機械いじりが好きらしい。


 掃除をしたらおぞましいレベルの埃が出てきた。が、それでも効果はなし。物理的じゃなくシステム的な問題があるらしい。


 結局なんだかんだでキート先生が一時的にOSを変えて、データだけ救出してくれた。この日記を含めた主要なデータが生きていたことにうれしさが半端ない。


 しかし、パソコンそのものは根本的な解決に至らず。しょうがないので初期化してワード専用として扱うことにするも、ビ●タのはずなのにレイアウトがウ●ンドウズ98みたいになっている。もうやだこれ。


 最終的に、クーラスに手伝ってもらってネットに繋げるところまで設定を終わらせることができた。パソコンできるやつって精神的なイケメンだと思う。


 家に帰って今日の分の作業を挽回しようとパソコンをつけたら、キーボードが反応しない。うちのパソコンも壊れている。ログインパスワードこそ入ったものの、バックスペースやエンター、シフトなど主要なキーを含めた半分近くの反応がない。


 今日は厄日だ。クソってレベルじゃない。マジで呪われている。呪い返しでも試みるべきだろうか。その手の本が図書室にあったから借りておいた方がいいかもしれない。新品の針九本と搾りたての牛乳の準備を進めなくては。


 まさか翌日に更なる厄災(研究室的な意味で)があるとは、この時誰が想像できただろうか。


○月○日


 サーボパルサーがぶっ壊れたってよォ────ッ! (ジ●ジョ風)


 研究室への到着は0900過ぎ。なんかやたらとラフォイドルの到着が早く、珍しいこともあるもんだと思ったら、早々に『サーボパルサーが壊れちゃった☆』とか言い出した。『使った人次第で俺が壊したわけじゃない。最後に使った人が壊したことになるんだ』とも言ってたらしい。


 ともあれ、なかなかに大変な事態。サーボパルサーがマジでイカれたのだとしたら、触媒反応研の半数が実験できないことになる。


 だいぶ前から油が漏れていて、『締結部のボルトを取ったらそこから油が漏れてきた。とりあえず戻して見なかったことにした』(フィルラド談)くらいにまずい状況だったらしいんだけど、ヨキが金をケチっていたためにここまで事が大きくなってしまったようだ。


 動作不良の直接の原因としては油漏れのようで、油圧がうまく働かないためにきちんと動いてくれないのだとか。


 恐ろしいことに、この状態でなおヨキは『油圧で調整していたのなら、手動に切り替えれば問題ないやろ? 壊れるまで使い続けなさいな』とか言ったらしい。


 ──の一時間の診断で三万円、油関連の修理だったら数十万もするけれど、大本がぶっ壊れたら数百万、下手したら四ケタ万円の損害になる。なぜ目先の小金を大事にして大金を失うような馬鹿な真似をさせるのか。


 とりあえず、ボルト班には関係ないので再ゼミ用の資料作りを進める。順解析をゴリゴリとすすめ、圧力分布の図や二次モードの振動形状なんかを出しておいた。


 あと、クーラスが昨日に引き続きパソコンのセットアップを行ってくれた。なんでもあいつ、以前自作パソコンを組んだ(見ていただけとも言ってたけど)ことがあるらしい。細々として面倒なアップデートを全部やってくれたので本当に助かった。


 『まだ調子悪くてクソみたいな状況だ』ってあいつは言ってたけど、今度なにかお礼をしようと思う。ベーキングパウダーでも贈ればいいだろうか。


 午後になってサーボパルサーに動きがあった。ヨキから『どこがぶっ壊れたのかちゃんと検証しろ』と言われたらしく、試しにもう一度動かしてみたら普通に動いてしまったらしい。


 『もうぶっ壊れてんだから実験しなくてよくね?』という空気が蔓延していたHSP班の連中がこぞって残念そうな顔をする。しかも、ヘタに動いてしまったってことは、このまま修理もメンテもせずに使わなくちゃいけないってことを意味する。ある意味最悪の状況。


 大丈夫なら大丈夫、ぶっ壊れるなら完璧にぶっ壊れてくれないといろいろ面倒だ。いつぶっ壊れてもおかしくない状況で使い続けなきゃいけないとか、理系としてどうなんだろうか。


 なんだかんだで午後はゼミ資料を作って終わった。明日キイラムさんに見せ、キート先生に最終確認を取ろうと思う。まぁ、ダメと言われてもあれ以上載せられることなんてないんだけど。さっさと試験片が来てほしいものだ。


 夕方ごろ、スクリーンセーバーとして写真のスライドショーを設定したらなぜか盛り上がりちょっとした上映会(?)が始まった。三枚に一枚の割合でポポルが登場するのが限りなく怖い。


 今週はツいてないのか、いろんなものが壊れたりトラブルにあったりしている。月曜日は電気ケトルのランプ、火曜日はパソコン、水曜日はサーボパルサー。明日木曜日は何が壊れるのか、幾許かの期待と不安が隠せない。


 もしかしたら触媒反応研は本当に呪われているのかもしれない。月曜日の謎の水たまりも結局原因不明だし、こうも立て続けにトラブルに見舞われることってあり得るのだろうか? ボルト班はもともとトラブルばかりだったけど……まさか、ボルト班の呪いが拡大して広まったのだろうか?


 なお、ラフォイドルはここのところ毎日忘れずに仕事をしている。そして、ここのところずっと雨が降り続いている。


 どうせ明日も雨だろう。洗濯物的に考えて、そろそろサボらせたほうがいいかもしれない。


○月○日


 もぅマヂ無理。暑さで死にそう。ちょぉがんばってるのに、ァンシスはゥチのことゎもぅどぉでもぃぃんだって。


 どぉせゥチゎ遊ばれてたってコト、ぃま手首灼ぃた。


 身が焦げ、燻ってぃる。一死以て大悪を誅す。


 それこそがボルト班の意気と知れ。


 エラーメッセージ『ソースエリアとターゲットエリアを自動的に決定できなかったため、ボリュームをスウィープできませんでした』




 今日はいろいろあったため、マデラさんが車で送ってくれた。片道一時間もかからずにビビる。


 ──に止めてもらったので裏門から入ろうとしたら閉まっていた。クソが。


 で、わざわざ大回りして研究室に行く。到着後、なぜかいきなりぽんぽんイタイタになったのでトイレへ。幸いなことに今日は開いていた。エアコンで体を冷やしたのだろうか。


 それにしても研究室が暑い。空気が籠っている。気分がどんどん下がっていく。そして追い打ちをかけるかのように誰もいない。『とおりゃんせ』を口笛で吹いてやった。


 到着後は前回の続きを進める。静解析モデルとモーダル解析モデルで接合面の要素番号が違っているために圧力の指定がおかしいらしい、ということが休日の間に判明したので、それについて取り組んでみる。


 要素番号が違うだけで節点番号は同じかな……なんて淡い期待をもつものの割とガッツリ違う。ならば座標はあってんべ、と思いサンプルをピックアップしていくらか参照してみたら、いい感じの数値をたたき出していることを発見した。


 思わずテンションが上がる。が。要素を構成する後半四つの節点が節点リストに存在していないことが分かってしまった。


 ありえなくない? なんで要素リストの要素構成節点に番号があるのに、全節点リストから抜け落ちてるの? 人をバカにするのもいいかげんにしろよ。


 しかもさ、meanpressファイルの要素番号も規則的だと思っていたら微妙に規則的じゃなかった。すっげぇ巧妙に不規則になってた。正確に言えば、似たような規則性を持つ別のグループを混ぜて作った、不規則に規則的な連なりになっていた。


 おそらく、なぜか座面-部材間にまで材料定数が振られたポイントがあったのはこいつのせいでピックアップポイントがずれたためだと思うけど、そもそもの節点が存在しないって吐き出されたんじゃ、材料番号順に要素番号を無視(同一のもの)として割り振って計算するってことができなくなる。


 確実なところだけいくつか件の係数を計算してみたけど、2.8~3.3と微妙に幅が広い。どうしろというのだ。


 そして1430現在、いまだに人っ子一人来ない。キート先生が来るって話はどうなってるんだ? もしかして聞き間違えたのか? 


 夕立が近づいているのか、研究室が薄暗くて微妙に不気味。サーボパルサーの駆動音だけが静かに響き渡っている。


 やることないしさっさと帰りたい。でも、今帰ると巻き込まれそう。ブラ●クラグーンでも読むべか。いや、序文だけでもやっちまおうか。


 なんで、一人でこんなことやってんだろうなぁ……。今頃みんな夏休みをエンジョイしているんだろうなぁ……。


 苛立ちと不安、そしてこの環境からか悪い意味で感情的になっているくさい。気を引き締めねば。


○月○日


 うっすらと肌寒い……かも? と感じる程度には涼しい。こういうのを待っていたんだよ。まだ八月でこの気象はちょっと気にかかるけど。


 研究棟に入った瞬間、クラシカルな音色が耳をついた。なんともおどろくべきことに、あのむさくるしい研究棟がオルゴールの音色に包まれている。懐かしい気分になるような、森の中の洋館で流れていそうな、人によっては不気味ともとれる古い旋律だ。結構好みの曲調で思わずテンションが上がる。


 どうやら放送設備の点検をしていたらしい。しばらくしてその旨を伝えるアナウンスが入った。あの曲を選ぶとは、なかなかセンスも趣味もいいようだ。侮れない人間が意外と近くにいることに喜びを隠せない。


 到着後は逆解析を進める。例の微妙に数値が違う問題はやはり最初にエリアを一括で指定して圧力を与えていたのが問題だったようで、順解析を進めていくとそれなりに文献値と一致した値がはじき出されてきた。


 さて、ここまで来たらもう後は時間との勝負。ってなわけで、ひたすら無心にパソコンをカタカタしてく。ア●シスの方は最初のプレソルは表面形状に関係ないから、そこさえやってしまえば後で応用が利く。手順を端折れるってステキ。


 このときの私は、これが悲劇の幕開けだとは想像すらしなかった。


 で、途中でちょこちょこミスりながらも値をはじいていく。いいかんじにσとCの正解値がくびれのところに来ていて気分がいい。あと、どのみち正解値を逆解析で用いる可能性が非常に強いから、最悪正解値だけ処理してマテリアルにぶち込めば、そのときのプレソルに対応して逆解析ができる。非常用に覚えておくこと。


 関係ないけど、意外(?)なことにキート先生はきゅうりが好きらしい。きゅうり料理のレパートリーがいっぱいあるそうな。ただ、奥さんがきゅうりとか苦手だからしばらく食べられそうにないってぼやいていた。


 結婚した直後に味覚の違いが判明するってどうなんだろ? ここのところずっと愛妻弁当だけど、『正直、料理は俺のほうがうまいと思う』ってキート先生も言ってたし。


 キイラムさんはトマトがだめらしい。青臭いのとうじゅるとしている所がダメだそうだ。マデラさんやリティアさんと同じことを言っている。トマト嫌いな人ってみんなあれがだめなのだろうか。『そこがいいんじゃないか』とはキート先生の談。


 あと、誰かはウリ科の食べ物がだめだけど、メロンは平気らしい。なかなかブルジョワな偏食だと思う。


 なお、ノエルノさんの偏食は筋金入りで食べられないものが多すぎるそうだ。生の魚もダメだからお寿司屋さんにもいかないとか。ちょっともったいない。


 おやつの時間頃、珍しくステラ先生が学部生室にやってきた。なんかN●Kから魔法力学的にカニの鋏の肉をうまく取り出す方法をメールにて聞かれたとか。化学的に分解すれば一番きれいだけど手間がかかりすぎるし、最初っからき裂を入れておくのも質問の意図に反する。


 わざわざ新しい方法を考えなくても普通に鋏で割るなりほじくるなりすればいいと思った。むしろ、人間の方がカニの鋏ごと食べられるようになれば問題なくね?


 詳しい時間は思い出せないけど、その前後に非常ベルが鳴り響いた。さすがにビビる。思わず警戒しちゃうよね。


 夕方ごろ、なんだかんだですべての順解析値と逆解析値を出し終え、微妙に時間が余ったので、さぁいざボルトのトルクを変えてみよう……と作業を進めたところで問題が発生。


 なんか、片方ボルト変動させたときの5-5の順解析結果と、さっきの順解析結果の値が違っている。


 言われてみれば、あのときみたコンター表示はちょっと違和感を覚えるような感じだった。等しいトルクを与えているはずなのに、なぜか内側のボルトの方が強く締まっているって結果だったんだよね。あのときはそういうもんなのか、で済ませちゃったけど。


 で、だ。このプレソルが間違っているってことは、今日の作業全部ミスってるってことになる。さすがにブチ切れそうになった。心の中では『クソがクソがクソがクソがクソがァァァァッ!』って叫びまくってた。


 もうそのあとは全力で今日の作業をやり直すことに。とりあえず、粗いパターンは全部終わらせ、中の順解析までは終わらせられた。幸いなことにさっき以上に……というか、ほぼ文献値と一致した結果が返ってきた。これで違ってたら泣いていたところだ。


 そうそう、途中のf-Ez曲線を作るところ、あれ0.5,2,4,6,8,10倍だけでも十分きれいな値が取れるから今後はそうするように。


 最初は一つの順解析・逆解析を終わらせるのに二時間かかってたけど、慣れてきたからか最後は一時間半くらいだった。このままスピードを極めていきたい。


 結局帰ったのは1930過ぎ。最後まで残って頑張った。家帰っても暗いし、夕飯が冷凍チャーハンで超悲しい。起きるのもつらいし、徹夜しようとその場で決めた。


 意外なほど長くなった。やはりテンションがおかしいのかもしれない。そして、いまだに何が原因で圧力分布がおかしかったのかが分からない。これ、解明しとかないと後が怖くね?


○月○日


 先日の要請に基づき、家からDVDプレイヤーを持っていくことに。タダで研究室に寄付するんだけど、そのあと誰かが『借りて』いく分にはこっちは一切関与しない。なぜかフィルラドが高級オレン●ーナとレモ●ジーナとグラスのセットとポテトチップをくれたけど、運が良かった。もちろんポテチはデリシャスだった。


 本日は曇天。今にも雨が降りそうで、実際地面もかなり湿っている。夕方ごろにも降り出すのは疑いようがなく、DVDプレイヤーを持って満員電車に翻弄されるのはなかなか骨だった。


 が、ここで珍しくいいことが。──線にて座っていたら、隣に座ってきた女子高生がすぐにうとうとと舟を漕ぎ、こちらにもたれかかってきた。それも左腕が動かせないレベルでガチで体重がかかっている。


 いやもう、一瞬で目が覚めたね。なんか呼吸音みたいなのが聞こえるなーと思って起きて隣を見たら、すぐ目の前に頭があるんだもん。


 部活の道具っぽいのを持っていたし、疲れていたのだろうか。多少こっちが動いてなお目覚めず、むしろ体重をかけてきたくらいだし、周りのことなどまるで見えていなかったのだろう。


 しばし至福の時間を過ごすも、古都ジシャンマが近づいてきたあたりで問題が。間違いなく、こっちが席を立ったらあの子は顔面を椅子に打ち付けることになる。さりとて、あげに安らかにスヤスヤしているのを見ると起こすのも忍びない。


 そして、左腕が動かせないため、肩を叩こうにも叩けない。リュックとプレイヤーを抱えて座っていたから、右腕じゃ届かない。


 結局、気合で肩を叩いて声をかけた。なんとか起きてくれたものの、頭が醒めきっていないのかとろんとした表情でこっちを見てくる。たぶん、状況わかっていなかったと思う。とりあえず扉が閉まる前に電車から降りておいた。


 院生ゼミがあったため、研究室に到着したのはちょっと早め。ラフォイドルは加工が入っていたため、教室のプロジェクターの準備を一手に引き受けることに。


 今日のゼミはキイラムさん。いつもとちょっとちがう前置きをヨキがしてから始まる。英語発表だったため、配られた資料はまるで読むことが出来なかった。タダでさえ別分野だししょうがないよね。


 内容も正直よくわからなかった。ので、その辺の記述をごっそり省くことにする。特筆するべきことと言えば、1100くらいには終わったってことくらい。


 研究室に戻ったら、クーラスとジオルドがなにやら大きな声で激しく口論していた。互いにスマホを見せ合いながら、『俺の甥っ子超かわいいから!』、『いや、ウチの姪っ子の方がかわいいから!』と言い合っている。幸せそうで何よりだ。


 で、話を聞いていたら、甥姪にいくらお年玉を渡すかで悩んでいるらしい。たしかジオルドのほうはいとこの子(だっけ?)だったような気がするけど、これがもうとにかくかわいくてたまらないんだそうだ。『いくらまであげていいのかすっげぇ悩むの!』って言ってた気がする。


 二人ともかなりデレデレしながら自慢し合っていたんだけど(あれは紛うことなき叔父馬鹿である)、クーラスがとうとう『あの子は生まれてくる世界を間違えた。あの子は天上界の天使なんだよ。超かわいいんだよ』、『将来さ、「クーラスおじさんけっこんしてー♪」とか言ってくれないかな!?』と言い出したときは末期だと思った。しかも、『でも、すぐに反抗期とか来ちゃったりするんだよな……』と直後に落ち込みだす始末。


 ジオルドは『その点うちは男の子だからいつまでも友達感覚で付き合えるもんね!』と自慢げであった。研究室のイケメンどもがこの有様とは、もうなんてコメントすればいいのだろうか。


 午後は例のサーボパルサーの結果をまとめにかかる。つまるところ何が良くて何が悪いのかよくわからない。もうどうしようもないのであとでキート先生にまとめて聞こうってことにした。


 おやつの時間頃、スター●ォーズのチ●コエッグを買いに行くことに。あれから何個か買ったものの、結局ヨ●ダとシークレットだけ出てきていないらしい。


 だから、ポポルが『数の暴力で仕留めようぜ!』とみんなを巻き込んだわけだ。まさかあの人数でチ●コエッグを買うためだけに──に行くとはだれが思っただろうか。


 で、山積みされたチョコエッグを贅沢に箱買いで十個ほど購入する。たしか、ラフォイドルとゼクトが二個ずつ、ジオルド、私、ポポル、クーラス、ギルさん、フィルラドで一個ずつだったと思う。


 みんなでチョコをむさぼり、ワクワクしながらカプセルを開ける。その結果、十個中三個が白いモブ、三個が変な人(ハン●ソロ)、二個がチュー●ッカ、一個がダー●モール、一個が変なやつだった。


 もちろん、全部カブっている。ヨ●ダも取れなかった。無駄にお金を使ったようなもん。箱買いのはずなのにここまでカブるとかどうなってんだろうか。


 だいたいこんなもんだろう。そうそう、帰り際、アルテアさんから高級チョコレートをもらった。あれマジ美味しいから好き。口に入れた瞬間のほろ苦さとチョコの蠱惑的な甘み、そして溺れるようにとろりと溶けていく食感が最高にデリシャス。ちょくちょくくれるけど、今度まとめてお返しでもするべきだろうか? アルテアさんホント優しいよね。


○月○日


 寒いのにも幾分慣れてきた。とはいえ、これからまだまだ寒くなると思うと震えを隠せない。


 院生ゼミがあったため、着いたのはちょっと早め。例によって例のごとく、時間がちょっと余っていたのでマイフェイバリットチェアーでしばし微睡む。


 この時もなにやら恐ろしいものに追いかけられる夢を見たが、詳しいところは覚えていない。たしか、動きが早くて常時モンスタートレインをするゾンビ的な宇宙人(スプラッタなキャトルミューティレーション……という拷問みたいな実験をしてくるやつ)が相手だったはずだ。【脳幹ぴちゃぴちゃ】という言葉だけが妙に心の中に残っている。


 さて、なんだかんだで目覚め、教室の準備をしてからノエルノさんのゼミ。今日はゼクトらが参加するため、パソコンとかは全部あいつがやってくれた。超ラッキー。


 肝心の内容だけど、磁粉探傷試験の何とかってやつ。動画像計測と漏洩磁束密度が云々って言ってたけど正直よくわからんかった。先生もあんまりいい論文じゃないって言ってたし、しょうがないだろう。


 ざっくりだけど、要は探傷しているところだと磁界が変化して磁粉がめっちゃくっつくから、それを目安にき裂を評価しましょうって研究のことらしい。専門外のことって何言われてるのかあんまよくわからん。


 ゼミの後はギルさんがやってくれたサーボパルサーの件について検討する。ちょうどキート先生が学部生室に来てくれたので、相談することに。


 さしあたっての問題は実験値が理論値のおよそ百倍以上もの値を示していることだろう。さすがにあり得ないと思っていたら、単純な断面積の計算が間違っていた。ちょううっかり。


 で、断面積を正しい値にしたうえで再度計算を行ったところ、ちょうど各実験値の真ん中くらいを通る直線になった。傾向としてはなかなかいい感じ。


 とはいえ、引張・圧縮でだいぶブレ幅がある。試験片ごとにはそこまでではなかったものの、中には結果に二割以上もの影響を与えるやつさえあった。


 とりあえず、各試験片の引張・圧縮の区別なく一つのデータとし、それの近似直線を校正直線として用いることにした。前述のとおり、これだといくらかの誤差が出かねないが、それは実際の実験の際にひずみも同時にとることで、校正直線から締付力を補正することとした。


 その後はマニュアルや例の卒論の資料を作っていく。途中、ジオルドがおいしいミカンをくれた。皮をリンゴのように向いてみるも途中でちぎれる。ちょう悲しい。


 が、味は最高にデリシャスだった。ミカンらしいフレッシュな甘みの中に程よい酸味が効いていて思わず顔がほころぶ。やはり果物はただ甘いだけでなく、この絶妙な酸味があってこそだと思う。


 最近の果物はこれが分かっていない。品種改良してただ甘くするだけでは、砂糖をかじっているだけとなんら変わらないというのに。


 長くなったし無駄な話も多いが、こんなもんだろう。そうそう、クーラスは今日はガチ歯医者で早めに帰宅していた。最初が最初だっただけに、【歯医者】や病院関係がスラング化してしまい、イマイチ信用しきれないのが悲しい。


○月○日


 それなりに寒い。が、調子乗って着こんだら電車の中で地獄を見た。


 研究室に到着したのはやっぱりいつもと同じくらい。なぜだか異様に人が少なく、研究室にはフィルラドとラフォイドルしかいなかった。


 で、到着早々、『昨日最後まで残ったの誰だ? 扉開けっ放しだったんだけど』とフィルラドに言われる。ところが、最後はクーラスがきちんと戸締りをしたという証言が。


 どうやら、かなり早くに先生が来て開けていったらしい。いつもと違うことされると本当にビビる。


 そうそう、なぜかは知らないけどフィルラドがう●い棒の焼き鳥味をくれた。一口目は本当に焼き鳥っぽい味でそれなりにデリシャス。が、二口目からは普通のう●い棒。おいしくはあるものの、焼き鳥を期待しているとちょっとがっかりするかもしれない仕上がり。


 とはいえ、最初の一口のインパクトはすごかった。う●い棒っていろんな味があるみたいだけど、一体何種類あるのだろうか?


 二限の時間までいくらか時間があったため、昨日もらった卒業後のアンケートを書き上げることに。すでにラフォイドルは書き終えていたため、適当にチラ見してパパッと仕上げる。どうせ二年後も同じことをするのに無駄だと思わなくもない。


 二限はシキラ先生の魔法強度工学特論。先生は今日も元気に雑談をしてくれる。


 なんでも、シキラ先生は中学受験をしたらしい。受験科目はまさかの全科目で、国語算数理科社会、さらには図工、家庭科、体育に芸術もあったそうな。


 ところが、シキラ先生はあれで体育会系ではないらしく(『よく勘違いされるけど俺体育会系じゃねえよ! バリバリの文系だよ!』って言ってた)、特にテスト種目に選定されていた鉄棒は絶望的なのだそうだ。


 やれる技と言えば逆上がりと前回りくらいで、空中前回りとかちょっと進んだ技は一切できないこと。ちなみに、奥さんは鉄棒が超得意なんだって。


 で、そんな絶望の体育テストをどう乗り切ったのかというと、『合法的な裏口入学してやったぜ!』と笑顔で答えてくれた。先生は帰国子女だから、体育テストのない帰国子女枠で入学できたらしい。なんかちょっと意外。


 さて、そのうちシキラ先生のお子さんの話になった。最近様々なものに興味を示し、いろいろと質問攻めにしてきたりするとか。


 特に最近のお気に入りは国旗についてで、プレゼントだか貸してもらっただか、ともかく新しく手に入れた国旗の本をちょこちょこと持ってきてはいろんな質問をするのだそうだ。


 が、血は争えぬのか(自身で『誰に似たんだ?』って言ってた)、質問内容がめちゃくちゃ深い。『アメリカ国旗を縦に表示するとき正しいものは?』、『現在使用されている国旗の中で一番色を使っているのは?』、『一見同じに見えるこの国旗、違いは何?』、『日の丸が正式に認定されたのはいつ?』……などと、およそ五歳児の質問とは思えないものばかり。

 

 なお、息子の様子を語るシキラ先生は非常ににこやかで楽しそうであったことをここに記しておく。あの人、下手したらヨキと同じレベルで親バカかもしれない。


 で、なんだかんだと話しているうちに今度は属性処理研の話になった。なんかよくわからんけど属性処理研では──ごっこが慢性的にはやっているらしい。シューン先生がナントカって人の役をいつもやりたがり、半強制的にごっこあそびに巻き込んでくるそうな。


 しかも、パソコンでカタカタと作業しているのにもかかわらず、二時間ほどその真正面でニコニコしながらずっと語りかけてきたりもするらしい。ここまでくるといっそ尊敬の念すら覚える。


 あと、シューン先生は仲良くなるとスキンシップが激しくなるとかならないとか。キイラムさんはなぜか仲良くなって『キイくん』と親しげに呼ばれる仲となり、執拗に肩を揉まれるようになったんだって。


 時系列が分からないのでここにいれるけど、『属性処理研にとって便覧は聖書に等しいんだろ?』って話が上がった。もちろんみんな、属性処理研の人すら笑っていた。


 さてさて、盛り上がってきたところでシキラ先生はとっておきの話をしてくれた。なんと、以前シキラ先生に【──】の出演依頼が来たことがあるらしい。主人公が●●っていう、なかなかビッグなタイトルだ。


 なんでも、●●演じる主人公の学生は──について研究しているらしく、モロに魔材研の研究とかぶっていたため、どういったことを研究しているのか、どんな環境で研究しているのか、指導してもらえまいか、あるいは一緒に出演してくれないか、とのことだったらしい。


 もちろんシキラ先生は大喜び。●●すら食ってしまうあふれ出るカリスマでとうとう芸能界進出を果たしてしまうと喜び勇む。が、隣で電話を聞いていた総務課に『NGで』と無慈悲なる宣告をされてしまったんだって。


 『俺の芸能界進出を邪魔しやがって! 大スターの芽を摘みやがって! なんで──がよくてドラマがだめなんだよ!?』って言ってた。広報的な意味でも、別に出演したって問題なかったと思うけど。


 なんか想像以上にシキラ先生の話が長くなってしまった。そろそろ普通の話題に戻ろう。


 午後は引き続き学会とかの資料作成……なんだけど、シキラ先生の話が印象的すぎてイマイチ何をやったのか覚えていない。


 ああ、思い出した。午後は仮配生の指導に励む。ティルトゥくんとトゥルトゥくんを呼び出し、楽しいア●シス教室を開催した。なお、その間にギルさんには実験をやってもらうことに。うれしいことに何とも加振位置の検証までしてくれることになった。本当にお疲れ様です。


 さて、ア●シス教室の方だけど、解析の引継は一応ティルトゥくんだから、説明なんかは二人とも共通だけど、実際の作業はティルトゥくんに作業を担当してもらった。


 さすがにあのポンコツをいきなり使うのは難しいようで、こちらもサポートに回ったもののかなり精神的に疲れている様子が見受けられた。ティルトゥくんも『面倒すぎやしませんかねぇ……』って後ろからトゥルトゥくんのサポートに励む。


 あのクソポンコツ、なぜかいきなり英語表記になるというバグをやらかしやがった。今まで何度も使ってきたけど初めて見るバグ。なぜこういうときに限ってそうなるのか、本当にわけがわからない。


 唯一幸いだったことと言えば、無事にメッシュが切れたことだろうか。あればっかりは完全に原因不明で対処のしようもないし、どうしようもないからね。


 なんだかんだで定時までに要素・節点ファイルを吐き出すところまで進めることが出来た。サポートありとはいえ、ほぼ初めてのア●シスで半日でモデル作りができたのはなかなかいい感じ。


 一応マニュアルは丁寧に作ってあるから、メモを取ってなくてもある程度は何とかなるはずだ。もし問題にぶち当たった時、彼らがどう対応するのか今から楽しみが隠せない。


 ギルさんの実験の方は3kNまで取り終える。なんかこれ以上は塑性変形しそう……というか現段階でねじ山がいくらか潰れてしまっているらしい。とりあえず取れたデータだけもらい、これ以上の荷重の負荷についてはキート先生に相談するってことになった。


 夕方ごろ、みんなで研究室でたむろしていると、ぺたんぺたんという特徴的な足音が聞こえた。そこにいたみんながキート先生がやってきたと悟る。寝転がってスマホをしていたフィルラドは大慌てて姿勢を正し、パソコンに向かいあう。


 が、やってきたのはゼクト。なんとも不思議なことに、ゼクトとキート先生の足音がいい感じに似ていた。フィルラドのあまりのビビりっぷりにしばし笑う。


 なんだかここ最近で一番と感じるくらいに長くなってしまった。文章量もさることながら、記述時間も三十分以上。内容が濃いのはいいけど、もうちょっとスピーディ、かつコンパクトにまとめられるようになりたい。


 そんなことを書いたそばからジオルドが丸と三角を繋げたことがいまだにネタとしてからかわれている事を思い出した。


 ジオルドと言えば、カルブ先生のモノマネを披露していた。特徴的な低音としゃべり方が非常によく似ている。が、語尾の『~ね!』を再現していなかったのだけはいただけない。指摘したら『あれだろ、一コマ二百回以上はやってだろ』と返される。そこまでわかっていてなぜやらないのか。


 なお、ジオルドはカルブモノマネのまま『──』をやっていた。『なんでそんなに声が低いの?』という相手の質問に対し、『カルブだからだよ』とさらっとクールに返す。あいつもなかなかファンキーだと思う。


 本当にどうでもいいことだった。ここらで筆を置く。最近ラフォイドルが学会準備者特有の陰鬱な雰囲気を放ち始めたのでちょっと注意してみておくように。


○月○日


 とうとうこの日が来た。どんな結末であれ、これでとりあえずの安息を得られる……学会発表組以外は、だけど。


 研究室へ到着したのはいつもよりちょっとだけ早め。混雑しないうちに資料を印刷しよう……と思ったら紙が切れている。朝からプリンターに馬鹿にされた気分。どうやらこの研究室の機材の全てが私に対して敵意を持っているらしい。


 さて、とりあえずは発表資料もできているため、ギルさんが来るまでいくらか暇になった。せっかくなのでお泊りの時に弾いたネットピアノを弾いてみる。沈●だ歌姫のメロディがやたらとフィルラドに受けていて、『これってジ●リ? なんのやつだっけ?』と頻りに聞いてきた。


 そんなこんなとしているうちにクーラスが到着。あいつは朝餉を済ませていなかったらしく、研究室でマク●ナルドを食し始めた。相変わらずあのジャンクフード特有の香りは食欲がそそるから困る。『ちょっと寄り道するくらいだし、買ってくればいいじゃん』ってクーラスは言ってたけど、最近はあそこも値段の高騰がひどく、気軽には買えなくなってしまったのだ。


 なんだかんだとしているうちにギルさんが到着。わずかばかりのスライドの修正を加え、適当に合わせてみた。時間はまずまずで特筆するべきこともなし。まあ、この一年間ほぼ同じ内容での発表を繰り返してきたわけだし、今更ではある。ぶっちゃけ原稿資料とかあんまいらない。


 午後は中間発表。教室にて資料を配布していたらなぜか部数が足りないことに気付く。あわてて研究室までダッシュし、追加印刷を試みる……も、またも紙が足りないことが判明。さすがにブチ切れそうになった。


 ともあれ、紙をセットして再び印刷に入る。が、荒れた息を整えようと目線を下げたところ、隣のパソコンの本体の裏に隠れるように資料が置いてあった。やっぱりちゃんと印刷してあった……っていうか、なぜこんなとこにあるのか。


 少々慌ただしかったものの、普通に中間報告会は始まった。私はタイムキーパーを担当し、鐘をかーん! ってやるのに全力を注ぐ。ラフォイドルはやっぱり照明係だったけど、例によって例のごとく『やっぱりいちいち点けたり消したりしなくてもよくない?』と早々に職務を放棄。あいつは筋金入りのブラックだと思う。


 そうそう、そのラフォイドルの発表だけど、『初めて眼鏡で発表したから、図が全然見えなくて焦った!』って言ってた。言われてみれば、あいつが研究室内でも眼鏡をかけだしたのってここ数日からだったように思える。


 あと、ヨキがハニカム班の質疑応答の時、『クーラム君のところのデータともすり合わせて~』なんて言い出しやがった。


 いったい何か月一緒にいると思っているのだろうか。それも、ただの学部生じゃなくてM0である。何度も何度もすり合わせで顔を合わせているに、である。マジで人の名前を覚える気がないのだろうか。クーラムが登場したのは何か月ぶりだろう。


 ボルト班の発表は特に問題なし。マジで特に言われることはなかった。ステラ先生から二次振動のピックアップ方法を聞かれたくらい。


 報告会の後、ちょうどいいってことでその資料を卒論学会の初稿としてキート先生に提出した。ただ、やはり表面粗さが粗いものに関しての解析結果がイマイチらしく、『悪いけど表面形状パラメータの正解値と収束点を出しておいて』と言われてしまう。それも、できれば今日中に、とのこと。


 そんなわけで、お掃除の時間にささっと済ませてしまうことにした。純然たる研究活動だというのにフィルラドやポポルが『ボルト班がサボってる!』等と騒ぎだてる。しかもあいつらまともにお掃除しない。どうなってんだろうか。


 必要なデータを提出した後は本格的にお掃除に参戦。とはいえ、いつものアルテアさんとやる掃除でさえも結構ガチな掃除だから、そこまで苦労するってほどでもない。いつもと違うところと言えば、床をぞうきん掛けしたくらい。実に懐かしかったとはいえ、腰が痛くなるのは否めない。


 お掃除の後は飲み会に。場所は古都ジシャンマの●●。駅から五分ほどの距離で、少々狭い店内だったけど、雰囲気はいいしサービスもいい感じ。着席後すぐにオーダーを取りに来てくれたし、飲み物が全員に回るのもかなり早い。


 コース料理の方もなかなか。四人で一皿という素晴らしいボリュームで、こないだの所と違って偏りを出したりしない。ちゃんと全員に万遍なく配っていた。


 内容もサラダ、サーモンのカルパッチョ、餃子、ポテト、ステーキ、チャーハン、コロッケ、塩焼きそばとなかなかに贅沢&デリシャス。量と質のクオリティが今までと段違い。お酒のお変わりにもすぐに対応してくれたし、大満足。


 飲み会でなにか面白い話をしたような気がするけどイマイチ覚えていない。私の卓にはポポル、ゼクト、クーラスがいた。一年の時の懐かしい話をしたのはぼんやりと覚えている。英語のクラスにすんげえヒステリーババアがいて、いつも特定の生徒と喧嘩してたって話は聞いた。


 そうそう、今日は梅酒をロックで二杯とブラックラフォイドルとジオルドの陰謀で熱燗を一杯ほど飲んだ。ノリでフィルラド、ラフォイドル、ポポルと肩を組んで盛り上がったのも覚えている。『笑顔がちょう怖い』って言われたけど、あいつらは人の笑顔をなんだと思っているのだろうか。


 ざっとこんなもんだろう。さすがに休み明けに何もかもを思い出して書けというのは無茶が過ぎる。いずれ、雰囲気だけならこれで十分伝わるはずだ。


○月○日


 なんだか微妙に疲れと眠気が取れない。概ねいつも通りと言われるとその通りではあるんだけれど。


 研究室に到着したのはいつもよりちょっと早め。今日はキイラムさんの公聴会があるから、たしか0920ごろの到着だったと思う。どうせ人っ子一人いないと思いきや、キイラムさんはすでにスーツをビシッと決めてパソコンの前でなんかいろいろやっていた。


 さて、公聴会が始まるのは1100ごろなので、この空いた時間に昨日の逆解析の問題について検討してみることにした。とりあえずαの特定から作業をやり直してみたところ、なんか普通にいい感じの値が出ることが発覚。


 というか、まさかあの短時間で逆解析一個終わらせるとか、私ってばちょうすごいんじゃね?


 どうやら、αマテリアルファイルの作成まではきちんとやったものの、それをkaisekiファイルに書き込んだ際、保存をせずにoctaveでkaisekiを実行してしまったため、前のデータがそのまま吐き出されてしまったらしい。その証拠に、ミスったデータとほぼ合致しているデータがあった。


 なんのことはない。解析云々じゃなくて、ただのうっかりミスだ。


 しかし、ちょっとだけ問題が。5kNのところで実験値と解析値がほぼ一致したのはいいんだけど、低締付力での固有振動数の差が以前よりも大きくなってしまったため、RMSの差も大きくなってしまい、結論が食い違うことになってしまった。


 そこだけ実験値の変化の傾向が大きかったから、単純に実験がちょっとうまくいかなくて理論よりずれているってだけなんだけど、以前のデータがたまたまそれとかなり近い値になっていたから、余計にややこしいことになってるんだよね。


 とりあえず、仮配には『卒研生のデータはこうだけど、こちらは実験ちょっとミスったらしく傾向が変わりました。でも、きちんと取れていたら傾向は一致します』とでも言わせようと思う。逆解析までやったし、これくらいは向こうに任せてしまってもいいだろう。


 さて、そんなこんなをしているうちにキイラムさんの公聴会が始まる……と思ったんだけど、定刻通りに教室に行ったのに前の所が長引きまくっていて発表時間がずれこんでしまった。いきなりこの出だしとか、不安しか感じない。


 肝心の公聴会だけど、監査はピアナ先生で、意外なことに特にトラブルとかはなかった。私はタイムキーパーを担当したけど、発表時間も十分十秒となかなかにグッドなタイム。先生の質問も(たぶん)そんなに複雑なものでもなかったように思える。


 そうそう、『ベルの音、今回すごく聞き取りやすかった』って褒めてもらえた。誰に褒められたのかは覚えていない。


 こういっちゃなんだけど、始まりがすごくずれ込んでいた意外は特に印象に残るようなこともなかった。至極平和で穏やかな公聴会だったという証拠だろう。


 キイラムさんへ。見ているとは思わないけど、長い間おつかれさまでした。


 そうそう、お昼の時間、ゼクトから連絡が。以前借りたゲームを返したいとのことで、さっそく魔蝕研の前に受け取りに行く。しょうがないとはいえ、最後までやりきることは叶わなかったらしく、『もう時間ないし、借りたまま卒業するわけにもいかないから』って言ってた。


 どのみち、ゴッド●ーターの無印は鬼畜使用の玄人向けなのだ。単純にストーリーだけを追うなら、バーストをやれば十分だし、あっちの方がゲームとしての完成度ははるかに上だ。わざわざ無印をやる必要はない。


 あれを渡したのは、あの時代を知ってほしかったってだけである。個人的な意見だけど、無印をプレイしないでGEをヌルゲー扱いする奴はただのにわかだ。無印のあの殺伐とした感じと、あれを生き抜いた兵どもだけがもつ空気というものは、とても後の連中が体験できるものではない。


 午後はステラ先生の前での発表練習を行う。『ちょっと見づらいから文字を太くして』くらいしか言われなかった。さすがはステラ先生である。質問もすごくわかりやすかった。他の練習でもこうだといいんだけど。


 あと、なんかやたらと先生の部屋は暑かった。なんであんなにも暑かったのかよくわからない。とりあえず、それくらいしか印象に残らなかったってのだけは伝わってほしい。


 夕方ごろ、いつも通りに日記をつけていたらキート先生がやってきた。『よくこんなに続けられるね』なんて他愛もない会話をしていたら、ポポルが『それそこに製本されてますよ』と、本の存在をさらっとバラしやがった。


 さすがにあせった。『えっうそコレそうなの!?』と、先生の食いつき具合も凄まじい。『読ませて! 俺が出てるところだけでいいから!』と、先生は本をがっしりキープして読む姿勢もばっちり。


 電子データはともかく、実物がバレるとは。なぜポポルもあのタイミングであんなことを言ったのか。たぶん、パソコンの日記を知っていたから実物の日記も知っているんだろうと思ったんだけど、ただメモ帳に書いているテキストデータと、実際に本になっているそれとでは、受ける印象もだいぶ変わってくるというのに。


 だって、実物の本だ。そりゃあ、興味も示すに決まっている。


 んで、『見せたくないところは読まないから』という約束のもと、大丈夫そうなところだけを見せる。○月はほぼ解析と学会のグチだったので、最初から最後まで全部読まれてしまった。


 先生はケラケラ笑いながら『なかなか参考になります。反省します』って言ってたけど、正直気が気じゃなかった。たまに気に入ったところを読み上げたりするし、いつアレな記述が見つかるのかと、心の中では冷や汗ダラダラだった。


 でもまあ、思った以上に楽しんでもらえたのは僥倖だろう。なかなか懐かしかったらしく、思い出話でちょっと盛り上がる。『文才あるね!』と褒めてもらえもした。


 あと、先生は『解析なんてボタンを押して終わりなんだろ……ってこれ誰が言ったの?』ってポポルのフレーズをたいそう気に入っていた。解析の先生にあの暴言がバレた事実を、ポポルはいまだに知らないでいる。


 ここで、さらに事態は予想外の動きを見せる。先生が日記を読んでいるとき、アルテアさんやキイラムさんも合流していたんだけど(キイラムさんもわざわざ院生室に置いた日記を持ち出して先生の隣で読んでいた)、なんと帰りの挨拶をしに来たステラ先生にまで日記の存在が露見してしまったのだ。


 『私のことも書いてあるの? あんまり書かなくていいよぉ!』などと、ステラ先生も概ね好意的。『麻雀卓を粗大ゴミに出したことを書いています』って言ったら、『事実ではあるね』って笑っていた。ステラ先生はあまりこちらとは関わりがないし、あんまり日記に出てきてないんだよね。


 だいたいこんなもんだろう。本当は1730に帰る予定だったのに、先生が日記を読んでいたため1930ごろまで残ることになってしまった。後にも先にも、あれだけ心臓が止まりそうになることなどないだろう。


 文章じゃうまくあの場面を再現できていないけど、ともかく奇妙な空気が流れていたことだけは伝わってほしい。自分の日記を目の前で先生に読み上げられるという体験なぞ、早々できるものではない。


 最後に。


 全部終わったし、明日は休んでしまってもいいか……などと話していたら、いきなりキート先生から『公聴会の役割分担をする為、あしたは1000には研究室で待機しておいたください。急な連絡で申し訳ありません』とメールが来た。


 休もうと思った矢先にこれである。運命はどうしてこうも私の休みを邪魔してくるのか。まったく、本当に泣けてくる。

20180606 前書き追加


 予約投稿をミスして360日目を昨日投稿してしまったため、お詫びとしてどこかの誰かさんの日記を当たり障りない範囲で適当に抜き出して誤魔化すべきところを誤魔化して投稿しました。つまらないかもしれませんが、文章量がいっぱいってことで勘弁してください。なお、時系列は間違っていませんが、適当に抜いているので連続しているとは限りません。


 また、人名、地名、固有名称はバレない程度に変えています。基本的には同じ名前の人は同じ人物の行動だと思ってください。一部、名前を書かなくても誰のことかわかりそうなものもありますが……。


 ちなみにこの日記、研究室の間では『研究パート以外は楽しかった』、『身内ネタだけに予想以上に面白い』、『電車でのきれーなおねーさんのところだけ抜き出してくれない?』との評価でした。


 なお、裏メモのほうはガチでまとめるには時間が足りなさ過ぎました。本物の理系学生の教科書&知識が一年分……になるかどうかくらいです。真面目に書こうとすればするほど詳しく言及する羽目になったので、素直にあきらめました。それに仕様上の文字数限界(四万文字)を突破してしまいかねませんし。


 ですが、まったく載せないのもアレなので、一部をほんのちょっとだけ載せておきましょう。



魔応力→応力  ユリス

裂界魔応力→せん断応力 テリス

内魔変係数→縦弾性係数 ドラウ

外魔変係数→横弾性係数 ブラウ

魔歪→ひずみ  ミド

魔力→引張力  ノルン

ペイセア比→ポアソン比 ペポ

侵し→伸び  テラー

魔深→長さ リンセ

魔法陣面積→面積 シーグ

浸食→引っ張り

封縮→圧縮

裂界→せん断

核魔力→軸力

荒れ→曲げ

魔強度→強度


魔溶加工→溶融加工

魔撃加工→成形加工

魔裂加工→機械加工

魔化加工→化学加工


強制魔導加工→強制切込加工

浸圧魔導加工→圧力切込加工


フラウル→フライス

星筒蝕造盤→円筒研削盤

魔旋盤→旋盤


ロテル点→回転端

サークリア→モーメント ラネ

魔角→角度  オップ

魔転数→回転数 トーラ

魔振動→振動

魔裂→亀裂

魔度→温度

魔硬→硬さ

魔靭性→靭性

噛深→半径  テーク

呑深→直径  ガル

魔隙→鋳巣

魔晶→結晶

星型魔法陣→砂型

円型魔法陣→金型

流造→鋳造

撃造→鍛造

裂造→切削

蝕造→研削

魔塵→切りくず

魔流抵抗→電気の抵抗

魔子→電子


魔属結合→金属結合

マギオン結合→イオン結合

魔共結合→共有結合


魔晶格子→結晶格子

最密六方魔晶→最密六方晶

体心立方魔晶→体心立方晶

面心立方魔晶→面心立方晶


同魔素変態→同素変態

固溶魔体→固溶体


ムロー指数→ミラー指数


魔傾→傾き

微解→微分

積構→積分


星廻率→円周率 ペノ


ルボッテ→リベット

ベルデ→ボルト

マギス→ノギス

マギクロメータ→マイクロメータ


オクス→酸素

ヒドル→水素

カボナ→炭素

サフル→硫黄

フォム→リン

ニトル→窒素

マヌガ→マンガン

クロル→塩素

ナトラ→ナトリウム

ブロヌ→臭素

ジクノ→亜鉛

カプラ→銅

アロン→鉄


キャストアロン→鋳鉄

グラフィテル→黒鉛


魔磁気変態→磁気変態


チタニア→チタン

オステル→オーステナイト

フェリア→フェライト

セメテル→セメンタイト

テレシア→ステンレス

アステト→アスタチン 


風煤石→二酸化マンガン

激昂水→過酸化水素水

獣鳴水→塩酸

濁晶石→食塩

黄穂鉱→黄銅


フックの法則→タームの法則


演算魔法触媒→関数電卓

製陣用具→製図用具


一→ナ

二→タム

三→ギレ

四→ポレオ

五→ルーア


化学式→魔式名称

例:マヌガタムオクシア→二酸化マンガン、タムヒドルタムオクシア→過酸化水素

  ナトリナクロリア→塩化ナトリウム、カボナポレオブロニア→四臭化炭素


 私には何が何やらさっぱりですが、理系学生がこのメモと合わせて魔系学生の日記を読むといろいろわかることがあるみたいです。


 最後の最後でこんな失敗をしてしまったことが非常に悔しいです。せっかくあいつが書いた日記の通りに一日毎に更新していたのに……。今日はもうステラ先生にぎゅってしてもらって慰めてもらうことにします。頭ポンポンもしてもらうと決めました。


 もし、この後書きを読んでいる作者さんがいたら、予約投稿の際の日付、日時を選択するボックスのアレはページスクロールのマウスのコロコロで動いてしまうことに気を付けてください。前も一回やらかしたことあるんですよね、私。


 最後に。


 今日の日記はあくまでフィクションです。実際の人物および団体とは一切関係がありません。ありませんったらありません。マジでないんです。そういうことにしてください。もし関係があるように感じたとしても、それはきっと気のせいです。


 ……バレないよね?

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