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360日目 目覚める真実のジャスティス

 予約投稿の設定をミスし、間違えて20160326に二回投稿してしまいました。こちらの日記は本来20160327に投稿されるはずのものです。

360日目


 ギルのつむじが星形に。ホントこいつわけわかんない。


 今日の起床はいつもに比べてゆっくりめ。仕事が休みな故、学校での起床時間くらいまで寝ることができた。一年前の俺なら、この部屋でこんな遅い時間に起きて怒られないなどとは、とても信じることができなかっただろう。


 ギルを起こして食堂に下りる。冒険者たちは出かけるのと休むので半々くらい。あ、リアはアレット、アレクシスと共に町中に出かけたそうな。ピクニックだか何だか、ともあれ家族団欒をしているってマデラさんが言っていた。


 で、朝食。ぼーっと虚空を見つめるクーラスとジオルドの傍ら、ギルは『うめえうめえ!』ってジャガイモを喰いまくっていた。『食べないなら俺喰っちゃうよ!』って二人のハムエッグまで食べていた。ついでに俺のハムエッグの白身も食わせた。平和だ。


 が、『好き嫌いしちゃ、めっ!』ってロザリィちゃんにデコピンされた。『はい、あーん♪』ってロザリィちゃんの食べかけのハムエッグを『あーん♪』される。ロザリィちゃんの魅力に敵うはずもなく、哀れな俺は奮戦空しく白身を食べることになった。


 ロザリィちゃんは本当に酷い。どうしてこんなにも残酷なことができるのだろう。あまりにも怒ったので、『お仕置きしないとね?』って不意打ちでちゅっ! ってやった。『返り討ちにしてあげるっ!』ってもっと情熱的なキスをされた。まったく、ロザリィちゃんは最強プリティだ。


 さて、そんな感じでイチャイチャして過ごしていたところで『おい、ちょっとお前らそこに直れ』、『ヴィヴィディナの導きに従うなり』ってアルテアちゃんとパレッタちゃんがクーラスとジオルドを正座させる。ミーシャちゃんも、『無駄な抵抗はやめるの!』って二人をぐるぐる巻きにした。


 恐ろしいことに、そうまでされてなおジオルドとクーラスは虚空を見つめてため息をついている。時折マデラさんやちゃっぴぃを見ては、なんかにへらって顔を崩して笑っていた。


 パレッタちゃん、そんな二人の前に立つ。『今こそ受けよ、ヴィヴィディナの洗礼を……!』ってヴィヴィディナを手にまとった。『許せ、手遅れになる前に成し遂げねばならぬのだ』ってそのまま大きく振り上げて──


 ──すっぱぁぁぁぁん! って思いっきり二人をビンタした。それも、往復ビンタだ。


 『きゃはははは!』ってパレッタちゃんはトリップ。クーラスとジオルドは声にならない悲鳴を上げる。『もっと! もっと! もっともっともっとぉぉぉ!』って声にポポルが『ヒィッ!?』ってビビり、促されるままにパレッタちゃんに連射魔法をかけた。


 残像が出来ていた。ビンタの音がハチの羽音みたいになっていた。マジ怖い。


 さすがにクレイジーすぎるだろ……と思ったところでアルテアちゃんから解説が。なんでも、ルマルマ女子の間でクーラスとジオルドは人気らしく(!)、二人に関してはルマルマにおいてのみある盟約が交わされているらしい。


 うん、『恋人がいなくて嘆いている姿が可愛い。そんなときに甘えさせた時のうれしそうな顔がまたそそる。母性が刺激される。支配欲が満たされる。ゾクッとする。もちろん本当の恋人にもなりたいけど、今はまだこの関係を楽しみたい』って一部のルマルマ女子は言ってるんだって。だから、『拗らせすぎて変な方向に目覚めそうになった時は、周りにいるやつが全力で何とかするって約束してあるんだ』ってアルテアちゃんが言っていた。


 やはりというか、あの二人は結構モテていたらしい。そのモテ方がちょっと特殊だったけど。まぁ、普通はクラスメイトってだけでほっぺにキスとかしてくれないと思うし、あの二人が鈍感だったってのも多少はあるんだろう。


 それにしても、ルマルマ女子って愛情表現がなんかマニアックじゃね? さすがの俺もドン引き一歩手前だよ。なに? こういうのって世間じゃ割と普通なの? 


 あと、『そういう考え方もあるのかぁ……! みんな先生なんかよりずっとオトナなんだなぁ……!』って目をキラキラさせるステラ先生がマジプリティでした。目覚めたステラ先生もきっとステキだと思います。


 なお、ヴィヴィディナビンタが効いてきたのか、そのうち二人の瞳に力が戻り始めた。このころにはミーシャちゃんとアルテアちゃん、さらにはロザリィちゃんもビンタに参加していて、宿屋内には凄まじい音が響き渡っていた。俺もロザリィちゃんにビンタされたかった。


 ルマルマ男子はみんなドン引きした様子でそれを眺めていた。食材の搬入に来た業者や新規客もドン引きしていた。ルフ老だけがハァハァしながらその様子を眺めていた。


 すべてが終わった後、二人の眼には力強い光が宿っていた。『なんか……悪い夢でも見ていた気分だ……!』、『やっぱむちむちだよな……!』って言ってる姿を見て、これはこれでヤバいって思ってしまったことをどうか許してほしい。


 正気に戻った二人は、午後は普通にルフ老と庭でジャスティスを語っていた。『やはり同年代から……ちょっと年上くらいまでの弾けるふとももが最高だ』とはジオルド。『いやいや、同年代から……欲を言えばちょっと年下くらいの、汗ばむうなじがベストだろう?』とはクーラス。なんか微妙に影響残ってね?


 ちなみに、フィルラドは『尻。コレ最高。尻から足にかけてのライン。コレ究極』、ギルが『ハニー一択。そして筋肉』、ルフ老が『尻。それ以上でもそれ以下でもない。みな尻があるからこそ、可愛くない女子など存在せぬ』、俺が『ロザリィちゃんとステラ先生』って語った。


 なお、ポポルだけは『あんまよくわかんないけど、少なくともヴィヴィディナ纏ってビンタする奴はヤバいって思う』って答えていた。直後に『……ばかぁぁぁっ!』って声と『ふぎゃああああ!?』って悲鳴。本当にあの二人はよくわからん。


 夕餉の宴会の時、さらに衝撃的な出来事が。


 なんと、女子みんな&ステラ先生が、エプロン姿で給仕してくれたのね。


 『今日はみんな、サービスしちゃいます♪』って微笑むロザリィちゃんがマジプリティ。にこにこしながら俺のところにお皿を運んできて、さらにはジュースも注いでくれる。天国かって思ったね。


 アルテアちゃんも真っ赤になりながらフィルラドに給仕をしていた。『ホントはこんなかわいいエプロン着たくないんだからな!』って言ってたけど、『いや、良く似合っているよ……っていうか、アティは可愛いのが自分に似合わないって思っているだけだろ? 可愛いアティもステキだよ』ってフィルラドが囁く。


 珍しくアルテアちゃんが照れまくってデレていた。あいつこういうところでイケメンだから侮れない。


 ステラ先生やパレッタちゃんはいたっていつも通りな感じでジオルドとクーラスに給仕していた。意外なことに、二人ともが女の子特有の優しい感じで微笑み、あくまで普通の給仕としてのピュアな交流を演出している。


 パレッタちゃんはよくわからんけど、たぶんステラ先生は暗示魔法を使っていたと思う。そうでもなきゃウブな先生が普通の接触なんてできるはずもないし。


 ミーシャちゃんの話によると、これもジオルドとクーラスを元に戻すための一環らしい。『やっぱり同年代じゃないと……少なくとも、ロリコンはダメなの。ホントはアルテアやロザリィも同年代の魅力に気づかせるために動くはずだったのに、あのポンコツ二人は色ボケで使い物にならないの』って言っていた。


 『ミーシャちゃんは動かなくていいの?』ってなんとなく聞いたんだけど、『あたしだとぶり返しかねないから……』ってしゅんとしていた。ミーシャちゃん、一応その自覚はあったらしい。


 なお、ギルが『ハニーは立派なレディだよ!』ってさらっと慰め、感極まったミーシャちゃんは『もうっ!』って照れながらギルのほっぺに軽くキスをしていた。やっぱギルこそが真のロリコンじゃね?


 あ、そうそう、マデラさんがリアに『いいかい、あのお姉ちゃんたちはただ単に身内から犯罪者を出したくないだけなんだ。何もあんたの邪魔をしたいってわけじゃあない。十年たったら好きにしてよろしい……お前の気持ちが変わらなければ、だけどね』って説明していた。


 リアのやつ、わかっているのかいないのか、『じゃあ、十年我慢する! あたしもクーラスお兄ちゃんがルフ老やお兄ちゃんみたいになってほしくないもん!』って言っていた。ルフ老はともかく、俺についてはどういう意味だろうか?


 風呂入って雑談して今に至る。ジオルドもクーラスもすっかり元通り。宴会中はずっとチラチラとふとももやうなじをチラ見していた。『あら、見られるのって照れるわね!』ってアレットが言ってたけど、あんなババアを見たって面白くもなんともなくない?


 『別に普段着だし何とも思わない』ってナターシャも普通に足を組んでふとももを出していた。あんまり動かないもんだから贅肉が付き始めている。ついでにむくんでいる。女として終わってる。あいつのサイハイだかオーバーニーストッキングすげえ臭いし。


 あと、ミニリカも『ほう! 私に目をつけるとは見どころがあるのう! ──の友人じゃし、ちょっとくらいサービスしてやろうかの!』ってうなじを見せつけていた。年を考えろって思う。むしろ迷惑料を取るレベル。


 ……ミニリカの場合、ロリコンになるのか? それとも老け専になるのか? いや、どちらにせよ人として終わってるか。


 ケツと頭と頬が痛い。正直な感想を述べただけなのにこの仕打ち。蛇鞭でしばいたり魔法舞踊で蹴り上げたりヘッドロックしてきたりとかあいつらマジ何なの?


 アレットもミニリカもナターシャももっとミルクを飲むべきだと思う。前二人は特に。もう希望の欠片もないだろうけど。


 ギルはスヤスヤと大きなイビキをかいている。こいつのジャスティスはどうやら筋肉じゃなくてミーシャちゃんらしい。一途と言えば聞こえはいいが、一歩間違えればロリコンだ。今後とも注意深く観察を行っていこうと思う。


 なんか疲れた。でも、友人二人が元の道に……うなじとふとももの魅力を思い出してくれて本当にうれしく思う。とりあえず、ギルの鼻には男の夢を詰めてみた。みすやお。

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