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356日目 ウェイトレスステラ先生マジプリティ!

356日目


 全身がとんでもない筋肉痛。なにが筋肉だ。クソが。


 ギルを起こして厨房へ。筋肉痛が凄まじいため、大事を取ってお休みしたい旨をマデラさんに告げるも、『今更そんな甘ったれたことを言うな』と一蹴される。『だいたい、これで何回目だ?』とピュアな頃の話も持ち出してきた。


 言われてみれば、昔ちょくちょく『筋肉痛で体が動かない』って訴えてサボろうと試みた気がする。毎回見抜かれてケツビンタされたけど。


 なお、俺がこんなにも筋肉痛で苦しんでいるというのに、ギルは『筋肉痛って筋肉が成長している証だぜ! よかったな、親友!』ってすごくうれしそうだった。


 腹が立ったのでケツビンタしたら、逆に俺の腕がダメージを受けた。マジ理不尽。


 朝の仕事はいつも通りこなす。今日はフィルラドも早起きして風呂掃除中のアルテアちゃんのふとももを眺めていた。アルテアちゃん、『今更何も言うつもりはないが、とっとと手を動かせ!』って非常に凛々しかった。


 洗濯に関しては特に書くことなし。ミーシャちゃんの腕が上がったくらい。


 朝餉の支度の時、ロザリィちゃんに『筋肉痛が酷いんだ……』って話したところ、『じゃあ、お風呂上がりにでもマッサージしてあげよっか?』と魅力的すぎる提案が。まったく、どうしてロザリィちゃんはこうも俺を喜ばせてくれるのか。


 もちろん、しっかりお願いしますしておく。『前払いってことで』と、ほっぺにキスもした。『もう、仕事中だよ……♪』ってロザリィちゃんの言葉を、ちゃんと聞いておけばよかったと次の瞬間後悔した。


 『仕事中にイチャイチャしてんじゃない!』とマデラさんからケツビンタが。『きゃんっ!?』ってロザリィちゃんにも。マデラさんマジ怖い。


 しかも、明らかに俺へのケツビンタとロザリィちゃんへのケツビンタの威力が違う。ギルの全力パンチとミーシャちゃんのデコピンくらい違う。扱いの違いに泣きそう。


 朝食はやっぱりみんなでとる。今日の朝ごはんはおさかな。『おさかなおいしいの!』ってミーシャちゃんは超ご機嫌。『おばちゃんには悪いけど、あたしはこっちのほうが好き!』と、なかなかうれしいことも。


 『それじゃあ、今日の夕餉も魚にしようかね?』とマデラさんもにっこり。『本当!?』と食い気味に反応するミーシャちゃん。『ようやくいつも通りに魚が入ってくるようになったからねぇ』とのこと。


 やはり、例のジャガイモ魔神はここら一帯の大地の栄養や虫や小鳥、小動物なんかを糧に潜伏していたらしい。その影響で作物の質も悪くなり、魚も不漁が続いていたようだ。


 で、食物連鎖の下のほうがジャガイモ魔神の影響で少なくなったため、ネズミや害獣の被害が増えたり、上のほうの禽獣が降りてきたり、魔物の群れなんかが暴れたりしたようだ。もちろん、ジャガイモ魔神に直接襲われたものもいると思うけど。


 すんげえ省くけど、昼間は特に書くことが無かった。冒険者連中は冒険に行き、ルマルマはのんびりと過ごす。ジャガイモ魔神がいなくなったからおつかいとかもなし。せいぜい新規客を受け付けたくらい。


 夕餉の時。衝撃の出来事が。


 そう、あれは俺がウェイターとしてわがままを言うミニリカの魚の骨を取っていた(ミニリカは老眼で骨がとりづらいって愚痴っている)時の事。マデラさんが『次の料理あがったよ!』と、厨房から声を上げたんだよ。


 もちろん、あとちょっとで終わるとはいえ俺はババアロリの面倒を見ているため動けず。ヘルプに入っていたジオルドは酔ったナターシャに酌を強要されていたため動けず。同じくクーラスはチットゥとテッドのテーブルにフライドポテトの山盛りを配っている最中で動けず。


 悪いけどちょっと待っててもらおう……と思ったところで、『おまたせしました!』という女神の声が。


 ステラ先生が、俺の宿屋のエプロンを付けた看板娘スタイルで、非常に幸運なる冒険者(常連じゃない人)のテーブルに皿をもっていっていた。


 もうね、マジでかわいかった。普段のローブ姿の印象が強いだけに、なんかすっごく新鮮。エプロンの上からでもわかる大きなそれがマジ最高。あふれる笑顔がマジプリティ。


 歓声が上がったね。そこの冒険者、喜びのあまりポロリと涙を流していたね。さすがはステラ先生だって思ったよね。


 『今日は先生もがんばっちゃうんだから!』ってぐって両手で握りこぶしを作った時とか、頭の中で【俺とロザリィちゃんとステラ先生の楽しい宿屋経営日誌】が一瞬で出来ちゃったよね。


 『先生も働きたそうにしていたし、売り上げも伸びそうだろ? やらない手はないよね』とはマデラさん。これだからマデラさんは大好きだ。


 そしてステラ先生は精力的に働きまくる。笑顔を振りまいて、いろんなテーブルに料理を運びまくっていた。


 『おまたせしましたぁっ!』って運ばれてくるたびに、いや、そもそもの移動中でさえ、大きくて柔らかなそれがすんごい揺れるの。ゆっさゆっさしてるの。ちゃっぴぃが思わず『きゅ!』って突くくらい揺れていたの。


 眼福ってああいうことを言うんだろうね。もちろん、『え、えっちなのはダメです!』って真っ赤になるステラ先生もプリティだったよ。


 もちろん、ちょっとでも色目を使おうものなら、(俺を含めて)マデラさんから『当店は健全な店ですので……ねぇ?』って【ステラ先生だけ見えなくなる】魔法をかけられた。やましい気持ちがあると先生が見えなくなるって言う悍ましい呪と同レベルのまさに禁呪。男全員呪われた。


 しかしまぁ、本当に働くステラ先生はステキだった。先生なステラ先生ももちろんステキなんだけど、若干汗ばみながらも生き生きと動く……そう、活動的なところがたまらない。


 先生の素晴らしさはそれだけじゃ終わらない。テッドが追加の酒を注文したんだけど、『よろこんで!』ってなんと、お酌までしはじめたのだ。


 これにはテッド自身もびっくりしていた。『えっ、先生さん、なにもそこまで……!?』、『いえいえ、──くんやジオルドくんがやっているのに、私だけやらないわけにはいきませんよ!』と、聖母のそれに近い微笑み。


 テッドのやつ、だらしなく笑っていた。すごく腹が立ったので、ルマルマの総力を挙げて呪っておいた。『てめえらマジふざけんなコラァ!』って逆切れされたけど、『先生の敵は俺たちの敵だ』、『蟲は潰せってヴィヴィディナも囁いている』、『だらしないのは先生に相応しくない』……と、みんなの意志は固かった。


 なお、ギルは『うめえうめえ! ……この後も、楽しくおいしくジャガイモを食べさせてくださいよ?』ってテッドに向かって威圧的なポージングをしていた。


 なお、あまりにもブーイングが酷かったため(常連、通常顧客含めて男がうるさかった)、『そんなに先生にお酌してほしいなら金貨を積んでこい』って低い声で宣言する。『金貨でいいのか!?』、『うっひょう! それくらい楽勝じゃ!』ってあいつらみんな有り金全部ぶちまけてきた。


 あいつらのプライドの無さに悲しみを隠せない。たかだかお酌一つであそこまで金を出すとか、いったい何を考えているんだろう。もちろん俺なら全財産をはたくけど。


 結局、女神なステラ先生はひとりにつき一回だけお酌をしてあげていた。『これで喜んでもらえるなら』という献身的な発言に心を打たれる。しかも、『みんなもお仕事おつかれさま!』って俺やジオルド、クーラスにもジュースをお酌してくれた。マジでうれしかった。


 なお、お酌はマデラさんの立ち合いの元、蠢くヴィヴィディナの目玉(複眼複数分裂群体)の監視のもとに行われたことを記しておく。


 ついでに、全てが終わった後、おっさんはナターシャに酒瓶インパクトを喰らったのちに浮気デストロイをぶち込まれ、アレクシスは『私のお酌じゃ満足できないの!?』ってアレットに鞭でしばかれ、テッドはチットゥに『ごめ……やっぱ無理……』って顔面にゲロをぶっかけられていた。


 おっさんは最後の瞬間に『話せばわかる!』って言っていたけど、話してもわからないから実力行使に踏み切られたのだとなぜわからないのだろうか。


 あ、ちなみにステラ先生がちょっとおろおろしていたけど、『先生は強要はしていない。宿屋として当たり前のことしかしていない。自ら進んで金を払ったこいつらが悪い』ってナターシャもアレットも見解は一致していたよ。


 だいぶグダグダだけどこんなもんにしておこう。例のマッサージだけど、夜の見回りの際に『今日はもう遅いし、宴会中全然かまってくれなかったから延期しますっ!』ってロザリィちゃんに言われてしまったため、そういうことになった。


 弁明しようとするも、『言い訳禁止っ!』って問答無用でくちびるをくちびるで塞がれてしまったため出来ず。でも、超幸せで最高にハッピーだった。


 ギルはやっぱり大きなイビキをかいている。ふと思ったけど、先生が俺のエプロン付けてたのってマデラさんのじゃぶかぶか過ぎたからだよね。俺のもだいぶ大きめだったけど。


 とりあえず、ギルの鼻には『ちょっとこれでも詰めておけぃ!』ってミニリカに渡された魔封大勾玉を詰めてみた。結構な貴重品だと思うけど、老い先短いババアロリの頼みを断るわけにもいかない。おやすみなさい。

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