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347日目 ダークサイドジオルド

347日目


 ルフ老が朝から乾布摩擦していた。『なんか燃え上がるんじゃあッ!』とのこと。ボロボロ落ちていたアレはいったいなんだったのだろう。考えるのはやめよう。


 ギルを起こして厨房へ。いつも通りに指示を仰いだところ、『お手伝いが数件入っているから、男連中を呼んできてくれ』とのこと。


 そんなわけで、男子部屋に行くことに。すでに女子部屋では四人が起きている気配がするというのに、男子は軽いイビキとキリキリとした歯ぎしりをしながらぐうすか寝こけていた。


 とりあえずポポルをひっつかみ、残り三人の上にボディプレスさせてみた。おこちゃまは投げやすいから楽でいい。なぜか『もっと普通に起こせやコラァ!』ってクーラスにガチギレケツビンタされたけど。あいつ、もしかして寝起きは悪いのだろうか?


 ともあれ、みんなを引き連れて再びマデラさんの元へ。どうやら畑の害獣被害やネズミ被害などが増えてきているらしく、マデラさんのところにどうにかできないかって相談が結構持ち込まれているようだ。


 『【おこづかい】は弾むけど、どうする? ああ、フィルラドくんには名指しで指名が来ているから、ぜひとも行ってもらいたいねぇ』とのこと。フィルラドのやつ前回のネズミ駆除で相当名を挙げたっぽい。まぁ、召喚魔法ってこういうことには便利だしね。


 結局、行くことになったのはフィルラドとギル。『まぁ、なんだかんだ悪い仕事じゃないしな……』、『筋トレにはもってこいだぜ!』と、二人ともそれなりに乗り気。マデラさんに顎で使われているのに、そのことにすら気づいていないようだ。


 朝の報告が終わった後はいつも通りの仕事をこなす。アルテアちゃんと共に風呂掃除をし、ロザリィちゃんとイチャイチャしながら野菜の皮むきをし、パレッタちゃんの洗濯を見届けた。


 あ、アルテアちゃんから『男子風呂の風呂桶のいくつかにガタが来ている』って報告をもらった。『相変わらずあっちの備品の使い方はクソだ』とのお小言ももらう。どうせテッドと酔ったアレクシスの仕業だろう。


 ちなみにだけど、ミーシャちゃんはお使い係&洗濯物の取り込み係を担当しているらしい。『リボンを使えばこの程度楽勝なの! それに、女の人の洗濯ものまで──が扱うのはちょっとおかしいの!』って言っていた。たぶん、朝起きられないからその仕事を受け持つことにしたんだろう。


 朝食はみんなでとった。ギルはもちろん『うめえうめえ!』とジャガイモを食す。エッグ婦人とヒナたちはそんなギルのジャガイモの大皿から自分たちの朝餉を確保していた。


 あと、『あーん♪』ってロザリィちゃんがウィンナーを『あーん♪』してくれて超幸せ。男冒険者連中に見せつけながら食べる。『やべえ、今なら間違ってナイフ投げちゃいそう』、『年寄りを怒らせるとどうなるか、教える必要があるのう……?』って殺気を向けられたけど、嫉妬って本当に醜いと思う。


 午前中はやっぱりいつも通りに過ごす。ギルとフィルラドは出かけ、俺はリアのベッドメイキングの確認やその他雑務をこなす。女子たちは朝の早いうちに仕事を終わらせているため、この時間は結構ヒマっぽい。


 午後の時間、ちょっと面白いことが。受付で新規客の対応&宿帳とにらめっこしていたところ、リアが『ちゃっぴぃちゃんのとお揃いのエプロン、作ってくれますか?』って手持無沙汰なクーラスにお願いしだした。


 戸惑うクーラス。『それくらいやってあげればいいの!』と後押しするミーシャちゃん。なんか、同じちっちゃい二人だからか、リアとミーシャちゃんは妙なシンパシーを関しているらしい。


 『まぁ、世話になっているし、それくらいならいいか……』とクーラスは針と布を用意した。たぶん、なんだかんだで自分の裁縫の腕を見込まれているのがうれしいのだろう。それにあいつ、裁縫が趣味だし。


 『色とかデザインとか、なんかリクエストはある?』とクーラスはあくまで優しいお兄さんとしてリアに問いかける。『えと、お仕事にも使えそうなくらいに丈夫で、デザインはちゃっぴぃちゃんとお揃いで、色違いが良いです』と、リアはあくまで仕事用のエプロンがほしい態を装ってクーラスに接する。


 まぁ、実際リア用のエプロンってないんだけど。従業員用のエプロンはあるんだけど、リアは成長期ですぐサイズ合わなくなるから用意してないんだよね。基本ベッドメイキングだけだし。


 んで、そんな感じで話しながらちくちくしていたっぽいんだけど、いつのまにやらリアがクーラスの膝の間に座り、『うへへ……!』って気持ち悪いくらいににやにやしていた。クーラスのやつ、『あの、その、ちょっと……?』ってすんごく困惑していた。


 一応は『裁縫の技術を間近で見るため』らしい。が、どう見たってあれはそんな感じには見えない。『もうどうにでもなれ……』って達観しながらクーラスはちくちく針を動かしていた。


 そして、そんな様子を『クソがクソがクソがァ……ッ!』ってジオルドが見ていた。こっちが心配するレベルで歯をぎりぎりし、『お、おい……?』、『ほ、他にもいい子はいっぱいいるわよ?』ってミニリカとアレットが心配するレベル。


 もうね、眼がヤバいことになっていたね。漆黒の炎が揺らめているんだもの。アレ、明らかにダークサイドに堕ちかけていたよ。


 あまりにもアレだったからか、マデラさんがとっさに椅子の足をへし折り、『悪いけど、こいつをちょっと直してくれないかね?』ってジオルドに仕事を振ったの。ジオルド、『……任せてください』って一瞬で椅子を直して見せたの。


 椅子、すんげえ禍々しくなっていた。『ひぃっ!』ってミニリカとアレットが腰を抜かし、『きゃうっ!?』ってちゃっぴぃがビビってマデラさんに抱き付くレベル。


 ジオルドの魔素そのものが暗黒的になっていたし、心の底から漆黒の意思に塗りつぶされていたのだろう。相手が幼女なのにここまで拗らせるとかジオルドはもうだめかもしれない。


 ちなみにそのステキに禍々しい椅子は、『なんかこれいいかも。ちょっと気に入った』ってチットゥが持って行ってしまった。相変わらずあいつのセンスはよくわからん。


 こんなもんにしておこう。その後は普通に宴会して風呂入ってちょっとだけおしゃべりして今に至る。宴会中、ジオルドからは漆黒の魔力がダダ漏れで、リアとちゃっぴぃはちょっと怯えていたよ。


 なお、ずっとジオルドは無言でやけ食いしていたけど、冒険者連中はいつも通りバカ騒ぎしていたことをここに記しておこう。ゲロった奴が一人もいないのはラッキーだ。


 ギルは今日もクソうるさいイビキをかいて寝ている。こいつは害獣駆除をしてきたはずだけど、いったいどれほど活躍したのだろうか? ちゃんと汗をまいてなわばりを示すところまでやったのか、非常に気にかかる。


 とりあえず、ギルの鼻にはジオルドの漆黒の魔力片(風呂場に落ちてた)を詰めてみた。おやすみ……って、今日はロザリィちゃんとほとんどイチャイチャできなかった。超悲しい。

20160317 誤字修正

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