表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
345/368

343日目 チットゥの性別とおねがいリア

343日目


 ギルの背中に天使の羽。ぶちのめすぞ。


 ギルを起こして厨房へ。枕がなかったせいで快眠って程ではなかったけれども、今回はマジでガチで普通に誤差の範囲内。狂っていない。大丈夫。


 で、マデラさんに今日の仕事内容を聞いたところ、『悪いけど、男子部屋の連中を起こしてきてくれないかね』と頼まれる。いったい何があるのか、正直ワクワクが隠せなかった。


 とりあえず、言われたとおりに男子部屋に行き、紳士的に揺さぶって起こしてみる。ナイトキャップジオルドとデミロリコンのクーラスはすぐに起きたけど、お子ちゃまポポルとヒモクズフィルラドはなかなか起きない。


 だから、マッスルギルに『じゃがいもぉぉぉぉぉ!』って叫んでもらった。あいつら一瞬で飛び起きた。そして『殺す気かコラァ!』ってケツビンタされた。解せぬ。


 なお、下に戻ったらマデラさんにも『他の客の迷惑を考えろ!』ってケツビンタされた。マジで解せぬ。


 ともあれ、仕事内容を聞くことに。『普通のネズミ駆除が一件、普通じゃないネズミ駆除が一件、臨時のヘルプが一件……好きなのを選んでいい。【おこづかい】はちょっと弾んであげようかね』とのこと。


 みんな呆然としていた。『普通じゃないのって、どういう意味ですか?』とクーラスは声を震わせながら聞く。『そりゃあ、言葉通りの意味さ』とマデラさんは意味深に笑った。


 『魔系なんだ、こういうことだって初めてじゃあないだろう? それに、進級すればこういう授業だってそのうちやるさ』ってマデラさんは言っていたけど、もしかして俺、魔系の上級生がやるような仕事を幼少期からやらされていたのだろうか?


 ちなみに、普通のネズミ駆除にはフィルラドが、臨時のヘルプにはジオルドが、普通じゃないネズミ駆除はギルが担当することに。マデラさん特製弁当と共に無言で漬物石と酒瓶(中身なし)を出発しようとするメンツに渡したところ、『ちょっとマジで意味が分からない』と言われてしまった。


 そういや、こいつらには俺の漬物石ストライクと酒瓶インパクトを見せていなかった。俺ってばちょううっかり。


 あ、ギルだけは『いい筋トレになるぜ!』って漬物石を全部持って行ったけど。どうやら奴の脳筋はますますたくましくなっているようだ。


 さて、その後は朝の通常業務に入る。冒険者連中は朝の謎の異音を気にしていたけど、我らがルマルマのメンツは特に気にしてもいなかった。ミーシャちゃんに至っては『あたしもお弁当作ってほしかったの……』ってがっかりしていた。


 午前中は普通に仕事を進める。朝の仕事を終えた女子たちはリアと一緒に何かおしゃべりしていた。その中に普通にミニリカが混じっていたけど、あいつはいつまで女子で通すつもりなのだろう? ババアロリって本当に厚かましいよね。


 あと、なんであの輪の中にチットゥは当たり前のようにいたのだろ……あれ、俺、そういえばチットゥの姿って見たことないや。いっつもわけわからん装束を纏っているし、顔もなんかヴェール的なので隠しているし。


 ……まて、マジであいつの肌を見たことなくね? 声はくぐもっていてどっちかわからない。風呂に入っているところも……見たことない。ゲロするときは……ダメだ、口周りゲロ塗れで何が何だかわかりゃしない。


 いやいや、おかしくね? 胸の大きさ……も、あいつの装束だぼっとしているからわかんない。下着……は少なくともブラジャーはないけど、パンツは男でも女でも通りそうな感じ。


 えっちょっとまって俺あいつの性別知らないの?


 ……まぁいいや。どうせ困ることでもない。


 なんだかんだで夕方ごろ、外回りに行ってた連中が帰ってきた。『覚悟した割には普通にただの手伝いだった』、『筋肉見せたらみんな逃げたぜ! もちろん止めはさしておいた!』、『ネズミ怖いネズミ怖いネズミ怖い』とのこと。どうやらフィルラド、けっこうガチで召喚魔法を使いまくったようだ。


 宴会をしていたらちょっとした事件が。もじもじしたリアがクーラスに『お……お裁縫、あたしに教えてください!』って抱き着きだした。


 もちろん、クーラスは食ってた肉を吹き出す。『さ、裁縫なら俺よりマデラさんやミニリカさんのほうが良いんじゃないかなっ?』とぎこちない笑顔で諭すも、『古いセンスよりもナウいセンスのほうが良いってミニリカも言ってたの!』とリアも引かない。


 どうやら、午前にみんなで話していたのはリアのコイバナだったらしい。きっとルマルマ女子がクーラスの趣味とかを教え、ババアロリが入れ知恵したんだろう。


 『あたし、将来的にはお兄ちゃんの仕事もできるようにならないといけないの! まだ針仕事は出来ないから、せめて滞在しているときだけでも教えて……!』と、リアは胸の前で両手を組み、首を少し傾け、目を潤ませて上目遣いでクーラスに迫る。


 すげえって思ったね。あいつ、ちゃっかり水で涙のあとをつけてたもん。しかもちゃっぴぃが精神憑依して庇護欲というか、守ってオーラを醸し出し、ちょっぴりの色気も付け加えているんだもん。


 さすがのクーラスもこれにダジダジ。所在なさげに周りを見るも、助ける人なんていはしない。


 が、『何うちのリアを泣かせてるんだコラァ!』とアレクシスが割ってきた。『裁縫くらい教えろよ! 減るもんじゃないだろう!』と完全に酔っている。しかも、『もしリアに裁縫を教えてくれたら、お姉さん何でも言うことを聞いてあげちゃうわ!』とアレットまで絡みだす始末。


 もちろん、他の連中はゲラゲラ笑っていた。『お姉さんって年でもないだろうが!』、『教えたら教えたで文句言うだろうに!』などと、いつのまにやらクーラスを無視して騒ぎ出した。


 途中から『うっひょおおお!』って叫ぶギルがアレクシスの剛弓とアレットの蛇鞭と力比べをしだしたと言ったら、どんだけわけのわからない状況だったのかわかってもらえると思う。


 ちなみに、リアはちゃっかりクーラスの膝に座ってご機嫌だった。俺以外の男に膝に乗ってご機嫌とか、リアのやつ、まさかナターシャのアバズレが移ったんじゃあるまいな? まあ、俺の膝にはちゃっぴぃが乗っていたけどさ。


 長くなったけどこんなもんにしておこう。あ、どさくさに紛れてアルテアちゃんが『今日は、その、お疲れさまな』ってフィルラドを膝枕していたよ。フィルラドがガッチガチになって真っ赤になっていたのと、ルフ老が『ちくしょうがァ……ッ!』って血涙を流していたのを覚えている。


 ギルはやっぱりクソうるさいイビキをかいてスヤスヤと寝ている。そして、今日も俺の枕が行方不明。ついでに毛布もなんか変わっているんだけど、どういうこと?


 夢魔のぬいぐるみも拉致られたままだし、そろそろお仕置きを検討してもいいかもしれない。ギルの鼻には恐怖の種を詰めてみた。グッナイ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ