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30日目 アルテアスペシャル美容液

30日目


 ギルの爪が真っ黒。微妙すぎて反応に困る。そしてさりげなく日記の一か月記念。ひゃっほう。


 朝食後にエレガントにコーヒーを飲む。濃い香りと深い味がなかなか魅力的。ミルクを一杯と砂糖を一つまみ入れるのが俺のお気に入り。うっかりストレートブラックで飲んで涙目になっているロザリィちゃんが超可愛かった。代わりに飲んであげようかと提案したら隣にいたアルテアちゃんが即座に飲み干してしまった。残念。


 そのまま流れでアルテアちゃんと一緒に薬剤を調合をした。ギルには畑の水やりと雷髭魚のひげを引き抜く作業を頼んでおいた。雷髭魚のひげは太くて丈夫だからバラすのがすっごく面倒なんだよね。あと、皮をはぐのもすごく大変。ぬめってしてて気持ち悪い。


 コケウス、ヤカツ、ナエカ、リシオ、ボルナ、虹夢花(赤)、それに堕鳥草が少しとなかなか材料が豊富になってきたので、より質の良い風邪薬と解毒薬、あとおこさまエディションの水薬を作っておいた。この水薬はナエカ、堕鳥草、コケウス、それにヴィーラアクアと栽培したリンゴの果汁を加えたもので、魔力的にも身体的にも利く栄養剤だ。


 複数の薬品を調合し終えた後はいよいよロザリィちゃんに渡す美容液の製作に取り掛かる。なんと、アルテアちゃんが秘蔵の鏡魔の笑涙を提供してくれたので、以前採取したギルの涙の成分を写し取る。で、それにヴィーラアクア、リシオ、ナエカ、堕鳥草を混合して煎じたものを丁寧に濾し、フェアリードロップを数滴たらして完成させた。


 アルテアちゃんにちょっと使ってみてもらったところ、なかなかの効果。肌に使ったらぷるぷるだし、髪に使ったら超つやつや。気高きアルテアちゃんがあんなに嬉しそうにはしゃいでいるのを初めて見た。


 鏡魔の笑涙で写し取ったものをぜひ教えてくれと言われたが、お互いのために黙っておいた。材料はいくらでも用意できるが、さすがに俺はそこまで悪じゃない。今回だって結構グレーゾーンなのに。あと、凍り付いているはずのギルの涙の欠片はなぜか一向に溶ける気配がなかった。不気味。


 鏡魔の笑涙さえあればいくらでも作れると教えたけど、あれって結構値が張るから困る。


 作ったものは前回と同じように一部をクラス財産に、残りを学生部で売って儲けの二割をクラス資金の貯金箱にぶちこむ。あと、アルテアちゃんの強い希望でアルテアスペシャル美容液(アルテアちゃん命名)は全部クラス財産に回された。その分儲けをちょっと多めにもらえたけど。もちろん、ロザリィちゃんにプレゼントする分は確保してある。


 夕飯前、クラスルームにてミーシャちゃん主催の雷髭魚の解体ショーが行われていた。ギルの使い方を覚えたらしい。あと、ジオルドが武具の作製に、クーラスが杖の強化にそれぞれムーンフィッシュの牙とエンゼルフィンのひれが欲しいと言ってきたので、ミーシャちゃんに頼んで捌いてもらった。あまった肉片のカスはリチャードやジョンソンがいる虫かごに投入されおいしく食べられていた。


 夕食にて、ロザリィちゃんにアルテアスペシャル美容液を渡す。めっちゃ喜んで手をぎゅって握ってくれた。うっひょおおおおおお!


 うれしい気分のまま今日は寝る。手元に都合のいいものがなかったので、もったいないけど炎鬼の指骨(の欠片)をギルの鼻に突っ込んだ。消音効果はそれなり。おやすみなさい。


※明日は授業。デイ・オブ・燃えるゴミ。魔法廃棄物も部屋の外に出しておくこと。

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