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277日目 目覚めるヒップホップソウル~ロザリィちゃんボディパーカッションwithちゃっぴぃ~

277日目


 ギルが酒臭い。どうやら汗が酒になっているらしい。とりあえずギル・アルコールと名付けて採取しておいた。


 ギルを起こして食堂へ。今日は吹雪……ってほどじゃないけど結構な大雪のため、食堂もかなり寒い。暖炉近くの席で戦争になっている。とりあえずどさくさに紛れて腹痛の呪をぶっ放しておいた。俺ってばちょうお茶目。


 朝食はぽかぽかミネストローネをチョイス。割と久しぶりに飲んだけど、変わらない定番の味ってやっぱりステキ。パレッタちゃんもがぶ飲みしてたけど、口周りに赤いのが滴って割とホラーなテイストになっていた。妙に似合うのはなぜだろうか。


 ギルはもちろんジャガイモ。『うめえうめえ!』と元気よく貪る。新陳代謝がいいのか、あいつがジャガイモを食べるたびに周囲の温度が微妙に上がる。半分食べるころにはギルの体から白い湯気的なものが視認出来た。つくづくあいつ人間やめていると思う。


 さて、今日こそ生産的なことをしよう……と思っていたのに、大雪のため外には出られず、やっぱりクラスルームでゴロゴロすることに。暇をもてあそんでいる感が否めず、やることがない。忙しい時はあんなにも休みたいと思っていたのに、なんでヒマになるとこう感じてしまうのだろうか。俺の長年の疑問だ。


 『筋トレやろうぜ、親友!』とギルがスクワットに誘ってくれたものの、丁重に断る。『ロフトの補修をやらないか?』とジオルドが誘ってくれたものの、なんか気分じゃない。『手袋編もうぜ』とクーラスが誘ってくれたけど、ロザリィちゃんと恋人つなぎするから俺には必要ない。


 とはいえ、フィルラドやポポルと一緒につまみ食いに興じるつもりもなく、さて、どうしようかな……と思っていた矢先にエッグ婦人とヒナたちを発見。ついでにスライムボールで遊ぶちゃっぴぃも見つける。


 いいおもちゃを見つけたので、『お前たちの力、見せてみろ』と口笛を吹いてみる。『きゅ!?』と、ちゃっぴぃもヒナたちもハッとしたようにケツを振り出した。紛れもなくケツフリフリダンス。今季一番のケツのキレだったことをここに記しておこう。


 気分が盛り上がったので、さらにボディパーカッションも混ぜてみた。『きゅーっ♪』とちゃっぴぃのテンションの上がり具合もすさまじい。めちゃくちゃなダンスとはいえ、俺が曲調を変えるたびにやつらもダンスを変えてくる。ちゃっぴぃの脚があそこまで上がるとは俺も想像しなかった。


 『妙な才能があるな……』とはアルテアちゃん。ヒナたちもおおむね俺の思い通りに動いてくれる。こうなると楽しくなってくるもので、指ぱっちんに手拍子、さらには俺の自慢の腹太鼓&尻太鼓も披露してやった。傍から見れば、俺も踊っていたように見えたかもしれない。


 『──くん、かっこいい!』って笑顔を浮かべてくれるロザリィちゃんがめっちゃプリティだった。『今度教えて!』って言ってきたので、『あとでじっくり手取り足取り教えてあげるよ!』とほほ笑む。『ありがと!』ってほっぺにちゅっ! ってしてくれた。ちょう幸せ。いつか歌手志望らしいお姉さんと合わせてみたいそうな。


 地味に魔法舞踊も混ぜてみたら(そもそもミニリカの魔法舞踊にボディパーカッションの要素がある。『どんなところでもセルフで伴奏がつくのが強みじゃ!』って言っていた)、ギルもノリノリでポージングをし始めた。ミーシャちゃんもケラケラ笑い、ギルの胸筋をペチペチと叩いてリズムをとる。


 すごかったよ、マジで。胸筋の動きとミーシャちゃんの手の動きが連動しているんだもん。


 さて、そんなこんなでダンスの指揮者をしていたら、やがてちゃっぴぃもそっちがやりたくなってきたのか、ダンスをやめて俺の体を叩きに来た。なんか根本的に間違っているけど気にしない。


 どうやら、一応は自分の体を叩いてみたらしい。が、トーシロのあいつがやったところでいい音が出るはずもなく。で、何を思ったかいい音を出している俺を叩けばいい……と言う結論に至ったようだ。


 それはもう『きゅ! きゅ!』って力任せに俺の胸だのケツだのを叩いてきて大変だった。ご機嫌じゃなければ容赦ないケツビンタをしていたと思う。


 で、『こら、パパの邪魔しちゃダメだよー?』ってロザリィちゃんがちゃっぴぃを止めに入ったんだけど、なんとちゃっぴぃ、ロザリィちゃんに抱かれるやいなや、『きゅーっ♪』ってロザリィちゃんの胸を叩き始めた。


 リズミカルにばいんばいんと揺れるそれ。『きゃあっ!?』って可愛らしい悲鳴&真っ赤なプリティフェイス。ノリノリで叩きまくるちゃっぴぃ。あとでガチハゲプリンを渡してやろうと誓った。


 『ちょ、やめ……!』とロザリィちゃんは止めにかかるも、ヒップホップソウルに目覚めたちゃっぴぃは止まらない。『きゅっ♪ きゅぅっ♪ きゅうんっ♪』ってばいんばいんぽよんぽよんと熱いビートを刻み続けた。


 母なる双丘にソウルフルなリズムが響くその姿に見とれてしまったのはしょうがない。そりゃあ、俺の胸なんかよりもさぞ叩きがいがあったことだろう。


 結局、『そのへんにしときな』とアルテアちゃんがちゃっぴぃを引きはがしたことでロザリィちゃんボディパーカッションwithちゃっぴぃは終了。『は、恥ずかしかったぁ……っ!』とロザリィちゃんは超真っ赤。そんなお顔もマジプリティだった。


 あと、ロザリィちゃんに『ボディパーカッション、勘が鈍らないうちに実際にさっきみたいに叩いて教えてもいいかな?』って耳元で囁いたら、『い、今はダメっ! ひ、人前じゃないところでお願いしますっ!』って真っ赤な顔で言われた。


 ……えっこれってもしかしてそういうこと? なんだかんだでその後のどさくさでなあなあになったけど、そういうことだよね? 嫌って思われてないよね?


 夕飯食って風呂入って雑談して今に至る。ロザリィちゃんの最後の一言が気になって気になってしょうがない。夕飯の時も雑談の時もロザリィちゃん、チラチラこっちを見ては赤くなって視線を合わせてくれなかったんだよね。


 実際冗談だったけど、照れて恥ずかしがるロザリィちゃんが見られて大満足。それ以上を望むのは欲張りと言うものだろう。一人の男として、あの柔らかな母なる果実を手に収めたいと思ってしまうのはしょうがないことなのだ。それに俺触ったことないし。


 一応言っておくけど、ヨダレ女とババアロリと乳臭いガキのはノーカンね。


 ギルは今日も大きなイビキをかいている。書き忘れたけど、ロザリィちゃんボディパーカッションwithちゃっぴぃに見とれていた男子には全力ガチのこむら返りの呪をかけておいた。ギルは数少ない無事なやつの一人である。たぶん、呪われてても健やかに寝ていると思うけど。


 とりあえず、ギルの鼻にはフィーバーしまくってたヒナたちの抜け羽を詰めておいた。おやすみなさい。

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